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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

在宅医療のABC

在宅医療を受けたいと思ったら。
7-2.3.jpg どういうものかは何となく分かったけど、どうやったら受けられるの? と思っている方も多いことでしょう。ご説明いたします。
当たり前ですが、昨日まで元気にピンピンしていた人が在宅医療を受けることはあり得ません。まずは急性期の入院があるはずです。
 急性期病院は、入院待ちの患者さんが多くいることや、患者さんの入院期間が長くなると診療報酬を切り下げられることから、入院日数を必要最低限にとどめようとします。患者さんからみれば、退院はしたけれど療養が必要という状態が起きます。ここで療養型病院へ移るという選択肢もありますが、在宅医療へ移行することもできます。
 入院中に退院後の治療は家で受けたいと思ったなら、病院の医療相談員(メディカル・ソーシャル・ワーカー)や退院支援室、地域連携室を訪ね、在宅医療を受けたい旨を伝えて相談してください。
 そこでうまく情報が得られなかった時は、市町村の介護保険担当セクションを訪ね、「がんの人や難病の人に積極的にかかわっている所はどこですか?」などと、まず活発に活動している訪問看護ステーションを聞き出す手があります。在宅医療の場合、看護師の果たす役割が非常に大きいですし、活発なステーションなら、在宅医療に熱心な医師のことも知っているはずです。市町村でラチがあかなければ、いきなり訪問看護ステーションに相談してもよいでしょう。
 もちろん身近な医師に相談する手もありますが、医師だから医師のことをよく知っているだろうと思ったら大間違いです。特に基幹病院の勤務医は、大学の先輩・後輩でもない限り、地域の開業医とほとんど接点がありません。これ実は、現在の医療が抱える大きな課題なので、また別の機会に詳しく取り扱います。
 このほか、独立行政法人「福祉医療機構」のホームページでも、地域で在宅医療を手がけている施設を調べることができます。「NPO法人・全国在宅医療推進協会」のような組織に問い合わせるのも手です。ご近所の口コミもバカにならないですね。
 ただし、もしあなたがまだ比較的元気で在宅医療の対象者でないなら、ちょっと考えてみてください。その場になってから情報収集するのはシンドイし、充分吟味できないので、「本当にこの人で良かったのか」と不安も大きいはずです。最期は在宅でと望むなら、元気なうちに、在宅医療を手がけているかかりつけ医と信頼関係を作っておくのが賢いとは思いませんか。
 在宅医療をする医師に患者さんの人気が集まれば、自然と在宅医も増えます。遠回りのように見えて一番の近道かもしれません。

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