文字の大きさ

過去記事検索

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。
特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

増えてます。あぶないです。 肺炎

「誤嚥性肺炎」を予防する。

 高齢者にとって命の危険につながる肺炎は、なんとかして避けたいもの。
 心がけである程度防げるのが、「誤嚥性肺炎」です。食事の際に食べたものを飲み込むとき、誤って肺に入ってしまうことを誤嚥といいますが、それにより、食べ物や唾液についていた細菌などが肺に炎症を起こしてしまうのです。このところ肺炎による死亡者が急増しているのは、高齢化とあいまって、この誤嚥性肺炎が原因と言われています。
 高齢で食事のときによくむせる人や、脳卒中や糖尿病、全身の病気で食べ物が入ってしまったときに吐き出す力が弱まっている人は注意が必要。胃液の逆流で肺に入ることもあります。誤嚥をしてもむせずにいて、誤嚥性肺炎を繰り返す人もいます。
 誤嚥性肺炎を防ぐために、
①食事の際はなるべく体(上半身)を起こし、安定させる。
②飲み物や吸い物をそのまま飲むのではなく、とろみをつけてあげると飲みやすくなる。
③口の中を清潔にする。とくに食後と寝る前の歯磨きは忘れずに。
④寝ているときも唾液を誤嚥しやすいので、上半身がやや斜めになるよう寝具に角度をつける(15度くらい)。
といったことがおすすめ。③などは関係がなさそうにみえますが、誤嚥性肺炎に口の中の細菌(歯周病菌など)が大きく関わっているようなのです。また、口の周りの筋肉が落ちると誤嚥しやすくなりますので、よくしゃべり、笑うことも、喉が動いて飲み込む運動になって非常に大切です。

  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
掲載号別アーカイブ