予防接種法「不退転の決意で大改正」と上田局長
予防接種法の大規模改正をにらんだ厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会が、25日に新設されて始まった。普段は公の場であまり発言しない上田博三・厚生労働省健康局長が、「我々としても不退転の決意で大改正に取り組む」と述べた。記録として残しておく。またこの日、日本脳炎予防接種のあり方を検討する小委の設置が決まった。(川口恭)
この発言は、委員の宮崎千明・福岡市立西部療育センター長が「今日論点として示されたようなことは既に過去にも何度も随分と議論されてきている。しかしその先に進まなかったということが問題なんであって、今回の部会はブレークスルーできるような力を持ちうると期待してよいのか。過去20年間動かなかったことについて国はどう総括しているのか」と質問したのに対して答えたもの。
上田氏の発言要旨は以下の通り。
「私自身も20年以上ワクチン行政を担当してきている。たしかに我々の政策が揺れたということもある。典型例が平成6年、13年改正のインフルエンザの扱い。一方で、国民のワクチンへの理解が足りなかったということもあり、我々の努力も足りなかった。今回はその辺りも十分に議論していただいて、我々としても不退転の決意で大改正に取り組んでいく」
これを受けて座長の加藤達夫。国立成育医療センター総長も
「今日も足立政務官が冒頭に来ていたし、厚生労働大臣のもとで設けられた部会なので、従来の検討会と違って、より力強い会と私も認識している」と述べた。
加藤座長の発言中に出てくる足立信也政務官は冒頭に挨拶して30分ほどで退席した。その挨拶要旨は以下の通り。
「先般、インフルエンザ対策の特別措置法が成立、施行されている。国会審議の中では様々な問題が質問されたし、我々も元々自覚していたものもあって、まずは特措法、その中で健康被害の救済と海外にはある免責とを入れた。政策目標として半年で国民全員分のワクチンを製造できる能力を整備するというのはあるけれど、しかし緊急にはワクチン輸入が必要な事態も必ず訪れる。どのように取り組むべきか、国民的議論の必要な分野だと考える。この部会が、そのエンジンとなってワクチンギャップ20年の遅れがあるけれど、一気に厚労行政を推進して予防医療を主幹とする医療に移行したいと私自身は思っている。ぜひとも活発な議論をお願いしたい」