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カサカサ足 原因は水虫かも~それって本当?

冬から気になっていた足の乾燥やかかとのヒビ割れ。もう夏間近なのに、まだカサカサして皮が厚くなっている。それ、角質増殖型の水虫かもしれません。
専任編集委員 堀米香奈子(米ミシガン大学環境学修士)
 水虫の原因菌である白癬菌が足に感染すると、主に4種類の症状の出方をします。混在する人も多いようです。

①趾間型:足の指の間が赤くなり、後に白くふやけて皮がむける。むず痒くなり、液が出てじゅくじゅくする。細菌感染してただれやすい。
②小水疱型:足の裏や縁に小水疱(2~3㎜程度だが大きくなることも。膿を持つ場合があり、非常に痒い。
③角質増殖型:足の裏、特にかかとの部分の角質が厚くなり、表面が粉を吹いたようにザラザラになって、ひび割れたり皮がむけたりする。痒みなどの自覚症状はない。爪水虫を発症しやすい。
④爪水虫:爪が厚く、白っぽく濁り、重症になるとボロボロと崩れてしまう。飲み薬でないと治らない。

 白癬菌は、ヒトの皮膚を好むカビ(真菌)のグループで、元々そこらじゅうにいますが、「体質や足の状態によって出方が変わるようです。角質増殖型で痒みなどの症状がないのは、要は白癬菌に対する免疫反応が鈍いということ。季節による影響は少なく、寝たきりの高齢者で足をあまり使わない方、代謝の悪い方などに多いようです」と、元慈恵医科大学皮膚科教授でひふのクリニック人形町の上出良一院長は話します。

 角質増殖型に苦痛がないなら、放っておいてもいいじゃない、と思われるかもしれません。でも、家じゅうに白癬菌がばら撒かれることになります。これからの時期、出先でも裸足で歩き回るような場所では、大勢の人に水虫をうつす可能性も高いのです。

飲み薬で撃退

 もしや自分も、あるいは家族に思い当たる人がいる、という場合、本当のところを判断するには、皮膚科を受診するのが手っ取り早いでしょう。

 白癬菌が発見されれば、水虫薬(抗真菌薬)による治療が行われます。趾間型や小水疱型は塗り薬を適切に使用すれば大抵治ります。しかし角質増殖型の場合は、皮膚が厚くカチカチになっているため薬も浸透しづらく、効かないことが多いようです。

 1~2カ月様子を見て効果がなければ、飲み薬も処方されます。飲み薬は市販薬として流通していませんので、角質増殖型水虫が疑われるようなら、治療効果を考えても迷わず皮膚科を受診するのが一番というわけです。ちなみに爪水虫も、同じ薬を内服して治療します(爪水虫用塗り薬は1年以上塗布が必要)。

 この間、足の観桜と清潔を保つことも重要です。ただし、硬く厚くなった皮膚を軽石などで削るのは、実はNG。刺激でかえって皮が厚くなってしまうそうです。

清潔が大切

 一方、患者の家族はどうしたら水虫をうつされずに済むでしょうか。感染経路は主に菌を含むアカなどが付着したスリッパ、浴場の足拭きマット、畳、床などです。床の上を裸足で歩く環境ならば、感染は時間の問題に見えます。

 でも実際には、「皮膚に付いてすぐ感染するわけではないので、日頃から毎日お風呂で足を洗い、床を掃除し、生乾きの靴下を履かないなど、清潔と乾燥を心掛けていれば大丈夫ですよ」と上出院長。要はカビですから、成長を助ける多湿環境を足に作らないようにし、エサとなる足の皮膚自体のアカを減らすと共に、深く根を張る前に取り去ればよいのです。

(コラム)痒い水虫の場合
 1カ月根気よく塗り薬を使い続ければ大抵治るそうです。市販の塗り薬もスイッチOTC薬が登場して効果は充分です。ただし、足の裏全体からサイドまで広く塗ることが大切です。

 気をつける必要があるのは、「趾間型などでジュクジュクしたり炎症を起こしたりしている場合は、その部分の治療が先です。無理やり水虫薬を塗ったり、何度も塗り過ぎたりしてかぶれてしまい、それを水虫が悪化したと勘違いして受診する人が多いのです」と上出院長。液体タイプの塗り薬は患部にしみて痛いことがあるので、クリームタイプを選ぶのがお勧めだそうです。

 また「そもそも水虫でない可能性もありますから、角質増殖型同様、まずは受診してみるのが良いでしょう」とのことです。

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