めざせ健やか視生活!眼を長持ちさせよう。
次に採り上げるのは「白内障」です。光の通り道でレンズの役割を果たす「水晶体」が白く濁ることにより、だんだん視力が失われていくものです。
先天的なものを除くと、加齢、紫外線、糖尿病、外傷などの原因があり、圧倒的に多いのが加齢によるものです。
だれでもある年齢になると水晶体が濁ってきます。視力障害を起こすのは、光の通り道が濁った場合で、その段階へ来て初めて自覚することになります。
この水晶体の濁りは水晶体の中のたんぱくが、いろいろな原因で変性した結果です。しかし、なぜ濁るかの理由は、まだ正確には分かっていません。経験的に、紫外線を眼に受けると白内障になりやすいことが知られており、外出時は紫外線をカットするサングラスや帽子を着用した方がよいようです。また喫煙も良くないようです。
白内障イコール手術と思っているかもしれませんが、実際には患者がどの程度生活に不便を感じているかによって対処法が変わります。
現状何とか視力があるならば、まずはメガネを検討し、また濁りの進行を抑えるよう点眼薬を併用します。メガネではどうしても生活が不自由になれば、手術を検討することになります。
手術は、濁った水晶体を取り出して、代わりにコンタクトレンズと同じ合成樹脂製の眼内レンズを入れます。日帰りで済む場合もありますが、何のリスクもないというわけではありませんので、二、三日の入院で行うことが多いようです。
手術後は水晶体のピント調節機能が失われますので、元のように裸眼で遠くから近くまで見えるというものではなく、メガネが必要になります。
また、手術後に残った水晶体の細胞が増殖して濁りが再発する「後発白内障」というものがかなりの割合で起きます。しかし、これは新たに出てきた濁りの部分をレーザーで弾き飛ばせばすぐに視力が戻ります。外来で処理できます。
近視・遠視・乱視はこういうことです。 眼は、水晶体が厚みを変えることで遠近のピントを調節します。水晶体が厚くなると近くにもピントが合い、ボンヤリと眼に力を入れない状態で遠くが鮮明に見えるのが「正視」です。 角膜や水晶体の屈折が強すぎて遠くのピントが合わないのが「近視」(後天性)。逆に屈折が弱すぎて遠くも近くもピントが合わないのが遠視です。近視は近くを見ることの多い現代社会に適応した眼と言うこともできますが、遠視は矯正しないと日常生活に大変な不自由を生じます。 乱視は、タテ方向とヨコ方向のピントの合う位置が異なるもので、健常な人は水晶体が帳尻を合わせていますが、帳尻が合わない場合、眼鏡やハードコンタクトレンズが必要です。