甘く見ないで胃腸のトラブル。
楽しい人生に健やかな食生活は欠かせませんね。
その楽しみを縁の下で支えてくれる胃腸のこと、少し考えて大事にしてみませんか。
監修/日比紀文 慶応義塾大学教授
矢作直久 虎の門病院消化器内科部長
鈴木秀和 慶応義塾大学専任講師
皆さん、ソーセージを食べたことありますよね。あれが、豚などの腸に、ひき肉や香辛料を詰めたものだということはご存じでしょう。あのような食べ物が成立するのは、腸が筒状で、伸び縮みして、途中に肉や汁の飛び出すような穴がないからです。
そしてこれが、今回扱う消化管(胃腸)の性質を端的に表しています。そうです。しなやかな一本の筒で、食物が体内に入って消化され排泄されるまでの通り道なのです。しかも単なる通り道ではありません。食物を移動させ、消化・吸収し、残りカスを排泄物へと変える、そんな働きもしています。
さらに、外界とモノの出し入れをしている関係上でしょうか、筒の中には他の生物がいろいろすんでいます。そして、この寄生物との関係で病気になったりします。実に不思議な世界ではありませんか。