文字の大きさ

過去記事検索

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。
特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

自分のストレス状態 知って早く対処する~大人も知りたい保健理科 新㉗

吉田のりまき 薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰
 「ストレスチェック制度」をご存じですか? 厚生労働省のサイトには、「質問票に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査」と書かれています。法律で2015年12月から、会社(注:労働者が50人以上いる事業所)では毎年1回、この検査をすべての労働者に対して実施するよう義務付けられました。

 もし、初耳の方がいらしたら、厚生労働省のサイトで詳しく解説されていますので、ぜひご覧になってください。

 制度の目的は、「うつ」などメンタルヘルスの不調を未然に防止することです。「労働者が、自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けて助言をもらったり、会社側に仕事の軽減などの措置を実施してもらったり、職場の改善につなげたりする」ための制度なのです。

 つまり、この制度では、労働者に、自分自身のストレスの状態を認識してもらうことが最重要になってきます。質問項目としては、国が推奨する57個が提示され、それを各会社でアレンジします。

やってみよう

 57項目の質問票は、厚生労働省のサイトで公開されています。また、「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)でも、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」というのがあります。一度トライしてみてください。結果をpdfで保存することもできますので、定期的にチェックするとよいと思います。

 特に、自分のストレス状態くらい自分で分かっていると思っている方や、さほど自分はストレスを感じていないと思っている方、トライしてみてください。自覚の程度と、質問票から客観的にあぶり出された程度とが、一致していればよいのですが、もし一致しておらず、ストレスが考えていたより高い状態であるならば、早めに対処してください。ストレスへの対処の第一歩は、本当の自分の状態に「気づく」ことです。

原因は色々
  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
掲載号別アーカイブ