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意外と厄介 慢性頭痛
慢性頭痛には、主に以下の3種類があります。①片頭痛②緊張型頭痛③群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛です。まれにですが、以上3つに分類されないものもあります。
順に説明します。まず片頭痛は、こめかみや眼の周りがズキンズキンと脈打つように痛みます。痛みはかなり強く、耐えられないほどになったりすることもあります。光や音、においを非常に煩わしく感じるようになり、また体を動かすと痛みがひどくなるため、寝ていることしかできなくなります。吐き気を伴うことが多く、実際に吐くこともあります。発作は4時間から3日程度で多くは1日で収まりますが、月単位で周期的に繰り返します。慢性頭痛のおよそ4分の1を占めます。「片」の文字が入っていますけれど、約4割の患者さんは頭の両側が痛みます。
原因はよく分かっていませんが、脈を打つように痛みを感じることから、脳の膜の炎症と血管の拡張が、痛覚神経の受容体を刺激するのでないかと考えられています。
次に、慢性頭痛のおよそ7割を占めるのが緊張型頭痛です。他のタイプに比べれば強くないものの、頭全体にベルトで締めつけられたような痛みを感じます。痛みは30分ほどで収まることも1週間ほど続くこともあります。
多くの場合、肩こりが起きており、気分が落ち込んだりします。コンピューターを仕事で日常的に使う人が増え、結果として患者もどんどん増えています。
慢性頭痛の1%ほどに過ぎないけれど、七転八倒の痛みとなるのが群発頭痛です。季節の変わり目の1~2カ月の間、毎日のように、きまって片方の眼の奥がえぐられるような、突き刺されるような激痛が15分から3時間ほど起こります。大体は寝入って1~2時間すると、ひどい痛みで眼が覚めます。
片頭痛と同様に血管が拡張することが痛みと関係していると考えられていますが、片頭痛と違い、じっとしていることすらできません。頭痛と同時に眼が充血し涙が出たり、鼻がつまって鼻水が出たりという症状もあります。光や音、においによって痛みが強くなることはありません。
このほか、頭を動かした時に後頭部から耳にかけてズキンと鋭い痛みが走る「後頭神経痛」というものや、頭痛薬を飲み過ぎたために、かえって毎日頑固な頭痛が起きてしまう「薬物乱用頭痛」というものもあります。
最後の薬剤乱用頭痛は、いったん起きてしまうと、治すのが非常に困難です。このことも、慢性頭痛はきちんと専門医の診断治療を受けた方がよい大きな理由です。
こうなると受診した時に医師が一体何をしてくれるのか、気になりますね。最後の項では、治療法、予防法をご紹介します。