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ドラッグ・ラグ解消、「55年通知では無理」?

7月28日の中医協.jpg 「この通知でやるのは無理だろう」─。薬事法上の承認を受けた適応以外でも一定の場合に保険支払いを認めるとした旧厚生省保険局長の「55年通知」の活用によるドラッグ・ラグの解消は厳しい状況にある。(新井裕充)

 厚生労働省は7月28日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、「55年通知」の対象となる診療行為や判断権者などを整理した一覧表を示した。

 その中で、「55年通知」の対象となる診療行為について「再審査期間が終了した医薬品の適応外使用」と明記。副作用の報告義務期間や再審査期間が終了して有効性や安全性が担保された医薬品であることを改めて確認した。

 その上で、「再審査期間」について保険局医療課の磯部総一郎薬剤管理官はこう説明した。
 「新薬は現在、通常8年の再審査期間を付けている。オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)は10年。最初の新有効成分のときの再審査期間が効いている期間はこの(55年)通知が適用されないので、『最初に薬価収載されてから8年間はこの通知が実質適用されない』とご理解いただきたい」

 この説明に診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は理解を示し、こう述べた。
 「今の抗がん剤の新しい疾患への適応という実態には合わない通知。この通知でやるのは無理だということは確かにそうだろうと思う。ですから、『55年通知的なもの』が、がんの特性と抗がん薬の特性での、いわゆる臓器がん対象の適応症を超えたがんの横断的な適応の在り方についてどうかと、さらに必要なのかどうかということの議論が必要だ」
 (委員の発言要旨は3ページ以下を参照)
 

【目次】
 P2 → 「事実関係を少し整理させていただいた」 ─ 佐藤課長
 P3 → 「ドラッグ・ラグの解消手段と申し上げたが」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「8年間は通知が実質適用されない」 ─ 薬剤管理官
 P5 → 「安全性の担保という問題も絡む」 ─ 遠藤会長
 P6 → 「この通知でやるのは無理だろう」 ─ 安達委員

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