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全身老化のサイン? 歯周病

歯周病ってどんな病気?
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 皆さんは、歯周病が老化を加速させること、ご存じでしょうか。歯周病が噛み合わせを悪化させることが、その原因。どうしても食べやすいものだけを選びがちになるため、ますます自分の歯に適応した噛み方しかできなくなります。次第にあごに力が入らなくなり、だんだんに骨や筋肉まで衰えて、顔には張りがなくなるのだとか。あげく脳への伝達も鈍くなるといいます。まさに老化です。
 このようになかなか油断ならない歯周病。メカニズムを詳しく見ていくことにしましょう。歯周病は、歯周病細菌の感染によって歯周組織(上図)がダメージを受ける病気です。歯肉の炎症にとどまる「歯肉炎」と、歯を支える歯槽骨まで破壊される「歯周炎」に大別されます。
 ひとの口の中には何百種類もの細菌がいて、口の中が清潔でなくなると、歯やその周りに黄白色のねっとりとした・かたまり・となってたまっていきます。それがプラーク(歯垢)。歯肉炎と歯周炎、それぞれを引き起こす細菌も、ここに含まれているのです。
 歯肉炎は、歯肉に限定された病気です。歯ブラシの届きにくい歯と歯の間や歯肉縁にプラークがたまり、歯肉だけがはれぼったく、歯磨きや食事で血が出やすい状態に。この歯肉炎の原因となるプラークは口のなかに常日頃いる細菌で、まだ上皮付着部が破壊されていないこの段階ならば、歯と歯肉のあいだの溝(歯周ポケット)に細菌が入り込んでいないので、比較的容易に治療できるようです。
 一方、歯周炎は、歯根膜や歯槽骨の組織まで細菌によって破壊されてしまった状態。歯周炎での主な原因細菌は酸素を嫌い、毒素や有害物質をつくり出しながら歯周組織の奥へ奥へと入っていくやっかい者です。
24-1.2.JPG もっとも一般的な歯周炎は「辺縁性歯周炎」と呼ばれるもので、歯肉炎から発展していきます。図2のように、歯肉がやせて歯の根がむき出しになり、歯槽骨、歯根膜と破壊されていきます。深い病的歯周ポケットが形成されて、膿も出るように。だんだん歯槽骨は溶け出してなくなり、しだいに歯が大きく動くようになって、ついには抜けてしまいます。ちなみにいわゆる歯槽膿漏は、悪化した慢性の辺縁性歯周炎のこと。
 その歯周病細菌の感染源としては、唾液がもっとも要注意です。親から子どもに感染することも多いといわれますが、ほとんどの場合、成人するまで発症しないそうです。発症には、遺伝的要因と環境要因の両方が関わっているためです。
 遺伝的要因は、歯周病になりやすい、あるいは悪くなりやすいといった遺伝的な素質・傾向のこと。一方の環境要因はさまざまですが、なかでも喫煙がもっとも有害とされています。ニコチン、タール、炭酸ガス等が歯周組織にダメージを与え、歯周病を誘発・進行させることが、はっきりわかってきました。また、加齢やストレスも歯周組織の新陳代謝や免疫機能を低下させ、歯周病の発症・進行を促進させるとのことです。

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