風邪とインフルエンザを追い払う10のヒント
高齢者と幼児の場合、なぜ特別に注意が必要なのか、それぞれ分けて説明します。
まず、高齢者です。
すぐに思いつくことですが、若い人に比べて基礎体力がありません。疾患を抱えて内蔵機能が落ちていることも多いでしょう。同じ病原にあたっても、若い人より重症化しやすい傾向にあります。
体力がないのは、別の意味でも問題です。免疫が「非常事態」を発令した時に、体が言うことをきいてくれないことがあるのです。例えば、本当は40度近い高熱を出さなければならない疾患なのに、37度台の熱しか出なかったら、周囲の人が重篤さに気づきませんし、その間に外敵がどんどん増殖してしまいます。
感覚が鈍りがちなことも見逃せません。のどの渇きをあまり感じないので、水分不足になりがちです。また実際の病態より自覚症状の方が常に軽いのだと思っていた方が無難です。自覚症状だけに頼って悠長に構えていると、一大事になる危険があります。
次は、小児の場合です。
高齢者と逆に、いろいろな意味で未熟なことが問題になります。
まず免疫が外敵と戦った経験に乏しく、きちんと機能していません。体温調節もうまくできません。このため、大人なら何でもないような外敵に手こずることがありますし、過剰に発熱して脳に影響を及ぼしてしまう危険もあります。容態が急変するのも小児の特徴で、とにかく油断大敵といえるでしょう。
本人が自分の症状やその時間的経過を的確に伝えられないので、周囲の大人が注意深く見守って対応することが大切です。