大人も気になるアトピー性皮膚炎。
家族ぐるみで上手に付き合おう。
治療が長期にわたるアトピー性皮膚炎ですから、本人ばかりでなく、周囲の人たちの理解と協力は不可欠です。治療そのものへの不安や、かゆみによる不快感、人によっては湿疹が目立つのを気にして引っ込み思案になったりと、本人はさまざまな悩みを内面に抱えてしまうもの。精神状態は症状にも影響します。
もちろん、家族や友人もそれぞれに心を痛めていることでしょう。夫や彼がストレスの少ない仕事に転職すべきか、受験がストレスとなって子供のアトピーが悪化しないか、そんな相談がしばしば医師のもとに寄せられるとか。
ストレスの解消は非常に大切です。ただ、ストレスの全くない生活など存在しないのも、また事実。あるストレスから逃れても、根本的な解決にはならないのだとしたら、むしろそれを乗り越えられるような治療と心のケアが必要かもしれません。
周囲の人にできるのは、必ずしも何か特別なことをしてあげることではないはずです。本人と一緒に考え、正しい知識を学び、現実と向き合いながらゆっくり見守り支えること。それがまず第一です。
そして、悩んでいるあなたも、ちょっと一息ついて、基本に立ち返ってみましょう。アトピーを適切にコントロールし、上手につきあっていけば、ほかの人とさほど変わらない生活が送れるのです。自信と「必ず治る」という信念をもって、主体的に、あせらずに、ゆっくりと治療を続けてみませんか。