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「医師不足は医学教育の問題か」―文科省のたたき台に不満の声

水田祥代委員(九大副学長、写真右).jpg 平野委員からの批判に対し、荒川座長が「先生、そうすると、また『オロジー』(薬理学や生理学などの学科)ばかりこだわってということに...」などと反論した。

 福田康一郎・副座長(社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構副理事長)も加勢し、「前倒しと言うが、(卒前)臨床実習と(卒後)臨床研修の中身がダブっていたら、前倒しするのは当然だ。国家試験で基礎系の問題がまだ出ているから、これは共用試験でクリアすべきだし、1つでも無駄をなくしていって、良い医師になってもらいたい。私どもはそう理解している」と抑え込んだ。

 ここで水田祥代委員(九州大学副学長)が割って入り、「医師が不足しているからなんとかしなさいと書いてあるが、これがなんで医学教育の問題になってるのか?」と不満を表した。
 「これ、書いたらおかしいんじゃないか。『地域の医師不足』とか、『養成・確保する方策を講じる』とか、それが医学教育の問題になるのか。こういう書き方は違うと思う」

 荒川座長は「今回の(研修制度見直しに関する文科・厚労両省の)提言を受けた検討会なので、提言を無視できない」と返し、福田副座長は「小児科や産科などの領域は医師がいなくなって困っているのだから、小児科や産科の教育はきっちりやるべきだというとらえ方でよろしいのではないか」と同調した。

 しかし、水田委員は「足りない(診療)科は困るからという意味だろうか。『地域の』と書いてある。私には分からない」と引かなかった。荒川座長は「ですから、緊急性の問題を踏まえながら、おっしゃるようなことを、どう...。基本的には、そんなに違いはない」と、その場を納めた。

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