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備えよう新型インフルエンザ

新型インフルエンザが 発生したら
 
 では、世界のどこかで新型インフルエンザが発生した場合のことを説明します。
 前述のように、新型インフルエンザ発生からワクチン量産まで約1年かかると思われます。
 専門家たちは、その間、できるだけ狭い地域にウイルスを封じ込めて時間稼ぎしようと計画しています。フェーズ4A(前項表参照)の段階であれば、私たちの生活への影響は発生地への渡航制限などにとどまるでしょう。
 万が一、発生地へ行って感染源に接触した可能性のある場合、必ず帰国時に空港で申告してください。効くという保証はありませんが、抗インフルエンザウイルス薬が使えるのは感染直後だけなので、すぐに予防的投与をしてもらって様子をみた方がよいからです。社会全体としても、感染者が空港検疫をすり抜けて入国してしまった場合には、国内での流行を食い止めることが難しくなります。
 国内で感染者が出た場合も、最初に取られるのは封じ込め策です。とはいえ厄介なことに人の移動が盛んになっており、また鳥によってウイルスが運ばれる可能性もあって、必ずしも封じ込めに成功するとは限りません。
 国内で流行した場合には、患者が大量発生するのはもちろん、単に患者に対応するだけでは済まなくなります。  現代は、過去数度の新型インフルエンザ大流行時よりも、はるかに社会の高度化・分業化が進んでいます。
 ある業種に携わる人々がバタバタと倒れたとしましょう。その業種が社会生活上欠かせず、かつ携わるのに専門的な知識や技能を要するものであった場合、代わりを務められる人はいないので業務に穴が開き、社会が大変不安定になると予想されます。
 それにより、社会的弱者を筆頭に、多くの人が、インフルエンザ以外の原因からも生命の危険にさらされることになります。
 このような業種として、たとえば医療者が挙げられます。医療者といえども新型インフルエンザの免疫を持っているわけではありませんので、バタバタ倒れて医療体制が壊滅する恐れは十分あります。インフルエンザ以外の病気やケガの人も治療を受けられなくなる可能性があるということです。
 他にも警察・消防・救急やライフライン、自治体、公共交通関係といった職種に同様のことが言えます。しばらくは大震災直後にも似た社会のマヒ状況が続くと思っておいた方が無難です。世界同時に流行していた場合は外国からの救援も期待できないので、大震災よりタチが悪いかもしれません。
28-1.2.JPG このため政府のガイドラインでは、社会の壊滅を防ぐ視点から、患者の収容・治療と並行して、社会に不可欠と考えられる業務に従事する人々には、ワクチンや抗ウイルス薬が優先的に回されるようになっています(表参照)。
 そのような立場でない場合には、社会的責務は負わなくてよい代わり、社会の防御が整うまで、自衛する必要があります。また一般の人は行動が制限される場面も出てきます。

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