誌面アーカイブ

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

患者自ら立つ1・患者を支える1


薬害、そして心臓を襲った副作用

 さて、ここからは、武田さんにスポットを当てていきましょう。
 1978年、東京都江戸川区に生まれます。先天性の血友病でした。血友病とは、血中の血液凝固因子というタンパク質が足りない病気で、出血した際に止血されづらくなります。常に血液製剤で凝固因子を補ってあげる必要があります。が、武田さんが血友病の治療開始当時に使っていた製剤は、「非加熱血液製剤」といって、現在のようにウイルスの不活化処理がされているものではありませんでした。武田さんは、5歳になることまでに、HIV、B型肝炎、C型肝炎という3つに感染してしまいました。
 その結果、血友病の血液製剤治療に加えて、HIVの治療薬を飲み続けることになりました。これだけでも十分に大変なことですが、さらに大学4年生だった2001年の1月から3月にかけて、大きな危機に見舞われます。肝炎の悪化を示す検査数値が上昇してくるのと前後して、HIVの薬が耐性で効かなくなって、医師からは「新しい治療を始めないと生存を保障できない」と言われてしまいました。そこで、肝炎治療のインターフェロンと新たなHIVの薬を併用してみたら、完全房室ブロックという重度の不整脈を起こしてしまいました。たまたま入院中だったので一命を取り留めましたが、そうでなければ一巻の終わりとなるところでした。
 ペースメーカーを入れないとHIVの薬は続けられない。しかし薬の効く確率は数%だというのです。もともと血友病がありますから、数%の確率のために出血するのは避けたいと薬をやめました。それから5年半ぐらい新しい薬が全く出ず、生き延びたのが奇跡的でした。一昨年にようやく新しい薬が出て、当座の危機を脱しました。「何とかなるもんだなと思いました」とサラっと言いますが、その間の恐怖を思うと返す言葉がありません。
 そして、その危機は、生活にも大きな影響を与えました。期末試験を受けられなかったので、大学を1年留年しました。そして1年遅れで卒業してはみたものの、体のことがあって就職先も見つかりません。大学時代の先輩で出版社に就職した人の紹介で、著名人にインタビューしては文章にまとめる、そんなフリーライターの仕事をするようになりました。
 あれ、セルフマネジメントプログラムは? と思いましたね。この先は次号でお伝えします。

同協会の活動  患者にセルフマネジメントの考え方やスキルを身に付けてもらうために、患者やその家族を対象に、全国各地でワークショップ(WS)を開いている。 WSは、6週連続で毎週1回2時間半のグループミーティング形式。WSの質が保証されるよう、スタンフォード大のカリキュラムに沿ったマニュアルを使い、2人のリーダーが進行役を務める。リーダーのうち少なくとも1人は患者である。リーダーになるには、ワークショップを経た後に、さらにリーダー研修を受講し合格することが必要。現在リーダーは全国に84人いる。プログラムの詳細は次号以降に。参考書籍は、『病気とともに生きる』(日本看護協会出版会、3600円税別)。  同協会の連絡先は 03(5449)2317。
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