全国一律は大ウソ 保険医療に提供格差
ついに可視化
支払基金でのレセプトの審査は、図2のような流れで行われます。
コンピュータにかけて何も問題がなければ、そのまま支払いへ回ります。しかし、あらかじめ入力されたチェック項目に引っ掛かった場合、付箋が付けられます。審査機関の職員がそれを見て、医師・歯科医師・薬剤師などで構成する審査委員会にかける(医療的に判定する)までもなく支払うべきと判断したものは付箋を外し、支払いへ回します。残ったものも、審査委員会が問題ないと判断すれば支払いへ回されます。審査委員会が問題ありと判断すれば、返戻や査定になります。
この流れのうち最初の方にある「あらかじめ入力されたチェック項目」で支部ごとの差が、全部で約11万5千件もあったのです。しかも、うち7万件以上は、医療機関によって適用するしないを変える、というダブルスタンダードでした(文末コラム参照)。
驚くのは、そうやってコンピュータで付箋を付けておきながら、事務職員段階で外す割合がとても高く、数カ所を除いて8割以上、平均で9割程度が外されいました。正当な理由かどうか判定する必要すらないということですから、コンピュータが最初から付箋を付けないように設定もできるはずで、最初の段階で一体何をチェックしているのか理解に苦しみます。職員を抱え込んでおくための口実に使われているのでないか、と言ったら邪推が過ぎるでしょうか。
なおワーキンググループは、もう一方の国保連に関して、システムや運用が複雑過ぎたため支払基金と同様の解析を断念したそうです。支払基金より支部間の格差が少ないとは考えにくいものがあります。
提供にも地域差