がん医療を拓く⑬ 難治の進行膵臓がん 医師主導治験始まる
治験の詳細
治験に参加しようと考えた場合、自分がプラセボ群に入ってしまったら、と心配な方もいることでしょう。しかし「最終的には、被験者全員が、サバイビン2Bとインターフェロンの併用投与を受けられるようになっています」と釣田講師。
スケジュールとしては、開始から原則14日ごとに、32週目以降は28日ごとに皮下注射が行われます(ステップ1)。最初は8週間後、以降6週間ごとに評価を行い、「進行」と診断された段階でステップ2に移行します。ただし「不変」以上なら32週以降も全治験終了期間までステップ1を継続し、その場合は28日ごとの注射になります。
ステップ2では、どの被験者もグループに関係なく、サバイビン2Bとインターフェロンβの併用投与となります。それからステップ1とは別の基準で「進行・増悪」と診断されるまで、あるいは最大7カ月間、投与を行います(治験終了後も、投与自体は別の臨床試験に入る形で継続されます)。
「医科研病院では緩和チームが原則として全例に介入しますし、来院が可能な方は外来受診で済みます。また、治験参加の条件から漏れた方も、治験以外の治療を模索します。どなたもご希望があれば終末期医療も当院で行いますので、治験が終わったら行き場がない、なんてことにはなりません」
患者の抱く様々な不安や問題も配慮して組み立てられているというわけです。