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調布市立調布中学校授業報告

皆様 お変わりありませんでしょうか?

早いもので今年も残り10日余りとなってしまいました。

「いのちの授業~がんを通して」も、お陰様で12月2日(土)に実施した調布市立調布中学校での授業をもちまして、無事に今年度の予定を滞りなく終了することができました。

こちらのブログにつきましても、今年最後の記事となります。

今日は、その調布中学校での授業についてご報告いたします。

同校では、当日は1~4時間目までの授業が組み込まれており、
1時間目 「いのちの授業~がんを通して」事前学習
2~3時間目 「いのちの授業~がんを通して」
4時間目 「いのちの授業~がんを通して」事後学習
という内容になっていました。

11月20日の記事でもお伝えした通り、調布市では、平成24年12月に小学生が給食による食物アレルギーで亡くなるという事故が発生し、そのことを教訓に市内小中学校で、12月1日から終業式までを「いのちと心の教育月間」とする取り組みを実施しており、今回の授業は、「道徳授業地区公開講座」としての位置づけであると同時に、「いのちと心の教育月間」の取り組みの一環としての位置づけでもありましたので、正に1日「いのちと心」について考える機会になったようです。

授業は、我々講師陣の持ち時間はオーバーすることもなく極めて順調に終了し、特に、阿南さんのお話は、コンパクトにまとまりつつもインパクトのある内容となっており、新体制になってからの実施3回目にベストパフォーマンスを提供できたと自信を深めたところです。

続いて、生徒さんからの「質問タイム」へと進んでいきました。校長先生は、「うちの生徒は大人しいので質問が出るかどうか」とご心配をされていたのですが、実際には質問したい生徒さん全員には時間が足りないという状況になり、大変活気を帯びたやり取りができ、校長先生も驚きながらも満足をされていました。

今年度最後の「いのちの授業~がんを通して」は、大成功であったと言えると思います。

以下にアンケート結果のグラフを表示いたします。

アンケートの内容等につきましては、11月5日の記事をご参照ください。

調布市立調布中学校.jpg

前回の大南学園第四中学校同様、すべての項目で実施効果が出ているようです(特別支援学級の生徒さんは若干傾向が異なっていますが)。

第2学期に3校実施したわけですが、1時間目に事前学習を組み込み、2~3時間目を「いのちの授業~がんを通して」とした2校において同じような結果が出たということは、直前に事前学習を実施した方が高い効果を期待できるという仮説が成立する可能性がありますので、来年度の実施に対する一つのヒントになるかと思っています。

以下、自由記述欄から生徒さんたちの感想等を記載いたします。文意は変更してありませんが、表記に関しては当方で一部改変してありますので、ご了承ください。

・ガンを通して、命は短く弱いものでいつどうなるか分からない。でもガンなど苦しい思いをしてもあきらめないことが大事だと思う。今、自分にできることは、多分、今生きてられることに感謝して、この一日一日を大切にすることだと思いました。(特2男)
・がんはつらいものだけど、手術を乗り越えてきたからこそ夢があることは素晴らしいことだと思います。いのちは無駄にはしてはいけないので、大切にしていきたいです。(特3女)
・いのちがあることは奇跡だから、つらいことがあっても懸命に(人に頼ることも大切にして)生きていきたい。(3女)
・がんは、一見マイナスなことしかないとないと思っていたけど、見方を変えるとプラスに変えることができ、良い経験になるということが分かった。(3男)
・がんだけではないけど、病気(重い)になったら人生終了ではなく、治したら次のステップへ行き、新しい自分と生きていくということが必要だと思った。(3女)
・つらい経験をしたからこそ得る尊いことに気づいた時、人生はとても充実していると思う。マイナスのことを少し見方を変えることでプラスに捉えることができるので、見方を変えたいと思った。(3男)
・「いのち」は人それぞれ違うけど、「命」のように大切にすることは同じである!(3女)
・自分のテロメアの研究をしたいという夢が大きくなった。テロメアの研究を通してがんを治せる新しい技術をつくりたい。(3男)
・僕の母もがんだったので、母のつらさが分かってよかった」。(2男)
・いのちは一つしかないし、一度しかこの人生は味わえない。だから、どんなにつらいことがあっても「死にたい!」とは言わない。逆に「死にたい」なんて言う人がいたら、そばにいて、今回の話をしてあげたい。
・今生きていることは当然ではないし、できていることも当たり前ではないということを改めて思った。阿南さんの話を聞いて、つらいことや苦しいことはたくさんあるけど、生きることを選んで後悔はしていないと言っていたので、素晴らしいことを聞けたなと思った。(2女)
・本当にがんになって絶望してたと思うのに、私たちに話してくれたことに感謝してるし、〇〇(友人の名前)と一緒に泣いてた。本当に親とのやり取りとかも私たち思春期と同じだったから分かった。(解読不能)突然何が起きるか分からないから大切にしようと思った。(2女)
・人それぞれ嫌なことがあるけれど、もっと大きな病気と闘っている人もいて、それを乗り越えた人というのは夢を追う姿勢で輝いていると思った。だから、私も命のある限り、夢を追い続けたい。(1女)
・がんでやりたいこともできなくなる人がいるのに、私たちはできることもやろうとしないのは駄目なので、自分たちにしかできないことをしていきたい。(1男)
・もう二度とこういうことを考えたくもないし、聞きたくもない。こういう生と死について考えることで、生きることが怖くなる。(1女)
・「がん」は悲しい、怖い病気でもあるけど、友達や家族のきずなが見えるかけ橋になってくれるものなんだとも感じました。(1女)

今年度の総括会議は、メンバーのスケジュールの都合上、来年1月17日(水)に実施されますので、平成30年度の実施方針については同月20日の記事でお知らせできると思いますが、既に自校での実施に興味をお持ちの先生方は早目にお問い合わせくださいますと幸いです。

お問い合わせは、satoshi.kawaguchi@lohasmedical.jpまでお願いいたします。

どうぞ良いお年をお迎えください!

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