福島県立大野病院事件第三回公判
本日の裁判と言えば、世間ではホリエモン一色だったのかもしれないが、これも忘れてはいけない。
冷たい雨の降った前回と打ってかわり、福島には雲ひとつない青空が広がっていた。
前回に引き続いて検察側証人2人の尋問。午前は当該帝王切開手術に立ち会った県立大野病院のS助産師。午後は当該手術の麻酔医だった県立大野病院のH医師。午後6時10分まで要したロングラン法廷をレポートする。
しばらく待てば周産期医療の崩壊をくい止める会サイトに、より詳細な傍聴録が載るだろうが、この傍聴録を巡ってと思われる面白いことがあった。開廷前に裁判所の職員と裁判長から
2度に渡って「メモは許可されているが録音は許可してないから録音しないように。もし録音しているのを見つけたら退廷させるし、次回から荷物検査をする」旨の注意があったのだ。
そりゃ、そうだよな、あんなの載ったら録音したと思うよな。しかーし、私は横で見ていたから知っている。事務局のM医師とH氏が、人間業とは思えないスピードでメモをしていたのを。
私自身、記者時代「録音なんて能無しのすることだ」と教えられて育ち、取材の際もほぼ逐語記録してきたのでメモを取るスピードには相当自信があった。しかし事務局の人たちのを見たら自信をなくしたし、自分でメモするのがアホらしくなった。恐るべし、医師の潜在能力!!
面白いといえば、こんなこともあった。本日、傍聴券を求めて並んだのは119人と前回よりまた少し減ったのだが明らかに警察官という集団だけが過去2回の10人から20人に増えていた。彼らは過去2回全敗していたので雪辱を期したのだろう。ところが、こういう時に限って、彼らは6枚も傍聴券を取ってしまったのだ。そしてあろうことか、うち2人しか入廷せず傍聴券4枚を無駄にしたのだ。外れた他の人にあげればいいのに!! この結果、開廷の際、裁判長を「傍聴の方はもう全員入廷されてますか?」と怪訝そうにさせてしまった。
ちなみにこの裁判長は今回限りで交代のようで、これだけ注目を集める訴訟の指揮をするのは
最後になるのかもしれない。恐らくこのことが影響したと思われる「存分におやりなさい」という訴訟指揮の結果、午後の部は6時10分まで延々と続いたのである。
もう一つ面白いこと。前回の公判でヘマをした最若手の検察官が女性の検察官と交代していた。信賞必罰というヤツだろうかと思って見ていたが、後になって、この女性検事は相当キレ者であることが分かった。最初からこっちにしておけば良かったんじゃないのか?
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