胃腸がおかしい! この病気かも。
暑くなって胃腸の具合がどうも......という方いませんか。
え? 暑くなくても、おかしいですか。
それはいけませんね。ちょっと考えてみましょう。
監修/日比紀文 慶応義塾大学教授
三谷年史 虎の門病院消化器内科
腹も身の内、と言います。
こんな言葉が生まれた経緯に思いを致すと、昔の人は本質をうまくつかんでいたのだなあと考えざるを得ません。
腹、すなわち消化管の中は、開閉式で外界と通じる口から、やはり開閉式で外界と通じる肛門まで一続きの管なので、構造だけを発生生物学的に見ると、実は「体の外」です。
にわかには受け入れがたい話ですね。では、もっと分かりやすい例で、少なくとも完全な「体の内」ではない証拠をお示ししましょう。
消化管にできたポリープや癌の軽いものは、体にメスを入れることなく内視鏡で切除可能なこと、ご存じですよね。要するに体の外から直接触れられるわけです。言葉を換えると、皮膚と同様に体の内と外とを隔てている存在なのです。
さあ本題に入りましょう。