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食べるべきか食べないべきか、それが問題。食物アレルギー
ひと昔前までは、学校で給食を残すと叱られたり、全部食べきるまで許されないケースがごく普通でした。しかし、最近はそのように強く指導することはないと聞きます。理由の一つは、食物アレルギーへの理解が進んだこと。でもそれは同時に、患者、そして事故が増えたことも意味しています。
一方、家庭では、アレルギー対応食品を活用して、栄養面を気にかけながら、できるだけ家族が同じメニューを食べられるよう工夫して頑張っているお母さんたちがたくさんいます。毎朝、給食のかわりに子どものお弁当を作り続けています。コストが割高であるばかりでなく、労力もかなりのもの。まだ社会的サポートは追いついていません。
心理的な負担も絶えません。体調や事故への心配もありますが、さらに悲しいのは、周囲の理解が得られないことだと言います。食物アレルギーをもつ子どもとその親、そしておとなでも、必ず遭遇するのが、外で皆と同じように飲食できない場面。なかなか理解されなかったり、気を遣ったり遣われたり、心理的に大きなストレスを感じる人は少なくないそうです。
理解を深めることは、食物アレルギーが増え続ける今日のマナーといってよいかもしれません。左の10カ条はすべて、食物アレルギーを持つ人が心に留めておくべき重要事項。けれども食物アレルギーを持つ人だけでなく多くの人々の共通認識となれば、本人と周囲の人、双方のQOLの維持・向上にもつながることでしょう。