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血流悪くて皮膚に炎症 しもやけ、ひび、あかぎれ

 血行が悪くなると、手足の指などの皮膚に炎症も起きてきます。「しもやけ(凍瘡)」です。
 血行不良の状態で肌が乾燥すると、とくに仕事や家事で慢性的に刺激を受ける手指では、かさかさする、皮膚が厚くなる、赤くなる、亀裂ができるなどの症状を呈してきます。かゆみ、痛みを伴うことも多いです。これを、進行性指掌角皮症や手湿疹(通称、手荒れ、ひび、あかぎれ)といいます。
 命にかかわるわけではありませんが、皆さんもよくご存じのように、痒かったり痛かったりして、生活の質(QOL)には随分と影響します。 過去に特集していないので、少し丁寧に説明します。
 しもやけは、一日の気温差が大きい時、皮膚表面の温度が低い時に発生しやすくなります。手足の周辺の湿度が高かったり、皮膚を濡れたまま放っておくと気化熱により皮膚の表面温度が下がるため、しもやけになりやすいようです。水仕事をするとなりやすい道理です。
 手足をできるだけ暖かく保って、もし指先や指と指の間が濡れたら、なるべく早くしっかりふき取って乾かしましょう。靴は乾燥させ、手袋や靴下が濡れた場合は早く取り替えることが大事です。また、先が細い靴や、ヒールが高い靴は、足の指先が圧迫されて血行不良になりやすいので、できれば避けましょう。
 保湿剤をまめに塗ることで、皮膚を保護すると、手荒れになりにくいです。
 根本的な対策は血行不良を改善することで、それは冷え性対策とかなり重なります。局部のマッサージも有効ですが、あまり強い力でマッサージすると患部付近の毛細血管が破裂し、症状が一段とひどくなる場合があります。
 治療には、血行をよくする働きのあるビタミンEの軟膏を塗ったり、ビタミンEを内服するのがよいでしょう。桂枝茯苓丸などの漢方薬も有効です。
 保湿剤を塗って、手袋をして寝るようにするのもよいです。保湿、保温効果が高く、血行の回復、手荒れの傷の治癒を促進します。炎症やかゆみが強いときは、ステロイド剤の外用が効きますし、冷感が強く血行不良が強いときは、血管拡張剤の内服も効果的ですので、このような場合は皮膚科を受診してみるとよいでしょう。
 ただし膠原病の中に、しもやけと似た症状のものがあるため、暖かくなっても一向に直らない場合にも皮膚科を受診してください。
 蛇足ですが、凍傷はしもやけとは別の疾患です。0℃以下の寒冷に一定時間以上さらされた時に大部分の人に発生します。

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