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めざせ健やか視生活!眼を長持ちさせよう。

眼は、こんな構造になっています。
13-1.1.JPG 眼の病気について個別に触れていく前に、眼の構造(図参照)とモノが見えるとはどういうことか、ご説明しましょう。
 モノが見えるとは、光が「角膜」→「前房」→「水晶体」→「硝子体」を通って「網膜」上にピントを結び、そこで光が化学反応によって電気信号に置き換えられ、その信号が網膜の神経細胞の突起である視神経繊維の束を「視神経」を経由して脳まで届き、画像として認識される、ということです。
 入ってくる光の量は「虹彩」が絞りのように機能して調節します。虹彩に囲まれた光の入り口を外側から見たものが「瞳孔」です。
 光の通り道(先ほど矢印でつないだ4つの部分)は、世の中をありのままに見るために、無色透明である必要があります。
 眼も生きている細胞で成り立っていますから、栄養をもらったり老廃物を捨てたりする必要があります。通常の器官で、こういった運搬を担うのは血液です。しかし、無色透明の中に血が入ってきたら世界が赤く見えてしまいます。このため、「房水」という無色透明の液体がこの役割を果たします。これが眼の大きな特徴で、光の通り道の無色透明さが損なわれるのが、白内障などの病気です。
 レンズの役割を果たす角膜や眼球の直径が長すぎたり短かすぎたりして、きちんと網膜上にピントが合わないのは、近視・遠視・乱視(コラム参照)です。
 網膜は、どこでも感度良く「見える」というものではありません。「黄斑部」という直径わずか1mm強の円の部分に性能の良い細胞がギッシリ集まっていて、そこで見たり色を感じたりするようになっています。加齢黄斑変性症は、この黄斑部が使えなくなってしまう病気です。
 網膜では、光が電気信号に置き換えられるわけですが、この際に多くのエネルギーや酸素を消費します。そうした運搬を担うべく、網膜の中と裏側には細い血管が密集し、それが詰まったりつぶれたりすると新しい血管が次々にできてきます。この新生血管が、糖尿病網膜症など様々な病気の原因になります。
 また、いくら眼球が健全でも、視神経が切れると信号が脳に届きませんので、何も見えません。視神経がダメになるのが緑内障などの病気です。
 では、改めて次頁から主な病気を一つずつ説明していきましょう。

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