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今年こそサヨナラ 水虫さん

こうやって伝染する。こうやって治す。

 繰り返しになりますが、白癬菌は、水虫患者の死んだ皮や毛、爪にすんでいます。死んだ皮や毛というのがミソで、人体から皮や毛が離れた後も、白癬菌は長期間生き続けます。人は日常生活で、細かい皮や毛をボロボロ落としています。これが感染源になります。
 つまり、ミズムシ患者が裸足で歩いたところや履いたスリッパなどに 別の人が直接触れると、その人にも菌がくっつきます。ただし、それで即伝染というわけではないことにご注意ください。
 白癬菌がついた状態で、2、3日洗わなかったとか、非常に肌が蒸れていたとか、肌に傷があったなど悪い条件の時だけ感染します。患者と一緒に生活したからといって、必ず伝染するとは限りません。
水虫になりたくなかったら、まず毎日、足を石鹸でよく洗うこと、特に指の間は汚れがたまりやすく蒸れやすいので、忘れずに洗うことが大切です。ただし軽石などでゴシゴシこすると、皮膚に傷がつき、かえってミズムシになりやすいので気をつけてください。
靴下も毎日取り替えましょう。それから、素足になる時間を作って、足をなるべく乾燥させましょう。もちろん、ミズムシ持ちの家族がいたら、治してもらった方がよいのは言うまでもありません。
 となると、既にミズムシ持ちの私はどうすれば? と、心配の向きもおありですよね。ご安心ください。きちんと対処すれば治ります。
 足白癬の場合、一般に使われるのは外用薬(塗り薬)です。クリーム、液体、パウダーなどいろいろな形状があります。ジュクジュク症状の場合、液体やパウダーを使うと、さらにジュクジュクになって、かえってひどくなることがあります。
外用薬は、必ず足を清潔に乾燥させてから、1日1回忘れずに塗り続けます。症状がないからといって白癬菌がいないとは限らないので、足全体に塗ることが大切になります。
塗り始めて2週間もすると症状が軽くなりますが、ここで塗るのをやめては元の木阿弥。全滅させるには、症状が完全に消えてから、さらに最低でも1カ月塗り続けてください。その後も時々塗り続けると、水虫の再発を防ぐことができます。
爪白癬の場合、塗り薬では直接の患部まで届かないので、イトラコナゾール、テルビナフィンという飲み薬を使います。よく効き、飲み続ければ、たいていは半年ほどで完治します。
足白癬でも、重症の場合や外用薬でかぶれやすい人の場合、既にかぶれてしまっている場合は飲み薬を用います。
 一方で、外用薬に比べると高価なこと、肝機能障害や胃腸障害などの副作用があること、妊娠中・授乳中や併用禁忌の薬を飲んでいる場合は使えないこと、といった問題があります。飲む場合は、副作用を回避するために、1~2カ月に1度血液検査をする必要があります。

大衆薬も効き目が強くなっています。  水虫薬のCMで「医療用成分」という言葉を耳にすることがあると思います。これが何を意味しているかというと、薬局で普通に買える薬(大衆薬)と医療機関で処方される薬(医療用薬)とでは、医療用薬の方が効き目も副作用も強いのですが、最近は、一部の医療用薬は薬局でも買えるようになっている、ということです。  このように医療用から大衆薬に転用されたものを「スイッチOTC薬」と言います。水虫は、スイッチOTC薬が多い分野です。

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