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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼8 内田健夫・前日本医師会常任理事

100511murasige.JPG100511uchida.JPG 元厚生労働省大臣政策室政策官の村重直子氏が在野のキラリと光る人たちと対談していくシリーズ。今回のお相手は、昨年の新型インフルエンザ騒動の際に全国の医療現場で何が起きていたのか、それを知ることのできる立場にあった内田健夫・前日本医師会常任理事です。国会のドタバタのお蔭で、パッチワークの改正予防接種法案が継続審議になっていますが、あの改正が本当に必要なのかということも考えさせられます。(川口恭)

村重
「昨年の新型インフルエンザ騒動では、現場の先生方から様々な声が日医執行部にも届いていたのではないでしょうか」

内田
「現場からはたくさんの課題や疑問が出ていました。ただ、政策に反映するといいう点では、十分ではなかったと考えています。ワクチンの接種順位を決めたという、あれが大混乱の元で、すごく困りました。何が困ったかというと、患者さんはみんな打ってもらいたくて来るわけですよ。で、窓口で混乱し、窓口でも納得せずに医者の所に来る。そこでものすごい労力を割いて説明し、なおかつそこにインフルエンザの患者さんが混在している」

村重
「インフルエンザの流行のピーク時に、ワクチンのニーズもピークになりましたからね」

内田
「とにかく、あの時点では、希望者に打ち、不足したら声を大きくして輸入してもらうことにすればよかったと思います。少なくとも現場では、ないって言えば皆納得しますから。そこにあるのに何で打てないんだという話になるわけですよ。私も病気がある、なのにどうして打てないのだということを、患者さんは延々と訴えるわけですね」

村重
「実行不可能なのに、順番を強制しましたからね。他の国も、一応考え方として、医療関係者を優先しようとか、基礎疾患のこういう人を優先しようといった概念はありましたけれど、順番まで決めた国はたぶんないと思います」

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