情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。
診療報酬 初歩の初歩
専門用語や数字が並ぶ医療情報は、一般の患者にとっては、とかくわかりにくいもの。「診療報酬」もそのひとつでしょう。でも、私たち患者が支払う医療費はこれで決まるのです。
知っておいて損はない診療報酬の初歩の初歩をまとめてみました。
監修/坂本 徹 東京医科歯科大学病院院長
丸山和久 同医学部医事課長
岩瀬英一 同医学部医事課医事掛
そもそも何?
患者の医療費を決める根拠となる「診療報酬」。言葉はニュースなどでよく耳にはするけれど、どうもピンと来ないという人も多いのではないでしょうか。
でも、自分が支払うお金に関することをよく分からないままにしておくのは、やはり不安なもの。細かい数字の話はさておき、ざっくりと診療報酬の大枠を理解しておいて、決して損はないはずです。
そもそも、診療報酬とは何なのでしょうか?
皆さんが自分の加入している保険証を使って診察や治療を受けることを、「保険診療」と言います。その歳、かかった医療費を医療機関が割り出す根拠となる"医療行為についての国定料金表"が、診療報酬です。
診療報酬は、「1点=10円」という点数によって表されます。心電図検査は何点、レントゲンフィルムは何点と、医療行為にかかるあらゆる項目に対して、1点10円の点数が付けられています。
また、診療報酬は点数によって価格を確定させるだけでなく、"この医療行為はこんな内容です"という規定の意味合いもあります。
診察や治療を終えると、医療機関はその患者にかかった診療報酬の点数を合計して、医療費を割り出します。病院などで、会計の時まで支払い額が分からないのは、こんなふうに最後にまとめて計算する流れになっているためです。
そして、算出された医療費のうち、患者が支払うのは皆さんご存じの通り自己負担分のみ。加入している保険の種類によって自己負担率は異なりますが、たとえば自己負担率が3割の会社員の場合は、病院や診療所の窓口で医療費の3割を支払います。
さらに、医療機関は「診療報酬明細書(レセプト=vol.42参照)」を支払基金や国保連合会に提出し、チェックを受けた後、3カ月後に残りの7割の医療費を受け取ります。
では、診療報酬の具体的な「中身」とはいったいどんなものなのでしょうか?