認知症を知る7 介護保険を活かす
申請から使うまでの流れ
さて、申請が受理されると調査員が自宅や入院先を訪問し、認定に必要な調査を行います。
認定審査会などを経て、認定証が送られてきます。1カ月半~2カ月ほど要すると考えておくとよいでしょう。認定結果(区分)に納得できない場合は、地域包括支援センターにご相談ください。
そこからケアマネジャーが支援に入ります。まずは、本人の状況を把握し、暮らしや利用したいサービスの希望を整理し、適したサービスを検討し、ケアプランを作成するという所までで一区切りです。サービス提供が始まった後は、ケアプランが適切か定期的に評価し、状況に合わせて、ケアプランの修正を行います。
ケアマネジャー次第で、受けられるサービスが相当違うこともありますので、ぜひともよい人を選びたいところです。信頼できそうで当人や家族と相性のよいことは大前提として、よく話を聴いてくれる人、フットワークの軽い人の方が望ましいと思われます。
1割負担+α
認知症の介護はロングランとなることも想定されますので、費用負担が気になることでしょう。
認定区分の上限に達するまでは、使ったサービス料の1割が自己負担になります。ケアマネジャーも通常は限度内に納まるようケアプランを作成します。ただし、使いたいサービスがあるなら(提供してくれる事業者があるなら)、上限を超えても構いません。上限を超えた分の費用は全額負担になります。
1カ月の1割の自己負担分が、所得に応じて定められた上限額(表参照)を超えた場合には、その超えた金額が戻ってくる高額介護サービス費(コラム参照)という制度があります。生計を同一にしている世帯に介護保険サービスを利用している人が複数いる場合には、世帯内で合計した額が対象となります。受けるには、申請が必要です。
さらに08年4月からは、医療の高額療養費と合計した額が年額で一定額(表参照)を超えた場合にも、超えた分が「高額介護合算療養費」として払い戻されるようになりました。こちらも最初の1回目だけは申請が必要です。
高額介護サービス費 支給を受けるには、市区町村窓口への申請が必要です。通帳を持参するよう求められることが多いようです。給付管理票の写しやサービス利用票、サービス利用票別表の写しなど、利用したサービスの合計額が分かる書類を添えます。 福祉用具購入費、住宅改修費、施設サービスの居住費、食費などは含めることができません。