ご協力お願いします 妊産婦死亡された方のご家族を支える募金活動

堀米香奈子の 周産期医療の崩壊をくい止める会 リポート

引き続き、第3回不活化ポリオワクチン検討会のご報告です。


昨日は【①4月承認なのに、なぜ9月まで切り替えを待つのか】【②今春の生ワクチン定期接種は、接種率が相当下がるのではないか】という疑問について、検討会の議論に沿って考えてみました。今日はそれらにも関わってくる【③供給量は本当に足りるのか、医療機関窓口で混乱は生じないのか】【④4回接種に増えて、ますます接種スケジュールがタイトになる】という問題と、【⑤すでに生ワクチンで被害を受けた人たちは忘れ去られていかないか】という懸念について書留めておきたいと思います。

昨日4月23日、不活化ポリオワクチン検討会第3回が開催されました。今回は会場が厚労省ではなく国立感染症研究所(新宿区戸山)となり、先週の木曜日には以下のような報道もあり、マスコミのカメラも多くかなりの傍聴者数でした。定員50名のはずでしたが、100人以上詰め掛けていたはずです。


●ポリオ不活化ワクチン承認へ…マヒの副作用回避
(読売新聞 2012年4月19日)

昨日、第2衆議院議員会館で「民主党 厚生労働部門 医療・介護ワーキングチーム内 第5回 予防接種法小委員会」が開かれました。

予防接種制度の見直しに向けて、厚労省では予防接種部会が2009年からこれまでに21回開催されています。それとリンクするのがこの与党の小委員会という理解でよさそうです。

2月で下の子が2歳になったので、市から歯科健診のお知らせと問診票が郵送されてきて、今週の水曜日に朝から出かけてきました。受付は9時15分から10時15分、しかし上の子の登園後にバスを乗り継いで会場に向かうしかなく、到着したときは10時15分ぎりぎりでした。そして健診が終わって帰宅したのは13時過ぎ。なによりげんなりしたのは、3時間以上費やしたうち実際の健診そのものはたった2分だったことです。

去る2月10日、第6回ワクチン予防医療フォーラム「ワクチンのもたらす恩恵を受けるために ~生後2ヶ月からのワクチンデビューの必要性~」が開催されました。かなり遅くなってしまいましたが、ワクチンの早期・同時接種がいかに大事か、また、任意接種の問題について改めて考えさせられましたので、そのあたりをいくつかまとめておきたいと思います。

先日このブログでご報告したインターナショナルワクチンワークショップでは、不活化ポリオワクチン(DPT-IPV、現在のところ国内2社が申請中)への切り替えに関連して、少しだけではありますが同時接種の問題も言及されました。ただ、会場から同時接種についての議論は特に出ず・・・。その後、ペンシルバニア大プロトキン名誉教授らとのインタビューでも、話は膨らみませんでした。しかし、そのことでかえって、「世界には同時接種問題は存在しない。日本だけが、同時接種の導入にどういうわけかつまづいている」と知ったことが私の収穫でした。

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口座名: 周産期医療の崩壊をくい止める会
口座番号: みずほ銀行 白金(シロカネ) 出張所  普通 1516150

連絡先:周産期医療の崩壊をくい止める会 事務局
E-mail: perinate-admin@umin.net    TEL:080-7031-3032  担当:松村

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大野病院事件を無駄にしたくない

佐藤章 周産期医療の崩壊をくい止める会代表 インタビュー〜 聴き手「ロハス・メディカル」発行人 川口恭

佐藤章 周産期医療の崩壊をくいとめる会代表

----加藤克彦医師の無罪が確定してから1ヵ月も経たないうちに、妊産婦死亡した方のご遺族を支援する活動をお始めになりましたね。いろいろな意味で驚いたのですが、まずこれまでやってきた加藤医師の支援活動と今回の活動とどのように関係するのですか。

まず誤解している方が多いようなので断っておきますと、大野病院事件で亡くなった方、そのご遺族に支援金を贈ろうとしているわけではありません。あくまでも今後発生するであろう妊産婦死亡の方が対象です。もちろん今後の運動の進み具合によっては遡って支援するということもあるかもしれません。

一方で、加藤君の支援と全く関係ないとも思っていません。刑事裁判の最中でも一方的に『加藤君は悪くない』ではなくて、『医療の力が及ばず亡くなられたことは残念だ』とずっと言ってきたつもりです。医師が一生懸命にミスなく医療をしても亡くなることはある、その現実を分かってほしいと言い続けてきました。そして、そういう不幸なことが起きた時には医療者だって悲しいし、自分たちにできることはしたいんです。その、医療には限界があるという現実と我々だってご遺族に寄り添いたいんだという気持ちを分かってもらうにはどうしたらよいだろうと考えた時、百万言を費やすより行動で示すべきだと思っていました。ただ、そうは言っても刑事裁判が続いている間は迂闊な行動もできないわけで、幸い一審だけで決着がついたので、今回の活動を始めることにしました。

----加藤医師の支援活動に対しては、主に医療者以外から、医師どうしの庇いあいという批判もくすぶっています。そうではないと分かってほしいんだ、ということですか。

そうです。周産期医療が立ち行かなくなったら、医療者だけの問題じゃ済まないんです。でも、それを加藤君支援の文脈で言っている限り、信じてくれない人は永久に信じてくれないでしょう。

来年から始まる産科無過失補償が、脳性まひの赤ちゃん対象で、妊産婦死亡した方は救済の網から漏れてしまうことも産科医の間で問題意識がありました。ご遺族は悲しみと共に乳児を抱えて大変なご苦労なさっています。まさに大野病院事件も妊産婦の亡くなった事例でした。その方々に救済の網がかかるまで何年かかるかも分からない。だったら自分たちでやってみよう、こういうことです。モデルとしてイメージしたのは、交通遺児に対する支援活動です。

----それにしても素早かったですね。

私自身、まだ大野病院事件の民事の決着もついてないのに早すぎるんじゃないかと最初は思ったんですが、刑事事件で医療界が盛り上がったのを無駄にすべきでないし、無罪だけで終わらせたら世間の医療界に対する目が一段と厳しくなるという意見があって、そう言われてみればそうだな、と。
医師が一生懸命ミス無く医療を行っても、助けられない現実がある。それを医師にミスがあったかどうか、という次元に留まっていては、第二第三の大野病院事件が必ず発生してしまいます。ですから、私はこの周産期医療の崩壊をくい止める会では、その先の次元に進むことができるような活動をしたいと思ったのです。
ただ、立ち上げを急いだために、実は1件あたりの支援金額とか、贈る対象者はどうやって申請したらいいのかとか、まだ細かいところが決まってないんです。なるべく早く決めたいと思います。

----とはいえ、医療者だけでも継続性がないというか、何年も続けられないのではないですか。

加藤君の支援をしてくれたのは医師ばかりじゃありません。この活動が良い活動だと思っていただけたら、そういった方々にも広く支援をお願いしたいと思います。それからメディアにも協力していただいて粘り強く広報活動を続けたいと思います。

何年も継続できるかということに関しては、そもそも論で言えば、変にお産は安全という神話ができてしまいましたけれど、本当は危ないんですから、妊娠したら入る、あるいは妊娠の可能性が出た時、結婚した時とかに全員が加入して、あらゆる不幸なできごとを補償してもらえるような保険制度があった方がよいと思います。佐藤和雄先生などは、大野病院事件の前からそのように提唱されていました。ある程度、我々が頑張って成果を出してみせれば、この活動を種に制度が追い付いてくるという可能性は十分あると思っていますし、そうなるよう政治家の方々にもご協力いただければと思います。

*このインタビューは、10月1日付の医療者向けメルマガ「MRIC」で配信されたものです。

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『ロハス・メディカル』も、今回の募金活動に全面的に協力いたします。

お産は古来危険な営みでした。全く医療が介在しないと50分娩に1人のお母さんが亡くなるというデータがあり、現在も世界の平均では、250分娩に1人亡くなっています。

日本は戦後どんどん状況がよくなりました。現在、亡くなるお母さんは2万分娩で1人と、50年前の80分の1です。昔なら亡くなっていたであろう多くの方が救われています。しかし残念ながら死亡ゼロにはなりません。むしろ近年は高齢妊娠が増えているため、危険度が上がっているとすら言われています。

一方で、そうした方々を救う立場の産科医が減り続け、非常に脆弱な体制になっていることは、弊誌でも過去2度にわたって特集しました(06年6月号、08年7月号)。そして、状況が全く好転していないのは、先月の墨東病院で脳出血の妊婦さんが亡くなった件でも、改めて明らかになりました。今この時も、現場に踏みとどまっている医師たちは過酷な勤務状況に置かれています。万が一、大野病院事件で有罪判決が出たならば、そのように崖っぷちで踏みとどまっていた医師たちが一斉にお産取り扱いをやめるのでないかとすら心配されていました。

『周産期医療の崩壊をくい止める会』では、このお産医療総崩れを防ぐため、まず大野病院事件の被告となった加藤克彦医師の訴訟支援を行いました。しかし、その結果として、ご遺族との対立関係が生じてしまった面はあり、対立関係のまま放置しては、さらにお産医療を傷めることになるとの認識から、何とかご遺族に寄り添えないかと、今回の募金活動を始めたそうです。

本来このように公的な大きな話は、任意組織で始めるようなものではなく、社会全体で取り組むべきでないかとの指摘もあるでしょう。しかしながら現在の日本では「官」が硬直化し、「公」の名の下に権益が発生しているだけで、しなやかな本来の意味での公的活動が行われていません。

だったらどうすればよいのか。今までならば「官」を批判するのが関の山。しかし今回『周産期医療の崩壊をくい止める会』は画期的な道を選び取りました。「官」に足りない分を自分たちで補ってしまおう、というのです。

この「民」による公益追求は、『ロハス・メディカル』の目指している道でもあります。そこで今回、全面的にご協力することにしました。読者の皆様にもぜひご賛同、ご協力をお願いする次第です。

ロハス・メディカル発行人 川口恭