あの素晴らしい眠りもう一度。睡眠障害を語る。
質の良い睡眠を得るために、知って得する10個のヒントをご紹介します。
1、「睡眠は8時間必要」はウソ
必要な睡眠時間は人によって千差万別です。不眠で悩む方の場合、睡眠時間を重大視しがちな場合が多いようですが、前項でも説明したように、本当に睡眠が足りない場合は眠りが深くなるように自動調節が利きます。気にしすぎると、それがストレスになって逆に睡眠の質が悪くなります。
2、眠気が発生するのは起床の15時間後
朝起きて、強い光を浴びると体内時計がリセットされます。その15~16時間後に眠気のピークがやって来ます。その時間に床に入れば、快眠に大きく近づきます。逆にその2時間ほど前は、最も眠りにくい時間帯です。「明日早いから」と早寝しても寝付けないのは当たり前の話です。
3、借金できても貯金はできない
寝不足があると、脳が睡眠を深くして、その分を取り返してくれます。しかし、これはあくまでも無意識に行っていることなので、「明日眠れないからたくさん寝ておこう」と床に居続けても、質の悪い睡眠がダラダラ続くだけ。翌日以降の睡眠の質すら悪くしかねませんので、ご注意を。
4、早寝早起きより、早起き早寝
早く寝ても早く眠れるとは限らず、従って早起きできるとも限りません。しかし早く起きると、寝不足になった分、脳が眠りを起こしやすくなります。そしてまた早く起きられるようになります。生活改善は、眠くても早く起きるところからスタートするのが理にかなっています。
5、本当は昼寝するのが正しい?
体内時計を細かくみると午後すぐにも眠気のピークがあります。生理的にはここで30分程度の昼寝をする方が自然なようです。日本人があまり昼寝をしないのは単なる文化的問題で、世界には昼寝が当たり前の文化も多くあります。ただし寝すぎると、本番の眠りの質が悪くなります。
6、ドリンク剤が効くなら睡眠不足かも
睡眠不足の眠気を本人は「疲れている」と自覚することがままあります。もしドリンク剤で疲れが消えたように感じるなら、それは眠気をカフェインで一時的に打ち消したのだと考えられます。日頃から、もう少し長く寝るようにした方がよいかもしれませんね。
7、睡眠不足の判定はこうする
医学的には、休日いつもより3時間以上長く眠らなければ目が覚めない時に、日頃睡眠不足になっていると判定します。昔に比べて睡眠時間が短いというのは、判定材料になりません。齢をとると共に睡眠時間が短くなるのは、だれにでもある自然な現象です。
8、就寝前のカフェイン厳禁
カフェインの覚醒作用は4~5時間続きます。寝つきがよくない人は、日本茶、コーヒー、コーラ、チョコレートなどを就寝前4時間は口にしないようにしましょう。逆に乳製品などは、睡眠物質としても働くセロトニンを増やす働きがありますので、お薦めです。
9、目覚めには朝日
朝、強い光を浴びると体内時計がリセットされると共に急速に眠気が去っていきます。朝は、つらくても雨戸やカーテンを開けに行くのが良いようです。もっと穏やかな目覚めがお望みなら、遮光カーテンなどを使わず、朝日が顔に当たるようにすると、自然に眠気が去っていきます。
10、夜のコンビニ、要注意
夕方以降に強い光を浴びると体内時計が後ろにずれます。夜の強い光の代表格がコンビニエンスストアとガソリンスタンドです。眠れない、起きられないの原因になりがちですので、寝つきの良くない人は、夜に行くのを避けた方が無難です。