認知症を知る19 笑顔で介護を にこにこリハ!
日常の介護にも、こんな応用可能
嬉しいことに「にこにこリハ」の知見は日常の介護にも採り入れることが可能で、リハビリと同様の効果を期待することができます。
とにかく笑顔を意識して、以下のようなことをやってみましょう。
①視線を合わせ、握手しながら、にっこり笑顔で挨拶
握手のようなスキンシップは直接肌で触れ合うことにより、ぬくもりを感じる心の交流につながります。また折角の笑顔も相手に見てもらえなければ意味ありませんので、常に視線をしっかり合わせましょう。上から目線にならないように、相手と同じ高さに顔を位置させます。
*インフルエンザの流行っている時などは、十分な手洗いを行ってください。
②身支度の合間に鏡を見せる
認知症が進み、人の顔が分からなくなっても自分の顔だけは認識できていることが多いようです。ただ、身だしなみへの興味は低下しているので、鏡を見てもらって、コミュニケーションの基盤となる「自分と他人」の関係意識が刺激されることを期待します。
③古い写真を見せる
自分や家族の写った古い写真は、過去の記憶と、その時の気持ちを一緒に思い起こさせます。結果、自然な表情が生まれます。介護する側が、その気持ちや表情を受け止め、共有・共感することで、心の通じ合ったコミュニケーションが生まれます。この時も視線を合わせ、ジェスチャーや表情を豊かに受け答えすることが大切です。
声の表情にも注意を
なお、ご存じと思いますが、顔と同様、声にも表情があります。怒鳴ったりすると、顔以上に相手の心に強い影響を与えることがあります。声に優しい感情を込めて、ゆっくり話すよう心がけましょう。
さらに進んで顔体操、ジェスチャーゲーム楽しい雰囲気の中で、顔の筋肉や視線を動かしたり表情を作ったりしていると、表情が豊かになり自然と笑顔が増えます。それを期待して行うのが「顔体操」です。
また、どこでもできる「ジェスチャーゲーム」は、脳を活性化させて笑顔を生み出すことを期待できます。