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食べるべきか食べないべきか、それが問題。食物アレルギー

原因食品はとっても身近
 食物アレルギーの原因物質、つまり食物アレルゲンは、主として食べ物に含まれるタンパク質です。年齢別に原因食品を見てみると(厚生労働省平成17年度調査)、0歳から6歳まででは1位が鶏卵、2位が乳製品、3位が小麦。ただし80~90%の人は、成長とともにアレルギー症状なく食べられるようになると言われています。一方、7歳からは甲殻類、つまりエビやカニが1位に。また成人男性に多い食物依存運動誘発アナフィラキシーショックの原因食物は、小麦や甲殻類が中心と考えられています。
 このようにアレルゲンとなるのはどれも身近な食品。しかも、卵や乳製品、小麦など、廉価で栄養豊富、毎日の食卓に欠かすことのできないものばかり。外食で口に入るリスクも高いばかりか、それらを含んでいない食事となると、メニューも味も相当限られてしまいます。栄養面でも、成長期の子どもにとっては大きな問題。患者数が増えているとなれば、事態はかなり深刻です。
 山積する問題への対策のひとつが、加工食品のアレルギー表示制度。誤って飲食するリスクへの対策として、平成14年4月から始まりました。食物アレルギーを持つ人でも食べられる加工食品を選べるようにするためです。
26-1.3.JPG 現在、原材料に表示が決められている食物には、必ず表示される義務5品目と、可能な限り表示が勧められている推奨20品目とがあります。義務5品目は、患者数の多い卵、乳、小麦と、重篤な症状に至ることの多いそば、落花生です。
 しかし困ったことに、義務・推奨品目が含まれていても、表示されない場合もあるのです。なぜなら表示されるのは、缶詰や瓶詰、あらかじめ箱や袋で包装された加工食品のみだから。以下の場合については表示の必要がありません。①店頭で量り売りされる総菜やパンなど(その場で包装されるもの)、②注文に応じて作るお弁当、③容器包装の面積が小さいもの(30平方㎝以下。コーヒークリーマーなど)。これらの場合、各自で判断するか、お店に確認するしかありません。表示の書き方に幅があることにも注意してください(下表)。
26-1.2.JPG 栄養や味の面の対策としては、アレルギー対応食品を利用する手があります。原材料を処理してアレルゲン性をなくしたアレルゲン除去食品や、大豆の代わりに雑穀を原料に使った醤油などの代替食品です。ただし、価格は割高になりますし、利用は家庭での食事に限られてしまうこと、まだまだ数も種類も少ないことなど、課題は多く残されています。
 なお、食物アレルギーを持つ子どもの親は、医療機関からの診断書・指示書を保育園や幼稚園、学校などに提出して、理解と協力を得ることが不可欠。代替給食が困難な場合は、弁当の持参も必要となります。

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