関節炎 リウマチって何?
関節炎は、文字どおり関節に炎症が起こり、腫れて熱をもったり痛みが出る病気です。患部は赤くなり、何もしなくても痛んだり、動かすと痛みが出たりします。
あたりまえすぎて恐縮ですが、関節は、骨と骨をつないでいる部分です。ごくごく一部の例外を除き、重要な関節のほとんどは動かすことができ、基本的な構造はみな同じです。関節を形成している2つの骨の表面は軟骨で覆われ、関節全体は関節包という袋に包まれています。
そのなかに細菌やウイルスが入ったり、細胞に異常が生じたり、その他いろいろな原因で関節の内部に炎症が引き起こされたのを、総称して「関節炎」と呼んでいるのです。
というわけで、関節炎といっても実にさまざまな種類があります。代表的なものを挙げていくと、細菌が血流に乗って関節内に入り起こる「化膿性関節炎」、自己免疫異常の一種で全身の関節に炎症が起こる「関節リウマチ」、結核菌が関節内に入って起こる「結核性関節炎」、血液中の尿酸という成分の結晶が関節に沈着して起こる「痛風性関節炎」などがあります。他にも何種類も原因のよくわからない関節炎があります。
関節痛は特集済みでは?
このような疑問をもたれた方、ご愛読ありがとうございます。ご記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんが、1年ちょっと前の08年2月号で「関節痛」を取り上げました。関節そのものの仕組みや役割についても少々詳しくお話ししましたので、気になる方は、そちらでおさらいしていただけると幸いです。
ただ、「関節痛」特集で扱った障害のうち、話題のトップは変形性関節症でした。たいていは運動や加齢により関節軟骨がすり減った結果、痛みが出るものです。こちらも進行すれば関節の内部で炎症が起きますが、本来、腫れや熱など炎症そのものは主症状ではありません。そこで、関節炎と区別して関節症と呼ばれます。(ただし逆に、関節炎によって関節の形や構造が変わり、変形性関節症になることはあります)。
さて今回の「関節炎」特集では、数多くある中から、1年前の関節痛特集のときには脇役だった「関節リウマチ」を主役に抜擢して、スポットライトをあてていくことにします。