更年期障害 切り抜けよう。
どんな症状が出るの?
前項で説明したように、更年期障害には①性ホルモンの減少による身体変調②内分泌制御系と神経制御系のバランスが崩れることに伴う自律神経失調とそのあおりを受ける心身症という二つの側面があります。
お気づきかもしれませんが、①は神経系がホルモンの減った状態に慣れれば回復するものです。だから更年期障害は一過性であると言われてきました。しかし実は②の方は加齢現象なので一過性ではありません。
女性の場合、性ホルモンが急激に減るため、①と②が同時に起きて激しい苦痛となるのが一般的です。対して男性の場合、性ホルモンの減少が緩やかなので①の苦痛は軽めです。その代わり、比較的ストレスの大きい環境で脳の働きが抑制されていることが多いため、②が深刻化することも少なくありません。
具体的にどんな症状が出てくるかは、下表をご覧ください。実に多岐に渡ることがお分かりいただけると思います。
気をつけていただきたいのは、症状が当てはまるからといって、更年期障害と決めつけて放置しないでほしいということです。同様の症状の出る疾患は他にもたくさんあり、もし他の疾患だったら、それに応じた治療をすることで、劇的に症状が改善する可能性だってあります。
更年期障害という診断がつくには、自覚症状があり、ホルモン量の低下が見られる他は、検査データに特に異常がなく「他の疾患ではない」ことが条件になります。