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県を批判したら経営者に向かった補助金での脅し

小松 東金市に2014年に出来た病院で、3次救急をやるってことになってます。最終的に医者が全部集まっても50何人でちょっと規模が小さ過ぎる上に、医師も足りないけど、看護師がもっと足りなくて、病床を完全には開けてません。で、大赤字になっているんです。国や県が出してくれる分を除いた自治体の純粋な損失分が、毎年、20億円近くあるらしい。2015年度、資金不足になった。そこで銀行から5億円借りました。短期借入は当該年度に返済しないといけないのですが、それができないので、年度越えするために5億円を借り換えしました。2016年2月の評価委員会で病院の事務部長が2015年度「債務超過になるのは免れない」と話し、別の委員が、2016年度も「大変な赤字、資金ショート、資金不足に陥る可能性があります」と述べていました。その上、千葉県の東京に近い松戸、柏、市川なんかで団塊の世代が一気に高齢化する。県全体で、看護師はますます足りなくなる。看護師確保は難しい。で、自治体は全然お金持ちじゃないから、自治体が潰れるって、住民たちが大騒ぎしています。そもそも千葉市まで高速で20分の場所で、しかも人口が過疎になっていくんだから、3次救急なんて全く需要がないんですよ。

梅村 それと井上さんと、どういう関係があるんですか。

小松 井上さんは、準備段階の一時期責任者だったはずなんです。誰がやったか分かりませんが、そこに金を出すために、ゲリマンダーみたいな南北に細長い2次医療圏を作ったんですよ。成田なんかと一緒になってたはずの山武を、分けて南とつないで細長いのにしたんですよ。その北の端っこに、東千葉メディカルセンターはあります。

梅村 僕ね、その辺の土地勘ってあるんです。僕の5代前の先祖である関寛斎の生まれって東金市なんですよ。なので、えらいアンバランスだなというのは、よく分かります。

小松 2次医療圏の反対側の端っこの夷隅ってのは、鴨川の隣なんです。それで、そこの人たちって、亀田へは来ますけれど、東千葉メディカルセンターへは全く行ってません。救急車だって、そんな所へ搬送しないですよ。でも、夷隅に使われるべきお金も、全部東千葉メディカルセンターへ行っちゃってる。

梅村 で、そういう、まあちょっと無謀なと言うか、後先考えない計画があって看護師が足りずに病床も開けなかった、という風になってるわけですね。

小松 で、それについて病院建設前の2012年頃から、批判してたんです。亀田の経営者も、問題視していました。その頃の話ですが、(亀田総合病院を経営する)鉄蕉会理事会で東千葉メディカルセンター問題が話題になって、理事の一人が住民監査請求だか住民訴訟を行うべきだと主張して、盛り上がったらしいです。亀田さんたちが吹聴してました。

梅村 この問題の批判が、井上さんのカンに触ったわけですか。

小松 もし病院が破綻したら、計画段階で関わった人たちの責任問題になるから、余計なことを書くなということなんじゃないかと解釈しています。

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