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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

今年こそサヨナラ 水虫さん

治らないのは、ここに問題があった

 治る、治ると簡単に書いてきましたが、実際に治そうとすると治りにくいというのは、多くの人が実感していることだと思います。ここでは、なぜ治りにくいのか考えてみます。それを引っくり返すと、きちんと治すために必要なことも見えてきます。
 治りにくいという場合に2タイプあります。いったん症状が改善するのだけれど忘れたころに再発するものと、だんだん症状がひどくなるものです。
 前者の場合、理由は大きく分けて2つ。治療が中途半端か、再感染したか、です。
中途半端にも色々あります。最も一般的なのが外用薬の塗り方が悪いケース。症状のある部分にしか薬を塗っていないか、症状がよくなったら塗るのをやめてしまうというものです。
 白癬菌はカビの仲間ですから、隠れた根っこがあります。「カビは根こそぎたたなきゃダメ」というCMコピーを覚えている方もいらっしゃるでしょう。症状のない部分にも塗ること、症状が消えても最低1カ月は塗り続けることが大切です。
 爪白癬を残しているケースもあります。爪からボロボロ出てくるカスは白癬菌の巣窟です。いくら足をキレイにしても、後方から続々と補給部隊に来られては手に負えません。きちんと飲み薬で治しましょう。
 冬になると自然に治るが夏になると出てくるという場合は、寒くなって白癬菌が冬眠のような状態になっているだけ。温かくなれば、また出てきますので治療が必要です。
 再感染する原因は、家族の白癬菌か、自分がかつて落とした白癬菌か、です。治療は家族全員で取り組まないと効果が低いことになります。また、部屋は清潔にしたいですね。
 続いて、どんどん悪くなる場合ですが、これも2パターンです。
 まず、先ほども説明したように、疾患の原因が、そもそも白癬でない可能性があります。いくらミズムシ薬を塗っても良くなりませんし、下手をすると薬剤の副作用でかぶれたりします。皮膚科医の診断を受ければ、こういう失敗はなくなります。
 白癬が原因には違いないのだけれど、ミズムシの外用薬で副作用が出てしまっているというケースもあります。外用薬の主成分の抗真菌剤は、意外とかぶれやすいものです。かぶれてしまったら、まず薬をやめてかぶれの治療をすることが必要です。同時に飲み薬でミズムシ退治をします。
 かぶれたのをミズムシが悪化したと勘違いしてしまうことも意外に多いので、ご用心ください。

民間療法には限界があります。  酢に足をつけるとか、塩水で足を洗うとか、様々な水虫退治法が知られていますね。これらの方法は、足を清潔にするという方向性は正しいです。しかし白癬を殲滅するような力はありませんので、過信は禁物です。  白癬は、環境が生存に適さなくなると、糸状に伸びるのをやめ、丸まった芽胞となって数カ月間休眠状態で生き続けます。この生き残った白癬が皮膚細胞と共にすべて剥がれ落ちると、退治できたということになります。

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