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グルグル、フワフワ、クラっ めまい

47-1-1.JPG 突然、なんだかクラクラして立っていられない――「めまい」はそんな感覚の総称。実は、症状も原因もさまざまです。
監修/加我君孝 東京医療センター・感覚器センター長
     鈴木ゆめ 横浜市立大教授

 めまいとは、実際には自分や周囲が動いていないにもかかわらず、動いているように感じてしまう現象。ひどいとバランスが悪く立っていることもできません。さまざまな病気の症状のひとつとして現れる一方、原因不明のまま長年にわたって繰り返されることも多いようです。めまいを引き起こす病気の中には、放置すると命にかかわったり、だんだん耳の聞こえが悪くなったりするものもあります。いずれにしても快適な社会生活を大きく損なうものですから、できるだけ早期に原因を見つけ、治せるものは治したいところです。

めまいの種類 大きく3つ

 ひとくちに「めまい」と言っても、人により感じ方の表現は微妙に違うもの。それでも大きく3つに分けることができます。
①回転性めまい
 自分もしくは周囲がグルグル回っている感じがします。それとともに、音が聞こえづらい(難聴)、耳がつまった感じ、キーンとする耳鳴りなど耳の症状や、バランスが保てなくなったり、吐き気や嘔吐、動悸、冷や汗を伴うこともあります。内耳の病気による場合がほとんどです。
②浮動性めまい
 体がフワフワした感じがして、ふらつきます。まっすぐ歩けなかったりします。のみならず、顔面や手足、指のしびれ、頭痛、まひなどが現れる場合もあります。原因は様々ですが、脳神経の病気に注意します。
③立ちくらみ
 立ち上がるとクラっとするものです。時に目の前が暗くなり、失神してしまうことも。通常、起立性低血圧が原因ですが、循環器の病気が隠れている場合もあります。
 このように違いが分かれるのは、めまいを引き起こしている病気や障害の発生部位にも関係しています。
 そもそも私たちは、自分の体が「動いている」「止まっている」「傾いている」などの平衡感覚に関する情報を、目、内耳、両手足の筋肉・関節という3つのアンテナで捉えます。その情報は脳に伝わり、そこから再び目、内耳、筋肉に指令が送られ、体のバランスを保っています。
 めまいはこの平衡系のどこかの部分にトラブルが生じて起こるもの。トラブルの箇所が、めまいの現れ方を左右することも多いのです。なかでも鍵を握るのが、内耳と脳。次頁から見ていきましょう。

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