病院の上手な使い方
問診が済んだところで、「検査しましょうか」と言われたあなた。医師は、表面の症状だけでなく、症状の原因は何なのか、他にも病気が隠れていないか、あなたの体の状態をもっとよく知りたいと考えています。「帰る時間が遅くなる」などとガッカリせず、せっかくの機会ですから検査をフル活用して、自分でも体の状態を把握しましょう。
ひと口に検査と言っても、①検体検査(血液や尿)、②画像診断、③内視鏡検査、④生理機能検査などがあります。
健康診断などで皆さんに一番なじみ深いのは検体検査ですね。出てきた数値と基準値との比較で内蔵に異常がないか診るものですが、この「基準値」は学会などが平均的な人を参考に定めたもので、時代によって変わる目安に過ぎません。背に高い低いがあるように数値にも個人差があって当然。また体調によっても、結構上がったり下がったりするものです。
本当に病気が隠れているかどうかは、異常を示した項目の組み合わせや、過去からの推移を見ないと判定できないものなので、数字一つひとつに一喜一憂しないことが大切です。
「検査しましょう」と言われたら......。
1、「何を調べたいのか」聞く。気になる臓器は追加検査を頼む手も。
医師が何を知りたくて、どの項目の検査をしようとしているのか尋ねてみましょう。その際に、自分が気になっている臓器・症状が他にもあったら、その検査を同時にやってもらうよう頼んでみる手もあります。ただし、一度に10項目を超えたり、明らかに不要な検査だったりすると、病院の費用持ち出しになるので嫌がられます。
2、腕は、まくりやすい? 朝起きてから口にしたものは?
病院に来る以上、明らかな風邪でもない限り検査があると思って間違いありません。最初から心の準備をしておいた方が無難です。腕をまくりあげやすい服装になっていますか? また、食事によって上下する数値もあるため、朝起きてから口にしたものを、飴やジュースも含めてメモ書きして伝えると医師は助かります。
主な血液生化学的検査の内容と数値の見方。
検体検査(血液検査・尿検査など)は、内蔵の状態を調べる検査。内蔵の働きが落ちたり、細胞が壊れたりすると、ホルモンや酸素など様々な物質の量が変化します。それらの物質の血中・尿中の量を基準値と比較することで、異常を推測します。
血液検査は、赤血球数や白血球数など血液細胞そのものを調べる「血液学的検査」と内蔵の機能を類推できる物質を調べる「血液生化学的検査」があります。ここでは、主に生活習慣病に関する「血液生化学的検査」の内容を簡単にまとめました。なお、基準値は、病院でもらった検査成績表の値をご参照下さい。