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梅村聡の目㉘ 決起集会に1400人  多くの医療団体も集結

2013年5月12日(日)、来たる夏の闘いを目前にして、中之島公会堂(大阪市北区)で市民大集会を開きました。日曜日の午後に、医療者や一般市民約1400人、医師、歯科医師、薬剤師、など多くの医療系団体に所属する方々が集まってくださいました。場所、開催時間、来賓の顔ぶれなど、各所に私の政治家としての考え方が表れた集会でした。

 大正7年に建設され、ネオ・ルネッサンス様式を基調とした趣のある通称「中之島公会堂」(正式名称・大阪市中央公会堂)は、大阪府民にとってのシンボルとも言える建物で、小学生の頃に写生した経験がある人も多いはずです。国の重要文化財に指定され、アインシュタインやヘレン・ケラーが来日時に講演したことでも有名です。

 大阪府民である私は、政治家になった当初から、中之島公会堂で演説会をやってみたいという強い思いがありました。

 しかし、公会堂使用の抽選は非常に倍率が高く、なかなか当たらないと言われています。私は「ダメでもともと」という気持ちで、事務所のスタッフに申し込んでおいてもらいました。すると、なんとたまたま申し込んだ日曜日二つ5月12日と5月26日、両日ともに当選してしまいました。

 まさかと思っていたので驚きましたが、この時期に得た幸運だと思うと嬉しく、12日は私を応援してくださる方の中に多い医療関係者と市民の集会に、26日は勤労者を中心とする一般市民の集会にすることを決めました。

 それからは知人への案内、メールマガジン、ファックスニュース、インターネット上の交流サイト、様々な団体を通じたお願いなどを通じて、集会を宣伝しました。どれぐらい集まってくださるかは、当日になるまで分かりませんでした。

日曜午後がミソ

 公会堂は正午から18時まで使用可能で、集会は14時からの1時間に設定しました。

 政治家の演説会というのは、大体、平日の夜にあります。日中の仕事が終わってから開催するためそうなるのですが、それは政治家側の都合でやっているわけであって、本気で市民と対話したり、市民に対して訴えかけようとしているのかは疑問です。その時間、一般家庭は夕飯時ですし、まだ働いているサラリーマンも多いでしょう。積極的に政治活動を行っている市民以外は参加の難しい時間です。

 そこで私は、日曜日の午後なら一般の方でも来やすいのではと考えたのです。こんな時間に演説会をする政治家はほぼいませんが、来られる市民の立場に立って考えたら当たり前のことだと思います。

満員でビックリ

 公会堂の1階席は定員約900人、2階席は約400人と、1300人が座れます。

 大阪の建物内で行われた政治家の演説会では、田中角栄さんの3900人規模の集会が過去最高だったと言われています。しかし40年前の話なので、あくまで「伝説」です。私にはその記録を破りたいという「願望」もあり、1300人の集会を2日間開いたら、少しは近づくのではないかと考えました。そうはいって相当の人数なので、1階席が埋まる900人ぐらい集まれば成功かなと思うようにしました。

 しかし蓋を開けてみると、開会前の1時半には公会堂入り口に人だかりができていました。用意していた1200部の資料はあっという間になくなり、ご家族で1部にしていただいたり、お渡しできない方もいました。気づくと1階も2階も立ち見が出るほどの満員で、1400人はご来場くださったと思います。人が多過ぎてお帰りになった方もいたようで、大変申し訳なく思いました。

どの団体とも良好

 来賓として、大阪府の医師、歯科医師、薬剤師、病院、医薬品卸、歯科技工士、製薬産業の団体の代表者、また日本医師連盟から横倉義武委員長(日本医師会会長)も駆けつけてくださいました。その他にも多くの医療系職能団体、病院団体から祝電をいただきました。

 「よくこんなにたくさんの団体が応援してくれますね」と言われましたが、たしかに周囲を見回してみると、利害が対立する可能性もある様々な医療系団体から一致団結して応援してもらえる国会議員は珍しいと思います。

 読者の中には、医師なんだから医療系団体から応援されるのは当然じゃないかと考えた方もおられると思いますので、少し業界と行政組織の関係を述べたいと思います。

 医療界の中には病院、製薬、医薬品卸、職能別、学会など様々な団体があります。そしてある団体の要望を通すと別の団体にとっては不利益になるなど、業界の中で利害の一致しないことが多々あります。団体同士の争いになった時、多くの場合は厚労省が仲裁に入り、そうやって官僚の権威を高めてきました。私が政治家になってから、その構図を頻繁に見てきました。

 そこで私は、それならすべての団体と最初から付き合えばよいと思ったのです。そうやって厚労省の上手をいけば、行政と対等に話ができます。

 それを今まで多くの政治家ができず、対立関係にある団体を作ってしまったのは、政策がうまくいかなかった時に、理由をきちんと説明しないからだと思います。

 多くの政治家は、自分の手柄だけを派手にアピールし、失敗したことを説明しません。だから、反発されるのです。私も、この連載でうまくいった政策について書いてきましたが、考えたことすべてを実現できているわけではありません。

 そういう失敗した時にこそ、関係団体に、お願いされていた政策がなぜうまくいかなかったのか、その理由を、誠意を持って丁寧に説明して理解を得ます。もちろん納得のいく理由でなければいけませんが。その時の私の「説明の軸」は「生活者の立場」です。業界の利益が「生活者」の利益と一致する場合もあれば、完全に衝突する場合もあります。あるいは修正すれば一致する場合もあります。その時に、自分が国会議員としてどんなスタンスをとるのか? テーマによりますが、あくまで私は「生活者」の立場を最優先することを心がけてきました。このことは政治家にとっては永遠のテーマですが。しかしそうすることが最終的には業界の方にも納得してもらいやすいですし、信頼感を得ることになるのだと感じています。

 そうやって、多くの団体と関係を作ってきました。その結果として、集会に多くの団体が集まってくださったのだと思っています。

 横倉委員長の来場を驚く方もいましたが、横倉先生が日本医師会の副会長だった当時からのお付き合いで、個人的な信頼関係から来てくださったと思います。

外交にも同じ資質

 医療界だけではなく、どの業界にも団体同士の利害対立はあります。政治家の中には、特定の団体と"二人羽織"をして要望を通し、票と政治資金を得ている人もいますが、それは本来の政治家の姿ではありません。本当に国益を考えられる政治家であれば、国民の利益を最優先し、団体それぞれの顔も立つようにしながら、政策立案できる力量がなければいけないのです。

 いざ国際舞台に立って外交を行う時、アメリカ、ヨーロッパ諸国、ロシア、アジアでは中国、韓国、北朝鮮など、それぞれと信頼関係を築きながら、日本にとって一番よい成果を獲得するよう立ち回らねばならないのが政治家です。国内の一つの業界内ですら軋轢を起こしてしまうような政治家では、国際社会に出ても大した仕事はできないでしょう。

 来たる夏の闘いでは、ぜひとも目先の話題だけでなく、どういう政治家が国益を考えた行動をできるのかという俯瞰的な視点を持って、注目していただきたいと思います。

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