文字の大きさ

ニュース:カテゴリー「医療/国」の記事一覧

 医療界の積年の懸案事項である控除対象外消費税の問題が、政府の税制調査会で議論されることが分かった。この問題に取り組んできた梅村聡参院議員(民主)が今日、大阪市内で開いた国政報告会で初めて明らかにした。(熊田梨恵)

 本日、野田内閣の不信任決議案と問責決議案が衆参両院に提出されたようです。以下に公開する記事は、9月号(8月20日発行)に掲載するものですが、このまま解散総選挙になったとすると、大変にピントのボケた記事になってしまう可能性もあることから、一足先にwebで公開いたします。各党の振る舞いを評価する上でも、面白い視座を与えてくれるのでないかと考えます。(川口恭)

 世間を騒がせている環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への交渉参加問題。医療界への影響についても様々な意見が飛び交うものの、論点がどうもはっきりと見えてこない。医療界が考えるべきエッセンスを梅村聡参院議員(民主)に聞いた。(熊田梨恵)

satoshieye2.JPG『ロハス・メディカル』でも、5月号で東日本大震災関連の記事をいくつか掲載することにしております。雑誌の発行前ながら前倒しで掲載できるものは、どんどん掲載していきますので、ご活用いただけましたら幸いです。まずは、関西版『それゆけ!メディカル』限定コンテンツ、『梅村聡の目』です。

 3月11日の東日本大震災では、医療機関も被災したために透析難民が大量に発生、被災地以外での代替が必要になっている。対応するため、日本透析医会(山﨑親雄会長)で全国の会員施設に呼び掛けを行ったところ、被災3県の全患者数を上回る約1万8000人の受け入れが可能になった(24日現在)。特に、電力事情に問題のない近畿以西で、約1万人を受け入れられるという。同会で災害医療を担当する山川智之常務理事(大阪・白鷺病院理事長)に話を聴いた。(熊田梨恵)

 昨日発足した内閣官房・医療イノベーション推進室の中村祐輔室長には、ロハス・メディカル誌2010年1月号から12月号まで『あなたにオーダーメイド医療を』というコーナーの連載をしていただきました。これまで、このコーナーの文章はweb公開していませんでしたが、ちょうどよい機会なので1日1本ずつ公開していきます。

(2010年1月号掲載)

110107inovation.JPG 政府は7日、医薬品・医療機器分野を国の成長産業とするため、その研究開発部分を省庁横断的にバックアップする組織として、内閣官房に「医療イノベーション推進室」を設置した。室長と室長代行2人が官や政からではなく研究者から起用されたという点に目新しさを感じるところで、その3人が発足にあたって記者会見を開いたので、お邪魔してきた。(川口恭)

 都道府県に義務付けられている救急搬送・受け入れルールの策定について、終わっているのは7つの自治体にとどまる事が17日、総務省消防庁のまとめで分かった。残り40の自治体は今年度末までの策定を予定しているが、医療機関や隣接する自治体との調整などに難航しているようだ。(熊田梨恵)

 国内の救急車が装備しているAEDの中に、救急隊用ではなく一般市民向けの仕様のものが2%あったことが総務省消防庁の調査で分かった。同庁の担当者は「財政的に厳しい自治体が一般向けAEDを使用している」との見方を示しており、今後各自治体に向けて救急車には救急隊用AEDを積載するよう促していくとしている。(熊田梨恵)

 森臨太郎氏(東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授)インタビューの最終回です。国民全体の医療を向上させるには、先端医療の開発よりも今ある医療を標準化し、底上げすることが必要と伺いました。今年度から始まった戦略研究で、森氏は実際に標準医療の底上げに取り組み始めています。(熊田梨恵)

 森臨太郎氏(東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授)インタビューの第2回です(前回はこちら)。今回は、このガイドラインの作成過程に関する考え方が医療政策全体に通じるというお話を伺いました。エビデンスの取りまとめや納税者の視点に立った費用対効果分析、医療者と患者の情報交流にもつながる総意形成手法といった部分にポイントがありそうです。(熊田梨恵)

森臨太郎先生.jpgインタビュー
森臨太郎氏
(東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授)

 日本未熟児新生児学会が先ごろ公表した『未熟児動脈管開存症のガイドライン』は、患者家族の参加や、総意形成と根拠の検証へのこだわりなど、今後の日本のガイドラインの在り方に一石を投じるものになりそうです。背景には、英国政府組織でガイドライン作りに携わってきた森臨太郎氏による、ガイドライン作成過程の計画がありました。森氏に取材すると、日本のガイドラインの問題点は医療政策の問題構造に通じているという興味深い話を聞くことができました。3回の連載でお届けします。(熊田梨恵)

100721tinzyou1.JPG 子宮頸がんワクチン接種への公費助成を求めて21日、毛色のかなり異なる23団体が合同で、長妻昭厚生労働大臣に要望書を提出した。5万2千筆あまりの署名も添えた。各団体の代表や付き添いが顔を揃えた結果、30人を超える大陳情団が大臣室を埋め尽くすことになり、熱気を目の当たりにした長妻大臣も「比較的前向きな答え」(同行の小宮山洋子代議士)をした。(川口恭)

 70の患者団体が連名で13日、がんの適応外医薬品への保険支払いを認める方向で検討するよう求める要望書を、厚生労働大臣など宛に提出した。適応外使用の問題を巡っては、かつて日本医師会の力が強かった時代に、医師の臨床上の判断を尊重し支払いを認めるとした『55年通知』が厚生省から出されているが、最近では有名無実化しつつある。代わって今年から『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』が設置され、適応拡大後の保険適応という手続きの、時間や費用のかかる道へ誘導されている。(川口恭)

表紙15.JPG 救急搬送時に重症患者が軽傷とみなされてしまう「アンダートリアージ」のデータ化など、救急隊が疑った傷病と医師の評価の違いを数値化して搬送の質向上につなげようとする動きが都道府県で始まっている。栃木県内で行われた調査では、救急隊によって「1次対応が適当」と判断されたケースのうち、約3割が医師によって「2次、3次対応が適当」と評価されていた。栃木県からの報告を紹介する。(熊田梨恵)

100512koyama.JPG100512murasige.JPG 元厚生労働省大臣政策室政策官の村重直子氏が在野のキラリと光る人たちと対談していくシリーズ。今回のお相手は、ポリオの会代表の小山万里子氏です。ほとんどの人が、「そんな話知らなかった。本当なの?」と思うであろう話の連続です。ことポリオに関する限り、厚生労働省の予防接種行政は、犯罪的なのでないかという気にすらなってきます。今回も3回に分けてお伝えします。(川口恭)

 国が昨年度から実施している、119番で救急車を呼ぶべきか判断に困った患者からの電話相談を受ける救急電話相談のモデル事業が、総務省内の「事業仕分け」で「廃止」と判定された。実際に廃止されるかどうかは選挙後の政務判断に任されているが、もしそうなれば国が描く今後の搬送体制の構築に大きく影響する可能性もある。(熊田梨恵)

 総務省消防庁は21日、毎年実施している救急患者の搬送・受け入れの全国実態調査で、今年度は脳卒中患者の状況を調べることを決めた。照会回数や現場滞在時間など救急隊側の情報は消防庁が吸い上げ、確定診断名や転帰など医療機関側のデータは厚労省が集めて、省庁間でマッチングすることを想定している。厚労省が様式の見直しを進めているDPC情報の活用も視野に入っており、医療側に踏み込んだ調査となりそうだ。(熊田梨恵)


100511murasige.JPG100511uchida.JPG 元厚生労働省大臣政策室政策官の村重直子氏が在野のキラリと光る人たちと対談していくシリーズ。今回のお相手は、昨年の新型インフルエンザ騒動の際に全国の医療現場で何が起きていたのか、それを知ることのできる立場にあった内田健夫・前日本医師会常任理事です。国会のドタバタのお蔭で、パッチワークの改正予防接種法案が継続審議になっていますが、あの改正が本当に必要なのかということも考えさせられます。(川口恭)

 『第9回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会』(部会長・加藤達夫成育医療センター総長)が16日午後開かれた。空席の目立つ傍聴席の前で、代理2人を加えてやっと定足数に達した中、予防接種法の抜本改正へ向けた議論として、「評価・検討組織」と「情報提供のあり方」の2点について淡々とヒアリングなどが行われた。来週以降も毎週のように開催が予定されているようで、何らかの予算要求をめざしているものと思われる。くしくもこの日に通常国会が閉会し、この部会が2月にバタバタでお墨つきを与えた「パッチワークの改正予防接種法案」は成立せず、衆院での継続審査となった。(川口恭)

 国立がんセンターが独立行政法人され、嘉山孝正理事長によって猛スピードで改革が行われているようです。一方その蔭で、何やら一部の厚生労働官僚による不穏な動きも始まっているとのこと。前国立がんセンター中央病院院長の土屋了介・癌研究会顧問に聴きました。(聴き手・川口恭)
(このインタビューは4月30日に行われましたが、6月8日の出来事を受けて加筆されました)

 厚生労働省の『薬害肝炎の検証および再発防止に関する研究班』の最終報告書が7日、公開された。1986年から87年にかけて青森県三沢市で発生した集団感染で、医師は、ある時期を境に肝炎感染率100%の非加熱フィブリノゲン製剤ロットが出現していることを厚生省に文書で報告していたが、その文書は担当者レベルで止まっており、課長も血液製剤評価委員らも見ていなかったことが指摘されている。結果として、非加熱フィブリノゲン製剤が自主回収に留まって全国で使い続けられ、また感染性を保ったままの加熱製剤が承認され被害を拡大する遠因ともなった。(川口恭)

提出.jpg 子宮頸がん予防のワクチン接種に関する普及活動などを行う12の市民団体や学会らは28日、ワクチン接種の公費助成を求める要望書を民主党の小沢一郎幹事長宛に提出した。申し入れを受けた今野東副幹事長は子ども手当を使った助成も検討しているとして、前向きな姿勢を示した。(熊田梨恵)

 今月18日にヒトゲノム国際機構からチェン賞を授与され帰国したばかりの中村祐輔・東大医科研ヒトゲノム解析センター長は、最近、外国へ行く度に憂国の念を抱いて帰ってくることが続いているそうです。何が問題なのか、どうすればよいのか、聴きました。(聴き手・川口恭)

 鈴木寛文部科学副大臣は6日、10年ぶりのプラス改定を果たした2010年度診療報酬改定について、「良かったのか悪かったのか、医療現場から何のフィードバックもないので、どういう受け止め方をしているのかつかみかねている」と述べ、医療界が国政に声を上げ続けなければ医療費抑制政策に舞い戻ってしまうと危惧した。(熊田梨恵)

 26日、医療機器に対する規制や制度が時代に則していないために患者の利益を損ね、また国内医療機器産業の成長も阻害されている、と日米欧の業界団体3者が共同で、新成長戦略「ライフ・イノベーションによる健康大国戦略」を所管する内閣府・厚生労働省・経済産業省の3府省に提言を行った。(川口恭)

 医療上の必要性が高く、欧米で使われていながら国内では使えない医薬品を早く使えるようにしようという検討会『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』(委員名簿はこちら)の2回目会合が31日開かれた。約50日ぶりの開催とあって、どのような進展があったのか満場の傍聴人が見守ったが、何のために手間をかけてやっているのか分からなくなる本末転倒な議論が随所で展開された。特に、保険局が医薬食品局を弾除けに使っていて、それが話をややこしくしていると分かるやりとりをご紹介する。(川口恭)

 一昨年5月以来23回を数えた厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』が30日終わった。報告書の中で「薬害」をどう定義するのかなど、最終回も予定を1時間超えて熱心な議論が繰り広げられ、最終報告書がまとまるまでには、さらに委員の中でメールベースの議論がありそうだ。(川口恭)

100326adr.JPG 医療に関して裁判外の紛争解決(ADR)機関を運営している関係者を一堂に集めた厚生労働省主催の連絡調整会議が26日開催された。動きの止まっている医療事故調構想との関係にも注目が集まるが、事務局の趣旨説明は「通常の検討会とは異なり、ここで何かを決めるということより、参加者で認識を共有して自発的に何か始めていただけるならありがたい」と控えめだった。(川口恭)

 総務省消防庁は12日、昨年12月に国内で救急搬送された心肺停止状態の患者に関する実態調査を公表した。救急隊の現場滞在時間と搬送一カ月後の生存率、社会復帰率の相関図を示し、「処置時間が短ければよいというものでもなく、どのような処置を傷病者に行ったのかの検証」が必要とした。「搬送時間が短ければよい」という一部の見方に一石を投じるデータになりそうだ。(熊田梨恵)

 厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』第22回会合が8日開かれ、次回まとめる最終提言について討議が行われた。予定を1時間近く超えての議論だったが、「監視評価のための第三者組織」設置の部分以外に関しては、各委員が一通り修文案を言うだけで終わってしまい、最終的にどのように整理されるのか見えないままだった。(川口恭)

 よく「国家試験の勉強は、現場では全く役に立たないよ」と先生や先輩方はおっしゃいます。しかし「研修医として働くのに役に立たない」と断言されてしまう国家試験、その合格を目標にして大量の暗記を強いている今の医学教育とは一体何なのでしょうか。医師には正確な知識はもちろん必要ですが、診断にいたるための考え方・問診や身体診察手技・患者やコメディカルの方々とのコミュニケーション能力も同じように重要です。しかし現行ではぺーパー試験のみで「暗記ができる=医師として適任」と判断されています。
 平成21年5月に発表された文部科学省医学教育カリキュラム検討会の報告書では、日本の医学部6年生は「医師国家試験の受験対策に追われ、臨床実習が形骸化し、基本的な診療能力が十分身に付かない」と国家試験の弊害が指摘されています。
 医師国家試験は、日本の医師の質、さらに言えば医療の質を規定する大切な試験であり、その位置づけ・内容・運営は真に「良医育成のため」というポリシーに沿ったものである必要があります。臨床現場に出ていない学生の立場から僭越ですが、以下の点について皆様に考えていただきたく、この場をお借りして問題提起させていただきます。(群馬大学医学部医学科5年 柴田綾子)

 厚生労働科学研究として設置されていた『漢方・鍼灸を活用した日本型医療医療のための調査研究』班会議(黒岩祐治班長=国際医療福祉大大学院教授)は25日、「国民の期待は大きいけれど実状は瀕死という漢方の実態をさらけ出して、どうしたいのか問いたい」(渡辺賢治・慶応義塾大漢方医療センター長)と5項目の提言をまとめ、長妻昭・厚生労働大臣あてに提出した。(川口恭)

 今通常国会での予防接種法改正を睨んで開かれていた『厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会』(委員長・加藤達夫成育医療センター総長)は19日、5回目の会合で第一次提言を取りまとめた。土壇場に来て黒岩祐治委員が「ここで予防接種法を改正する必要はない」と孤軍奮闘し、結論部に「特措法で構わないとの意見もあった」と書き加えられた。(川口恭)

 総務省消防庁は16日、昨年末に国内で救急搬送された心肺停止状態の患者に関する実態調査の速報値を公表し、救急隊の現場滞在時間と搬送一カ月後の生存率、社会復帰率についての相関図を示した。現場滞在時間が34分未満であれば一カ月後の社会復帰率に大きな差は見られないとして、同庁救急企画室の溝口達弘救急医療専門官は「一分でも早く搬送すればいいというものではなく、(搬送前の)処置の中身をきちんとしていくことも大事では」と述べ、医療界で言われる「救急救命士の医療行為がなければもっと早く搬送でき、患者も助かる」という"エピソード"に否定的な見解を示した。(熊田梨恵)

20100208-0957.jpg 医療上の必要性が高く、欧米で使われていながら国内では使えない医薬品を早く使えるようにしようという検討会『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』(委員名簿はこちら)の1回目が8日開かれた。突っ込みどころ満載だったので、できるだけ丁寧にご報告する。(川口恭)
*なお、資料がないと意味不明の点も多いと思うので、最低限のものは掲載した。色の変わっているところをクリックすれば読めるようになっている。

 日本医師会が厚労省の意を受け医療機関を取り締まるのか、と物議を醸したワクチン接種の優先順位遵守に関して、日本医師会の飯沼雅朗常任理事は9日の検討会で大きく見解を「後退」させ、結果としてどのように提言に書き込むかの結論も出なかった。(川口恭)

 厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』第21回会合が8日に開かれ、前回、詳細を公開するか否かで揉めたPMDA全職員アンケートの結果が公開された。専門的能力に欠ける厚生労働省からの天下り・出向職員が組織幹部を占めること、行政の判断が優先されて科学的判断が捻じ曲げられることなどへの不満が赤裸々につづられていた。(川口恭)

 新年度から積極的勧奨が再開される方針が決まっている日本脳炎ワクチンについて、積極的勧奨が差し控えられた5年間に定期接種対象年齢だったため免疫ををつけ損なった子供たちに経過措置をどう設けるかが27日、厚生労働省の検討会で議論された。しかし結論は出ず、夏以降に再度議論されることになった。(川口恭)

 厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』第20回会合が29日開かれた。実施する前にもやるかやらないかで鞘当てが行われたPMDA職員アンケート(その後に厚生労働省職員も対象に)に関して、その回答を公開するか否かで、再びほぼ同じ顔ぶれによる言い争いが起きた。(川口恭)

0113hpvvaccin.JPG 昨年末に販売開始された子宮頸がんワクチンがメディアを随分と賑わせていて、何となく自分もそれなりに事情を分かったつもりになっていたが、実際には何も分かっていなかったようだ。13日に国立がんセンター中央病院で開かれたシンポジウムに参加して、そのことを痛感した。(川口恭)

 接種後に因果関係を強く疑わせる急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が発生したことから、予防接種法の定期接種対象に位置付けられながら、05年に厚生労働省課長通知で『積極的勧奨の差し控え』が行われるという訳の分からない状態になっていた日本脳炎ワクチンについて15日、新年度から積極的勧奨を再開する方針が固まった。(川口恭)

 予防接種法の大規模改正をにらんだ厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会が、25日に新設されて始まった。普段は公の場であまり発言しない上田博三・厚生労働省健康局長が、「我々としても不退転の決意で大改正に取り組む」と述べた。記録として残しておく。またこの日、日本脳炎予防接種のあり方を検討する小委の設置が決まった。(川口恭)

 16日の『新型インフルエンザワクチンに関する有識者との意見交換会』のなかで、厚生労働省の官僚たちは足立信也政務官や外部専門家から仕事を増やされるのを非常に嫌がっていることと、『有識者』もその意を忖度して動いていることのよく分かるやりとりがあった。人情としては大変よく理解できるのだが、同じように仕事を減らす配慮を前線に対してしているだろうか。(川口恭)

1.JPG2.JPG
 バタバタしているうちに、会合から1週間経過してしまったけれど、11日の内閣府『独立行政法人ガバナンス検討チーム』の議論の模様の続きをお伝えする。キモは、上図左のような現行組織だと「主務大臣が主務官庁にすり変わってしまって、理事長は主務官庁を向いて仕事をせざるを得ないので、ミッションを向いて仕事できるよう右の仕組みに変えるべき」(大久保委員)という点が、チームの総意としてまとめられるかどうかだった。(川口恭)

 厚生労働省医政局の中野公介救急医療対策専門官は17日、厚労省で検討中の救急救命士の業務範囲拡大について、「血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与」と、「心肺機能停止前の静脈路確保と輸液の実施」については来年春にも認められていくとの方向性を示した。(熊田梨恵)

1216suzukan.JPG 文部科学省の鈴木寛副大臣は16日、癌研究会研究所で開かれた講演会で、この日計画を見直した上で予算の復活が認められた次世代スーパーコンピュータに関して、「皆さんもぜひ使ってほしい。基礎の創薬も考えられるが、それ以上に考えていただきたいのは患者情報のデータマイニング」と、医療界にも開かれたインフラであることを説明した。(川口恭)

桜井会長(中).jpg 民主党の国会議員から成る「適切な医療費を考える議員連盟」の桜井充会長は15日の会合後記者会見で、2010年度診療報酬改定に向けて議連としての提言をまとめていくため、医科や歯科などに分けた個別の検討チームを立ち上げて議論を進めていく方針を明らかにした。(熊田梨恵)

 民主党の国会議員から成る「適切な医療費を考える議員連盟」の桜井充会長は15日の会合後記者会見で、14日に厚生労働省の足立信也政務官が2010年度診療報酬改定で本体部分に1.73%の引き上げが必要との認識を示したと報道されていることについて、「不十分以外の何物でもない」と述べ、マニフェストで約束した医療費増額を実現するには足りないと主張した。(熊田梨恵)

 先月11日の事業仕分けで漢方薬を含む市販品類似薬を保険適用外とする方針が示されたことに対し、日本東洋医学会、NPO健康医療開発機構、日本臨床漢方医会、医療志民の会の4団体が集めていた漢方薬の保険適用継続を求める署名は最終的に92万4808人分に達したという。4団体は前回提出した1日以降の追加分署名を16日、改めて厚生労働省に提出した。(川口恭)

 16日『意見交換会』の席上、新型インフルエンザ対策本部事務局長の麦谷眞里・厚生労働省審議官が、ワクチン接種のスケジュールに関して柔軟化を「検討している」と述べた。余ったワクチンを対象者以外に打って批判されたり、廃棄して批判されたり、と現場にとって対処に困る事態が起きているとの指摘に対して答えた。ただし、健康成人も対象者に加えてよいか、に関しては福島靖正・結核感染症課長は時期尚早との見方を示した。(川口恭)

 厚生労働省の『新型インフルエンザワクチンに関する有識者との意見交換会』が16日に開かれ、臨床試験の結果を踏まえて、妊婦と中高生に関してワクチンを2回接種せず1回接種で構わないだろうとの判断が了承された。厚労省では、この判断を受けて同日中に方針を示すという。(川口恭)

1215taisikan.JPG ジェネリック医薬品の先進地アメリカ、その大使館で15日、「こうやればもっと普及するんじゃない?」という趣旨のシンポジウムが開かれた。聴講者が入り口で携帯電話まで取り上げられるという会場設定は、こわもてのガイアツを想起させるが、一方でアメリカでは官は民の利益のために動くのだなあ、日本とは全然違うなあということを痛感させられた。で実は中身も結構おもしろかった。(川口恭)

 文部科学省の鈴木寛副大臣は15日、行政刷新会議の「事業仕分け」で国立大学法人運営費交付金の位置付けなどについて見直しを求める判定が出たことについて、医療界に対する影響はないとの見解を示した。(熊田梨恵)

 11日の内閣府『独立行政法人ガバナンス検討チーム』の議論の模様をご紹介する。NCが厚生労働省の支配がら脱するのか、植民地のままなのかを分けるとあって、非常に中身の濃い白熱した議論が展開された。ただし、最後の最後で「大臣一任」となって、水面下でまだ色々とありそうだ。(川口恭)

 2008年に救急搬送された患者のうち救急隊が心肺停止を疑ったケースで、119番通報を受けてから病院に運ばれるまでの時間が最も長かったのは奈良県の37.7分で、全国平均の32.4分を約5分上回っていたことが、総務省消防庁の調べで分かった。全ての救急搬送で病院収容までの平均時間は35.0分と、心肺停止状態の患者の搬送時間の方が短くなっている。(熊田梨恵)

 13日に行われた新型インフルエンザワクチンの安全性を議論する検討会に、ワクチンの製造者別、ロット別に副反応の数・割合を出した資料が提出された。委員からは、差がないと判断してよいのだよねと助け舟を出す質問があったが、事務局の回答は奥歯にものが挟まったような歯切れの悪いものだった。(川口恭)

 新型インフルエンザワクチンの安全性について検討する厚生労働省の検討会が13日、開かれた。前回に引き続いて、委員の何名かから疫学的データ解析の必要性を指摘する声が出たが、事務局は何も言及せず、座長も「これまで通りの対応で」と取りまとめてしまった。(川口恭)

 文部科学省の鈴木寛・副大臣は11日、都内で開かれたシンポジウムの中で、80年以降増えていない大学医学部を「新設するかどうか、来年から議論を深めていく場を設けることが決まっている」と、医師養成数をさらに増やすために医学部新設も視野に入れていることを明らかにした。(川口恭)

 内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』が11日、ナショナルセンター(NC)の独法化に関する4回目の会合を開いた。理事長などの選考を、厚生労働大臣ではなく新たに内閣府に設ける『独立行政法人管理委員会』で行うことなどが提言された。この日で議論をいったん終了して、仙谷由人・行政刷新相に対応を一任することになった。仙谷氏が今後、平野博文官房長官、長妻昭厚生労働大臣と折衝し、結論を出すという。(川口恭)

 事業仕分け以来、保険適用から外されるのでないかとの懸念が関係者の間に高まっている漢方薬について、民主党統合医療議連副会長の山根隆治参議院議員は10日の漢方フォーラムで「党としては正式に(保険適用を)継続させることを、小沢幹事長から鳩山総理に申し入れる」と述べた。(川口恭)

 8日に行われた内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』第3回会合の議論の後半(前半はこちら)。独立行政法人通則法の改正が大筋の方向となり、理事長の選任方法などが議論された。厚生労働省は、なすすべなくサンドバッグのままだった。(川口恭)

 日本臨床整形外科学会の藤野圭司理事長は3日に開かれた民主党の医療議連のヒアリングで、行政刷新会議の「事業仕分け」で整形外科医の年収が「4200万円」と示されたことに反論し、実際の年収は「583万円」と主張した。どうしてここまで大きく食い違うのだろうか。(熊田梨恵)

 内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』が、6つあるナショナルセンターの全職員を対象に匿名アンケートを実施中だ。これまでに計200人ほどから回答があったという。事務局の中間報告によれば、「医師はモチベーションが高く処遇が悪い、看護師はモチベーションも処遇も低い傾向にある」という。(川口恭)

 内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』第3回会合が8日開かれた。4月に独立行政法人化する6つのナショナルセンター(NC)について、長期債務を一切背負わせない形でスタートさせるとの意見が大勢を占めた。一足先に独立行政法人化した国立大学病院が借金返済のため"瀕死"になっている現実もあり、この方針が貫徹されるか注目される。(川口恭)

 「整形外科医が行う運動器などのリハは年間5600億円。一方で柔道整復師による捻挫などへの施術には3800億円が使われている。これをどう見るか」「柔道整復師への保険給付費が日本の医療統計のどこに入っているのか、何度厚労省に聞いても分からない。正体不明の数字だ」「接骨院も整形外科も、患者にとっては両方に『先生』がいる」―。腫物に触るように扱われ、医療界の"ブラックボックス"とされる柔道整復師の保険請求問題が、にわかにできたばかりの民主党の医療議連で話題に上がった。(熊田梨恵)

091127kayama1.JPG
  先月27日の中央社会保険医療協議会(中医協)で嘉山孝正委員(山形大学医学部長)がこんなプレゼンテーションをしたそうだ。大学病院の実態が分かるという点と並んで、特定機能病院を独立行政法人化する前に気をつけておかないといけない点も見え、内閣府の検証チームと厚生労働省との間でつばぜり合いが行われているナショナルセンターの問題にも通じるものがあり、興味深いのでご紹介する。(川口恭)

 先月30日に新型インフルエンザワクチンの安全性について検討する厚生労働省の検討会が開かれた。接種後まもなくの高齢者の死亡が相次いでいることに関して、委員からは「ワクチンとは関係ない」という意見が大勢を占めたが、「関係あるとかないとか言えるだけの疫学データが示されていない」と参考人から「待った」がかかり、事務局は研究班に依頼して解析を行うと約束した。(川口恭)

梅村事務局長(左)、桜井会長(中)、辻副会長.jpg 民主党の国会議員でつくる「適切な医療費を考える議員連盟」の桜井充会長(参院議員)は4日の記者会見で、医療費増額を求めていく際の財源について、保険料の引き上げは税金で賄うとして、一定の窓口負担増も有り得るとの見解を示した。(熊田梨恵)

高嶋筆頭副幹事長(右)、桜井会長.jpg 民主党の国会議員約160人から成る「適切な医療費を考える議員連盟(桜井充会長・参院議員)」は4日、診療報酬のプラス改定や補助金増額などを求める決議文を、陳情対応を取りまとめる高嶋良充筆頭副幹事長に提出した。桜井会長は会見で、「9日の段階で『最重要項目』として内閣に申し入れしていただきたいというお願いをした。9日にどのような取扱いを受けるかによって今後を検討していきたい」と述べた。決議内容は他分野からの要望とともに、幹事長室で予算編成に向けた精査を受ける格好となり、民主党がマニフェストで約束した"医療費増額"であるにもかかわらず、一筋縄ではいかなさそうだ。(熊田梨恵)

 民主党の国会議員160人から成る「適切な医療費を考える議員連盟(桜井充会長・参院議員)」は3日、2010年度診療報酬改定で「ネットでプラス3%以上」の改定を求める決議文を、明日にも幹事長室に提出することを決めた。補助金で医療クラークなどを10万人雇えるようにすることや、「事業仕分け」の対象になった「医師等人材確保対策の推進事業」の予算の倍増、漢方薬の保険適用の継続も求める。(熊田梨恵)

 先月27日に設置された内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』第2回会合が3日開かれた。国立高度専門医療センター(NC)6つの理事長について、週明け7日に公募を開始し年内に任命する案が厚生労働省から示されたが、それ以前に財務内容が不透明だとの意見が相次ぎ、結論は出なかった。(川口恭)

 「民主党の上の方の人たちは大学病院とかは見ているけど、本当の意味での現場、地域のところは見ていないんだよ」―。民主党の国会議員でつくる「適切な医療費を考える議員連盟」の桜井充会長(参院議員)は1日、現政権が考える医療政策に対する不満をあらわにした。桜井会長は今週末にも医療費増額を求める要望を行い、その後は医療・介護政策全般を幅広く扱っていく考えだ。ただ与党内からは、「議連がうまくやれば身動きが取れなくなっている政務三役を助ける連携プレーになるが、ヘタしたらただの内ゲバ」との声も聞かれる。(熊田梨恵)

1201kanpouhoken.JPG 先月11日の事業仕分けで漢方薬を含む市販品類似薬を保険適用外とする方針が示されたことに対し、日本東洋医学会、NPO健康医療開発機構、日本臨床漢方医会、医療志民の会の4団体は1日、漢方薬の保険適用継続を求める27万3636人分の署名を、厚生労働省に提出した。対応した外口崇保険局長は「政務三役ともよく相談して、後々に禍根を残さないようにしたい」と述べた。(川口恭)

 民主党の国会議員約120人が集まる「適切な医療費を考える議員連盟」の桜井充会長(参院議員)は1日の記者会見で、予算編成終了後は議論の幅を医療・介護政策全般に広げていくとの方針を示し、今後の活動内容が来夏の次期参院選の医療マニフェストにも影響する可能性を示唆した。(熊田梨恵)

 来年4月に独立行政法人化される国立高度専門医療センター(NC)6つの「ガバナンス」がこのままでいいのか、どういうものが望ましいのかについて、関連省庁の副大臣・政務官と有識者で議論する「チーム」が27日、内閣府に設けられた。週1回のペースで会合を開き、理念・人事・経理の主に3点について検討、1月ぐらいに一定の取りまとめをするという。(川口恭)

櫻井会長.jpg 民主党がマニフェストで約束した医療費増額を実現させるため、民主党議員で作る「適切な医療費を考える議員連盟」が26日に発足した。まずは2010年度診療報酬改定がプラス改定となるよう、来月半ばに厚生労働省の政務三役に提言を提出する。医療費については財務省が診療報酬を引き下げる方針を打ち出しており、梅村聡事務局長は「政務三役を応援していく立場」と議連について述べるなど、年末の予算編成に向けて医療費をめぐる攻防が本格化してきたとみられる。(熊田梨恵)

 慢性期医療などの分野に保険外サービスを充実させて地域インフラを構築するとして、経済産業省が来年度予算に32億円を概算要求した事業について、行政刷新会議のワーキンググループは25日「廃止」と判定した。経産省は保険外の民間サービスと保険給付の医療・介護サービスの連携の重要性を訴えたが、仕分け人は混合診療など規制緩和を省庁間で協議すべきと述べるなど、議論は全く噛み合わなかった。(熊田梨恵)

 国立大学医学部長会議「大学医学部の教育病院の在り方に関する検討委員会」の嘉山孝正委員長は25日、「事業仕分け」で国立大運営費交付金の内容を見直すよう求める判定が出たことについて、「これで交付金の削減が毎年続くようなことになったら大学附属病院はアウトだ」とコメントした。(熊田梨恵)

 「事業仕分け」を行う行政刷新会議のワーキンググループは25日、国立大が2004年度に法人化されて以降、毎年1%ずつ削減されている国からの「国立大学法人運営費交付金」について、位置付けなど在り方自体を見直すよう求める判定を出した。議論は文科省から国立大への出向職員や、大学経営と教育研究のバランスの問題などに集中。大学附属病院については、法人化以降の収入が全体で「1225億円の増」と数字が読まれた以外、議論はなかった。(熊田梨恵)

 鈴木寛・文部科学副大臣は24日、事業仕分けで科学技術研究予算の縮減や廃止が相次いだことに関して、「事業仕分けを国民の75%が支持している。科学コミュニティーの自律が足りず、一般納税者の支持を得る努力、若手研究者の声を聴く努力をサボってきたことのツケが現れた。きちんと現実を受け止め、自分たちのあり方も見直していかなければならない。政治家も反省する」と述べた。

 今月7日の『現場からの医療改革推進協議会』の中で、ぜひ皆さんに紹介したいなと思いながら、しかしあまりにも発表が早口だったためメモが追いつかずにいたものがある。簡単な文字起こしができてきたので、ご紹介する。発表者は、財務官僚で現在は預金保険機構金融再生部長に出向中の松田学氏だ。医療界の方々が「当然」と思っていることが、本当に当然のことなのか考えてみていただけると幸いだ。(川口恭)

消防庁が医療界に豪速球

 都道府県に救急患者の搬送・受け入れのルール策定を義務付けた改正消防法が先月末に施行された。「ルール策定」という部分だけがクローズアップされて伝わり、否定的な見方をする医療者も一部いるようだが、この法改正は、これまで一部の業界団体や永田町・霞が関だけで決まってきた医療政策決定のプロセスを変えていく可能性も秘めている。(熊田梨恵)  

 「心肺停止の祖父母を救命センターに運ぶことが最近の家族の"儀式"なので、センターは看取りの場。ベッドが埋まって新患を受け入れられない」「救急隊の搬送時間が長いのは現場で救命処置を行っているから」など、救急医療の搬送・受け入れには様々なエピソードが飛び交っている。来月から消防庁が全国で実施する心肺停止状態の患者の搬送・受け入れ実態調査は、こうしたエピソードの数値化につながり得るため、医療政策の決定プロセスを変える可能性と、医療現場が"言い逃れ"できなくなる可能性の両方を秘めている。(熊田梨恵)

 総務省消防庁は17日、来月1日から一月間、心肺停止状態の患者の搬送・受け入れの詳細調査を全国で行うことを明らかにした。照会回数や受け入れられなかった理由のほか、搬送先医療機関の種類や家族からの希望などについても調べる。結果は年度末までに公表される予定だ。(熊田梨恵)

jigyosiwake1111.JPG 行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分けが11日から始まった。仕分けの結果として何がどうなるのか今ひとつ不明確だが、たとえば「診療報酬の配分」について『収入が高い診療科の報酬を見直す』とか『開業医の報酬を勤務医と公平になるよう見直す』などということが、圧倒的賛成多数の結論としてまとめられた。(川口恭)

 明日から事業仕分けが始まる。医療に対しても大鉈が振るわれるとの事前予測も流れている。担当の仙谷由人大臣は7日の『現場からの医療改革推進協議会』で、医療に対してどのように取り組むかのスタンスを語っていた。ワーキンググループの動きが、整合性の取れたものになるか検証できるよう、あらかじめ記述しておく。(川口恭)

adati110801.JPG 昨日の『現場からの医療改革推進協議会』に登壇した足立信也厚生労働大臣政務官が、6日夜の会見に関して「これだけ重要なデータを出したのに一紙も出てない」とマスメディアに対して憤りを見せた。会見の発言内容は既にお伝え済みだが、グラフをお示ししていなかったので、ここに掲載すると共に昨日の政務官発言のうち該当する部分をご紹介する。(川口恭)

 「都道府県の体制は間に合うと考えておられるのか」「前倒しは専門家に諮ったのか」-。6日に厚労省が開いた、新型インフルエンザ用ワクチンの小児への接種時期の前倒しなどに関する記者会見。約1時間のうちの後半30分、足立信也政務官に記者からの質問が相次いだ。(熊田梨恵)

 厚生労働省の足立信也政務官は6日に記者会見し、後期高齢者医療制度を廃止した後の新制度をつくるため、「高齢者医療制度改革会議」を今月中に発足させると発表した。足立政務官は「高齢者だけを集めた一つの保険制度という考え方は取らない」と述べ、65歳以上の前期高齢者も含めて新制度を検討していく方針を示した。(熊田梨恵)

 厚生労働省の足立信也政務官は6日、同日の参議院予算委員会での舛添要一前厚労相の質問についてコメントし、「質問の中で、前政権では(10mlバイアルの導入を)認めていなかったのに、政権が代わって認められたという内容の質問がありましたが、そこは事実と認識が違う」と述べた。(熊田梨恵)

 厚生労働省は6日、1歳から小学校3年生までの子どもと、基礎疾患を持つ小学校4年生から中学校3年生までの子どもへの新型インフルエンザ用ワクチンの接種時期を早め、可能なら今月中旬から接種することを検討するよう都道府県に通知したと発表した。5歳から14歳の子どもが新型インフルエンザに罹患すると重症化する傾向があると示し、同日始まった3回目のワクチン出荷に伴い600万回分の接種が可能になるとして早期の接種を求めた。(熊田梨恵)

 長妻昭・厚生労働大臣は6日の参議院予算委員会で、国産ワクチンの供給量が上方修正される要因となった10ミリリットルバイアルの使用について、「(国内4社のうち)1社が、1ミリリットルの容器で新型のワクチンを作るとすると季節性インフルエンザワクチンの製造を中止しなければいけないという話もあって、我々としては量を確保するためにギリギリの判断をさせていただいた」と述べ、積極的に選択したわけではないことを明らかにした。(川口恭)

 「本来医療保険でカバーすべきでない部分を厚労省にやらせようとするからおかしくなる。疾病や介護予防、在宅での慢性期医療などについて、すでにノウハウを持っている民間の力を生かして周辺サービスを充実させていけば、本来の医療や介護を成り立たせることができ、国民の満足につながる」-。経済産業省は地域ぐるみの健康サービス事業や慢性期医療の支援事業などを国内で展開していくため、来年度予算の概算要求に32億円を計上。医療や介護のインフラ構築に乗り出した。(熊田梨恵)

 昭和大医学部の有賀徹教授は2日、都道府県に策定が義務付けられた救急患者の搬送・受け入れルールについて、これまでほとんど医療側のみで議論されてきた医療提供体制について、消防機関側が医療機関側と同じテーブルで議論し、医療提供体制の構築に乗り出すという"転換期"をもたらすものになるとの見方を示した。(熊田梨恵)

 都道府県に救急患者の搬送・受け入れルールの策定が義務付けられたことを受け、東京消防庁は2日、ルールを策定するための協議会の初会合を開催した。ルール策定のために議論を始めたのは東京都が初めてと見られる。具体的な作業を担う作業部会の有賀徹委員長(昭和大医学部救急医学教授)は、「実態としてはルールを新しく策定するのではなく、既に地域にある程度存在しているルールや医療機関リストを、この新しいルールにのっとって整理するということになる」と話した。(熊田梨恵)

 総務省消防庁の開出英之救急企画室長は2日、国が2008年度から実施している救急搬送の受け入れ全国実態調査について、今年度は心肺停止状態など重篤な患者についても詳細に調べていくとして、「今年中にも、全国の消防機関に統計を取っていきたい」と述べた。(熊田梨恵)

 ワクチン接種回数に関する厚生労働省の迷走は、足立信也政務官が政治の力で科学をねじ伏せた結果であるかのようにマスメディアで報道されバッシングされている。しかし19日の会合の内容は、科学的根拠のない行政決断に政務官が疑問を呈し、専門家もそれを支持したというものであり、傍聴していた身からすると、一連の報道内容には違和感を禁じえない。19日に出席した専門家の1人である森兼啓太・東北大大学院講師も同じ思いのようだ。簡単にインタビューした。(川口恭)

 副作用の発生がゼロになることはない。これは医療側からすれば当たり前のことだが、日本ではこれまで、避けることのできない被害に対する無過失補償制度が構築されてこなかったために、一部からの責任追及を恐れて、全体が享受できるはずの利益を損なうということが起こっている。乳幼児に発症して重度の後遺症となりやすい「細菌性髄膜炎」を防ぐためのワクチンの定期接種化が実現しないこともその一例だ。政権が交代し、医療の無過失補償や免責に関する制度は、今後進んでいくのだろうか。(熊田梨恵)

 「ヒブワクチン」や「肺炎球菌ワクチン」という言葉を聞いたことがあるだろうか。5歳未満の子どもが発症し、発達障害など重度の後遺症を残しやすい「細菌性髄膜炎」の予防に有効とされ、海外ではWHOの勧告を受けて定期接種化が進んでいるワクチンだ。「ワクチン後進国」とも言われる日本では定期接種化されておらず、患者会などが要望を続けている。どんな病気で、現状はどうなっているのだろうか。(熊田梨恵)

 厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』第17回会合が29日開かれた。医薬品行政を検証するとの旗印を掲げて開始されてから1年半、終結まで半年のこの時期になってようやく、審査や安全対策を行なっているPMDA(医薬品医療機器総合機構)職員の生の声を知りたい、と匿名アンケートが行なわれることになった。(川口恭)

 文部科学省の鈴木寛副大臣は28日、プロジェクト採択の正当性などをめぐり問題となった最先端研究開発支援プログラムを教訓に、国内で研究職を志す人がキャリアデザインを描けるような体制を再構築する必要があると主張した。(熊田梨恵)

 文部科学省の鈴木寛副大臣は28日、来年度予算の概算要求に絡み、「結局財務省が認めるかどうかだが、ぜひお願いしたいのは、新政権は誰ともしがらみがない。したがって現場の声、世論が本当に重要。有権者の皆さんが真に何を望んでいるかという事のご意向に、ものすごく左右されると思う」と述べ、医療現場から新政権に対して声を上げてほしいと求めた。(熊田梨恵)

 文部科学省の鈴木寛副大臣は28日、同省の来年度予算概算要求で医療に関する分野について、「大事なことは教員をはじめ、教育体制を整えていくという事。その観点で予算要求をした」と述べ、特に医学部の教官の増員などへの重点配分を考えているとした。(熊田梨恵)

提出.jpg  患者家族や医療者などでつくる「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」(田中美紀代表)は27日、長浜博行厚生労働副大臣に対し、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌7価ワクチンの定期接種化などを求める要望書を提出した。早期の予防接種法改正を求めるため、一般から集めた約4万7000筆の署名も近日に衆院と参院の両議長へ提出する予定だ。(熊田梨恵)

佐藤敏信医療課長090709.jpg 中医協人事を発表した10月26日の会見で、長妻昭厚生労働相は終始メモに目をやりながら歯切れの悪い回答を繰り返した。年金問題を追及したかつての"勇姿"はなく、今にも泣き出しそうな痛々しい表情。対照的だったのが厚労省保険局医療課の佐藤敏信課長で、説明に窮する長妻大臣に強い口調で助け船を出すなど、大臣との"上下関係"を記者団に見せ付けた。(新井裕充)

中医協人事質疑1026.jpg 「5人のお医者様すべてが日本医師会の会員」「安達先生は(日本)医師会の診療報酬検討委員会の委員長で診療報酬に関しては権威」─。日医執行部を外す中医協人事を発表した10月26日の会見で、長妻昭厚労相は"日医外し"の人事ではないことを強調した。長妻厚労相の質疑応答は以下の通り。(新井裕充)

中医協人事会見1026.jpg 今月1日で任期切れとなった中央社会保険医療協議会(中医協)の委員について、長妻昭厚生労働相は10月26日午後7時から厚労省内で会見を開き、支払側委員2人、診療側委員4人、専門委員1人の計7人を改選する人事を発表した。日本医師会(唐澤祥人会長)の執行部3人を外し、京都府医師会副会長、茨城県医師会理事、山形大学医学部長を新任するほか、専門委員ではコメディカルを代表する委員として新たに日本放射技師会会長を選任する。審議が中断していた中医協は早ければ30日に再開される見通し。(新井裕充)

「社会保障基本法」シンポ2.jpg 救急患者の受け入れ先が決まらないのは、医療機関の怠慢だろうか。勤務医の環境が悪化しているのは、患者の権利意識の向上や医療訴訟の増加などに原因があるのだろうか。十分な医療を提供できないのは、医療機関の責任だろうか、それとも患者の責任だろうか。医師が悪いのか、患者が悪いのか。(新井裕充)

 19日晩に急遽開催された新型インフルエンザワクチン接種に関する緊急ヒヤリングは、大変に白熱して面白かった。しかし終了後の記者たちの顔を見ていると、金曜日の専門家会議について旧来型取材の常識に則って記事を書き、結果的に"誤報"とされて面白くなかったらしい。無理に要約しようとするから間違えるので、当方はあんまり要約しない。(川口恭)

 新型インフルエンザに関する厚生労働省の専門家会議で16日唐突に「13歳以上のワクチン接種は1回でよい」との合意がなされたことに対して、17日世田谷区医師会内科医会が開いた講演会の中で「専門家ならしない非科学的な判断を、専門家を名乗る素人が行なっている。それを御用メディアが垂れ流し、皆で拝んでいる。この国は危険だ」と激しく批判する声が上がった。(川口恭)

 総務省消防庁と厚生労働省は16日、「傷病者の搬送及び受け入れの実施基準等に関する検討会」(座長=山本保博・東京臨海病院院長)を開催し、改正消防法が施行する30日までに都道府県宛に通知する救急患者の受け入れ・搬送ルールのガイドライン案を大筋で取りまとめた。ルール策定に関する議論の場が、国から都道府県に移ろうとしている。(熊田梨恵)

 厚生労働省の足立信也政務官は16日、2010年度診療報酬改定から導入するとしている改定の基本方針や改定率の大枠を決める「検討チーム」について、与党議員を含む「あらゆるステークホルダー」10人未満での構成になるとの見解を示した。検討チームの協議内容について、「どこまで政治主導でやるか、検討チームで決めてもらいたい」と述べた。(熊田梨恵)

 足立信也・厚生労働大臣政務官は13日、国立がんセンター中央病院で開かれたシンポジウムの席上で「(新型インフルエンザワクチン接種に関する)新法の中に、無過失補償と免責と予防接種法改正を検討するとの文言を加える、実施するまで入れられれば良かったが、検討するという項目を設けることが、この短い期間に私にできる全てだった」と述べた。(川口恭)

 救急隊が出払っている場合などに消防隊が現場に向かって応急処置などの救急業務を行う「PA連携」を実施している消防本部のうち、36.7%が消防車にAED(自動体外式除細動器)を積んでいないことが消防庁の調べで分かった。救命活動をする際、手動で人工呼吸を行う時に必要なバッグバルブマスクも26.2%が、携行用の酸素吸入装置は66.9%が積載していなかった。(熊田梨恵)

 厚生労働省の足立信也政務官は8日、「政府は鳩山さん、党は小沢さん(が主導)としたなら、『小沢さん、遅いんじゃないか。党が機能していないんじゃないか』と言いたい」と述べ、民主党内が機能不全に陥っているとの認識を示した。(熊田梨恵)

 厚生労働省足立信也政務官は8日、鳩山政権が目指す「政府・与党の一元化」の現状について、「政府に入った三役に過度な負担になっている」との認識を示した。政策調査会や部門会議が廃止されたため、党の政策に関する質問が三役に集中し、対応し切れなくなっている現状があるとした。(熊田梨恵)

 厚生労働省の足立信也政務官は8日、地域医療再生基金についての私見を示し、地域を限定して補助する方法では医師不足などの解決にはつながらないとして、「診療報酬か税金を投入して全体のベースアップを図ることがなければだめ」と述べた。(熊田梨恵)

 「何よりも都道府県職員と、一般市民が分かっていなければどうにもならない」-。都道府県が来月にも策定準備を始める救急患者の搬送・受け入れルール。ルールが機能するかどうかのカギは、都道府県の一般市民に対する周知や普及啓発であることが浮き彫りになってきたが、ルールの指針を検討している国の会議で具体的な議論のしようがないために抜け落ちているポイントでもある。果たして現場に降りた時にルールは機能できるのだろうか。(熊田梨恵)

murashigenaoko.JPG 舛添要一・前厚生労働大臣の側近として省内改革に取り組んできた村重直子課長補佐(前・大臣政策室政策官)が5日付で内閣府特命担当大臣(行政刷新担当)付に異動した。前大臣の省内改革を熟知している同氏により、行政刷新会議の厚生労働行政検証に新たなノウハウが加わることになる。(川口恭)

 今年はじめ骨髄移植に必要なフィルターの供給が途絶しかねない状況が生じていた問題に絡み、わが国の2月の骨髄移植実績が対前年比78%と他の月に比べて明らかに少なかったことが、アメリカ造血細胞移植学会学会誌(Biology of Blood and Marrow Transplantation)に掲載された論文で明らかになった。代替品を超法規的に迅速承認したために供給途絶こそしなかったものの、「代替品に保険が利くのかなど必要な情報を、厚生労働省などが適切に発信しなかったため、現場では移植を見合わせざるを得なかったと考えられ、患者に不利益が出ていたと推論できる」と論文を投稿した研究者は分析している。(川口恭)

本田宏先生1.jpg 「新政権に期待したいのは、良い意味で医療に人が雇えるように、新しい雇用の創出。これは社会福祉も介護もそうです。全部そうですね。保育所もそうですよ。そういう所で人が働ければ、世の中が変わってくる。今こそ発想の転換をして、こういうところで雇用をつくってくれないかな、こう思っているわけです」─。埼玉県済生会栗橋病院副院長で、NPO法人「医療制度研究会」の副理事長を務める本田宏氏は9月27日、京都府保険医協会(関浩理事長)が主催したシンポジウムで講演した。(新井裕充)

 出産育児一時金に関して、開始直前にバタバタと見直しが行なわれた。なぜ、こんなことになってしまったのか。事の経緯を追っていくと、泥沼にはまっている医療事故調問題と共通する構造が見つかった。厚生労働省と医療界との馴れ合いの関係が時代にそぐわなくなってきていること、それなのに依然として医療界に自律の動きは鈍いことが、改めて浮き彫りになったとも言える。(川口恭)

 総務省消防庁と厚生労働省は2日、「傷病者の搬送及び受け入れの実施基準等に関する検討会」(座長=山本保博・東京臨海病院院長)を開催し、都道府県に策定が義務付けられた救急搬送・受け入れルールについて、作業部会がまとめたルールの指針となるガイドライン案を報告した。搬送実績を毎年調査・分析してルールを見直すことや、搬送先となる医療機関を▽緊急性▽専門性▽特殊性-の三つで分類することなどが盛り込まれている。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員は1日、出産育児一時金の支払い方法変更に関する妊産婦へのメッセージとして、「妊婦さん側からしたら、窓口で払う、払わないだけの問題ではなく、中小の医療機関がやっていけるかどうかの瀬戸際の事です。長期的に見れば日本のお産全体を守る事になります」と述べた。産科医療機関の資金繰り問題の早期解消に努めるとして、「妊婦さんに未来のある改革をしていきたいと思っているので、そこはご安心ください」と語った。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員は1日、出産育児一維持金の支払い方法変更に伴い産科開業医の資金繰り不安が表面化している問題について、医療機関への猶予を実施している間に「(一時金が医療機関に振り込まれるまでの)タイムラグをつくらない仕組みを作っていくことが必要」との認識を示し、振り込まれるまでの期間の短縮や受領委任制度の手続きの簡略化などが必要とした。(熊田梨恵)

 出産育児一時金の支払い方法変更に伴い長妻昭厚生労働相が制度開始を一部医療機関に対して猶予する旨の発表を行うなど急な変更が起こっていることについて、民主党の梅村聡参院議員は1日、「(出産費用を)払ってもらえない事が多いのは大きい医療機関。この制度では小さい医療機関の資金繰りが苦しくなる。本来恩恵を預かるところと被害を受けるところが別だった」と述べ、今回の猶予は新制度と現場の実態の間にあるギャップから発生した、産科開業医の資金繰りの問題を解決するためのものと解説した。(熊田梨恵)

 『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』は、これまで政治家では舛添要一・前厚生労働大臣が一人だけ目立つ場だった。しかし30日に開かれた第16回会合には、長妻昭大臣、山井和則政務官、足立信也政務官の3人が顔をそろえて、それぞれ自分の言葉で所信を述べた。また、かつて薬害肝炎原告団の代表として委員を務めた福田衣里子代議士も傍聴に現れ、政権交代をまざまざと印象づけた。(川口恭)

 厚生労働省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』第16回会合が30日開かれた。医薬行政を監視する第三者機関設置のため、検討会内に少人数のワーキンググループを作ることが決まり、長く第三者機関の必要性を主張し続けてきた水口真寿美委員(弁護士)が「私は名乗りを上げたい」と述べた。(川口恭)

 社民党の阿部知子衆院議員は、医療・健康に関する政策は人材配置や資源配分などについてすべて一緒に考えていく必要があるとして、「そのビジョンを語る首長さんを選べるような有権者を育ててほしい」と要望。その前提として、自治体は医療提供の仕組みを地域住民に分かってもらうよう工夫すべきとした。(熊田梨恵)

 社民党の阿部知子衆院議員は、自治体同士が広域連合を組むことで、医療によって地域を振興することができると主張し、「首長や県職員、厚労省の中央職員もその県を興してみる。その県の医療をどうするかを真剣に考えてみるチャンス。そういう首長さんが出てこないかとすごく期待している」と述べた。(熊田梨恵)

 厚生労働省の新型インフルエンザ対策の担当者は29日、ワクチン生産量を従来の約1800万人分から2700万人分に上方修正した理由について、元々3000万人分までは予定していたとした上で、「1mlバイアルと10mlバイアルのワクチンを半々ずつ作る」ことなどで対応していくと話した。(熊田梨恵)

 厚生労働省の足立信也政務官は29日、新型インフルエンザワクチンの生産量が従来の約1800万人分から2700万人分に上方修正されたことについて、「1mlバイアルを10mlバイアルに変更することで無駄をなくせる」と事務方が考えているとの見方を示した。(熊田梨恵)

 自民党の世耕弘成参院議員(参院議院運営委員会筆頭理事)は25日、今後の自民党の医療政策について、「経済成長と社会保障、医療の充実をどうリンクさせていくか。経済が豊かになれば医療もよくなっていくというところを国民にどうイメージしてもらうかというところがポイントかと思っている」と話した。(熊田梨恵)

 自民党の世耕弘成参院議員(参院議院運営委員会筆頭理事)は25日、長妻昭厚生労働相が後期高齢者医療制度を廃止すると明言していることについて、「現場が大変混乱する。特に収入の低い人への負担が増える」とコメントし、国民の声を聞いた上で国会で追及していくとした。(熊田梨恵)

 厚生労働省の阿曽沼慎司医政局長は18日、国立がんセンター中央病院を視察した。同病院の土屋了介院長は「こんな事はいまだかつてなかった。これが医系技官なら『(病院のことは)知っている』と言って帰ってしまうところ。視察中にも阿曽沼局長の誠実な人柄が表れていた。医系を外して文官を置いた人事は、舛添前大臣の大変な功績だったと思う」と話している。(熊田梨恵)

日医委員0918.jpg 「長妻さんは年金がご専門だから」─。民主党が掲げる中医協改革に、業界紙の記者などから疑念の声が上がっている。鳩山政権が発足して初めての開催となった9月18日の中央社会保険医療協議会(中医協)は、まるで何事もなかったように議事が進んだ。「肩すかしを食らった」とこぼす記者もいる。中医協改革はいつ実施されるのだろうか。(新井裕充)

 厚生労働省の政務官に就任した足立信也参院議員は18日、「マニフェスト一つ一つの実現だけにとどまらず、将来的なスキームも描けるようなことをやっておく必要があると思う。そのことも同時に進める必要があると思うので、これは国家戦略局と行政刷新会議と将来像を見据えながら、というつもりでいる」と、抱負を述べた。(熊田梨恵)

 社民党の阿部知子衆院議員は、医療提供の主体を行政と位置付けた上で、「市町村は保険を中心に広域連合を作ったらいい」と述べた。医療提供体制や支払体制、医療や健康に関する政策が結びついて地域医療が展開されるべきとした。(熊田梨恵)

 社民党の阿部知子衆院議員は、"地域医療崩壊"が言われる公立病院問題について、「自治体病院の崩壊が言われるが、自治体の行政が一番分かっていない」と述べた。地域に病院があることで雇用創出や産業活性化などにもつながるとして、住民への情報公開の在り方など、自治体の意識変革を求めた。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員は17日、今回の政権交代は医療界自身が活動してきたことの表れとした上で、「政治は皆さんが咲かせた花に水をあげる役割。民主党は政権交代したばかりで、見ていてじれったいところもあるかもしれないけど、温かく見守って頂きたいと思います」と語った。(熊田梨恵)

 長妻昭厚生労働相は17日、有識者らを集めて新型インフルエンザ対策に関する会合を開いた。メンバーの一人として参加した足立信也参院議員は会合終了後、「輸入ワクチンを含めて、必要量を人数分確保していくことが決まった」と話した。(熊田梨恵)

 民主党の山井和則衆院議員は17日、今後の予算執行が不透明となっている地域医療再生基金について「いつからどうやってやるかは決まっていない。(基金は)医療関係者からの期待も高いところ」と述べ、見通しは立っていないとの見解を示した。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員は16日、今の医療問題は理解している人とそうでない人がはっきり分かれていると指摘し、医療界に足りないのは無関心層に訴える情報発信力と主張。「ここからもう一歩破ることを長妻さんに期待したい」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員は16日、「ミスター年金」の長妻昭氏が厚生労働相に起用されたことについて、「長妻さんは情報発信力がすごい。医療現場の声を長妻さんに届けて、無党派層にわーっと広げてもらう。医療の問題を世に知らしめるのには、長妻さんに力がある。戦略の仕方だと思う」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員は16日、民主党政権の新内閣発足に伴い、今後の厚生労働政策で取り組む内容が広範囲になるとして、「相当にたくさんの人数で、チームとして取り組まないといけない。自分も何ができるかを考えてスクラムを組んでやっていきたい」と抱負を述べた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛参院議員は16日、今後の民主党の政策決定について、「官僚からの情報でなく国民の声を反映したものでないといけない。これは国家戦略局や行政刷新会議の腕の見せ所」と述べ、新設される二機関による情報収集の仕組み作りが鍵になるとした。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛参院議員は16日、「診療報酬の決め方は一つの行政プロセスで、今のプロセスでよいか見直す必要があるところ」と述べ、仙谷由人衆院議員が担当相に起用された行政刷新会議で"中医協改革"が扱われるとの見解を示した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は15日、今後医学部定員を増員していくに当たって、「医師が医療ガバナンスや医療マネジメント、コミュニティの医療政策の形成過程にも参加できるよう、医療経済の基礎や基本、医療倫理は知っておく必要がある」と述べ、そうした人材を育成するための講座設置など、医学部の環境整備が今後必要になるとの私見を示した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は15日、今後の診療報酬改定について「エビデンスに基づいたプライスセッティングをするための調査をする体制を作る必要がある」と述べ、医療経済実態調査など既存の調査の在り方を変えていく必要があるとの見方を示した。(熊田梨恵)

 民主党の足立信也政調副会長は14日、政府が今年度の補正予算で設けた「最先端研究開発支援プログラム」の助成先には基礎研究分野が多かったと指摘し、「(予算を)集中的に注ぎ込むのはいいけど、それでは新しいものの開発が主体になり、臨床研究が弱くなる。本予算で付ける形でやっていかないといけない」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は14日、民主党が事務次官会見を廃止する方針を示していることについて、「戦後の歴史において官僚会見がなくなるということは大きなこと」との見解を示した。政権交代による政策決定プロセスの変化に伴い、記者が政治家や官僚、業界内のパワーゲームに注目する事が意味をなさなくなるとして、「今までの記者クラブの性格が変容する可能性は大いにある」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の仙谷由人衆院議員(元政調会長)は、厚生労働省が診療報酬改定などのために実施している調査について「初めの結論ありきみたいなところで、リアリティがあまりない気がする」と述べ、保険局や医政局などの医系技官の目を通さず、Eメールや電話などの手段で医療現場の情報を収集する方法を提案した。(熊田梨恵)
 

 民主党の仙谷由人衆院議員(元政調会長)は、厚労省が進める高度急性期病床の絞り込みや在院日数削減の方向性について、「『次の人はどこに行くんですか』という話がないと、急性期だけ『絞る絞る』と言ってもどうするんだということ」などと述べ、まず後方病床を整備すべきとした。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は14日、2012年度診療報酬改定ついて、「改定の内容は来年(参院選)のマニフェストづくりでより具体化される」と述べ、来年1月にも着手するマニフェスト作成に向けて医療現場から情報を提供してほしいと要望した。(熊田梨恵)
 

 民主党の足立信也参院議員(医療再建議員懇談会事務局長)は10日、国と各都道府県に設置を検討している「地域医療推進機構(仮称)」について、将来的には都道府県の機構が地域の公立病院の運営も担っていくと解説した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は11日、地域医療再生基金には「箱物」の計画が多いと指摘し、「3000億円を箱物に使うよりは医療提供体制、とりわけ人材強化や立て直しに使うべきだと思うので、交付要綱のコンセプトは変えた方がいい」と述べた。(熊田梨恵)

  民主党の鈴木寛政調副会長は11日、新型インフルエンザワクチンの輸入に見通しが立ったことについて「国産であれ輸入であれできるだけ多く早く、ワクチンが確保されることは望ましいこと」と評価した上で、厚労省の対応は遅かったとの見方を示した。(熊田梨恵)

 社民党の阿部知子衆院議員(党政策審議会会長)は10日、今後の医療政策を充実させていくため、「この政権交代をバネに、最も必要なのは国民運動の展開。医療者は恐れずに何が高くて何が安いのか、国民に分かってもらわないといけない」と、医療に関する情報公開が必要と主張した。(熊田梨恵)

 社会保険庁の解体に伴い先行きが不透明になっている厚生年金病院と社会保険病院を存続させるため、民主党の足立信也参院議員(医療再建議員懇談会事務局長)は10日、現在の病院運営を担う全国社会保険協会連合会(全社連)や厚生年金事業振興団(厚生団)に代わる「地域医療推進機構(仮称)」を設置する法案を超党派の議員立法で提出する方針を固めた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は9日、新型インフルエンザワクチンの輸入に否定的な情報や見解が厚生労働省や傘下組織の職員から相次いで出されていることに対して「国産向けに確保した予算を横取りされると心配しているのだろう。民主党は輸入費用に予備費をあてるので横取りにはならない。タメにする情報は出さないでほしい」と述べた。(川口恭)

民主党の鈴木寛政調副会長は9日、この日の『インフルエンザワクチン接種に関する意見交換会』で、田代真人委員から「10mlバイアルを使って1回接種にすればワクチン輸入は要らない可能性がある」との意見が出たことについて、「科学的に妥当か検討する必要があるし、たとえそれが正しくても、だからワクチン輸入をやめるという話にはならない」と述べた。(川口恭)

 民主党の足立信也政調副会長は8日、海外企業が新型インフルエンザワクチン輸入に関し、不利益が起こった場合に日本側が補償するよう求めていることについて、厚労省は補償額に上限を定めて対応しようとしているとして、「補償額が低い」事を理由に民事訴訟を起こされる流れができると懸念を示した。(熊田梨恵)

 自民党の世耕弘成参院議員(参院議院運営委員会筆頭理事)は9日、今後の民主党の医療政策に関して「(超党派の医療再生議連幹事長だった)すずかんさん(鈴木寛参院議員)たちが、どういう役職に就くか。自民党の中で我々の意見が厚労族にブロックされたように、民主党の中でも彼らの意見が通るとは限らない。まずはお手並みを拝見したい」と述べた。(川口恭)

出産育児一時金の支払い方法が10月から変更されることに伴って産科開業医に資金繰り不安が表面化している問題で、民主党の鈴木寛政調副会長(参院議員)は9日、「淡々と金額を増やせばよいだけで、支払い方法を変更する必要はない。ただ一度スキーム変更されてしまうと、それを元に戻すのにまた混乱するので、できれば舛添さんは新スキームを止めてほしい」と述べた。(川口恭)

 自民党の世耕弘成参院議員(参院議院運営委員会筆頭理事)は9日、厚生労働省の新型インフルエンザ対応に関して「厚労族が軒並み地獄の選挙で、自民党の部会が機能停止していたので、自民党はコントロールしていないと思うし、相談を受けられる状態でもなかった。それでも政府側にいた身として、ここまでの責任は認めざるを得ない。今後は野党として民主党のお手並みを拝見したい」と述べた。(川口恭)

 民主党の鈴木寛政調副会長は8日、「無謬(むびゅう)性が(医療政策を)だめにしてきた」と指摘した上で、「医療者は地域で大切だと思うことをきちんと声を上げてほしい。対案を示せば、それを拒めるエネルギーは役人には残っていない」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は8日、厚労省が新型インフルエンザワクチンの接種を医師会と委託契約を結んだ医療機関にする方針を示していることについて、医療者側からワクチンを接種するのにふさわしい場所を提案し、市町村や県に対して要望してほしいと求めた。(熊田梨恵)

 厚生労働省の新型インフルエンザに関する意見交換会が9日行われ、傍聴に来ていた民主党の蓮舫政調副会長は「総選挙をやっている間に何の情報も示されないまま、ワクチンの輸入ありきで進められてしまった。10mlバイアルで製造して1回接種ならば国産で6000万人分になるなんて話は聴いてない。政調会長に報告する」と述べた。(川口恭)

 民主党の鈴木寛政調副会長は8日、現在の新型インフルエンザ対策について「構造でうまくいっていないのは輸入ワクチン」との見方を示した。ただ、16日までは政権与党ではないため、「判断するのに必要な情報をまだ十分に聞くことができていない」とした。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長)は8日、「話を聞いてこの議員の話はよかったと思ったら、それだけでいいので地元議員に伝えてほしい。するとその人の所にその議員が話を聞きに来るようになる。『いいな』と思った意見を民主党の意見にするのは有権者。それが自民党と民主党との違いなんでしょうね」と話した。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長)は8日、新型インフルエンザ対策で海外ワクチンの輸入契約が未締結であることなどを指摘した上で、「(厚労省が)腹を割って話して頂いたら、我々は協力するし知恵も一緒に出したらいい。決まってないならないなりに、政治が決断しないといけないことをちゃんと話してもらえたら、僕らは十分協力する考えはある」と述べた。(熊田梨恵)
 

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長)は8日、厚労省が示している新型インフルエンザワクチン接種の優先順位案の中に「インフルエンザの診療に従事する医療従事者約100万人」と示されていることについて、厚労省が「内訳は決まっていない。そこはまだこれから詰めます」と答えたとして、「接種開始は10月というのに、今の時期に決まっていなかったらどうするのかと。決まっていないということが、結局何も考えていないということですよ」と苦言を呈した。(熊田梨恵)
 

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長)は8日、国内生産で足りない分のワクチンについて海外企業との輸入契約が未締結であることについて、「4月から8月までワクチンの契約に関してやってなかったとしたら、自民党にその"球"を投げていたかどうかですよ。その状況証拠によって、彼らの本音が見えてくると思います」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長)は8日、昨日受けた新型インフルエンザ対策に関するヒアリングについて、「感じた事は、これぐらいやっておけば責任は果たせるかな、という内容。『頼むからこれでやらせてほしい』と提案するような内容だと思っていたのに、あまり必死さとか熱意とかを感じなかった」と述べた。(熊田梨恵)
 

 民主党の足立信也政調副会長は8日、厚生労働省大臣政策室の村重直子政策官が9月2日付け「サンデー毎日」(毎日新聞社)で厚生労働省の新型インフルエンザ対策を「失策」とコメントする記事が掲載されたことについて、「この時期、(厚労省の)局長クラスは記者会見でいくらでも言えるので、既成事実を作れてしまう。それをストップさせるために言っているのだと思う」との見解を示した。(熊田梨恵)
 

 政府が4日に開いた総合学術会議で発表した「最先端研究開発支援プログラム」の選定結果について、助成を得られなかった申請者の一人の米ベイラー研究所フォートワースキャンパスディレクターの松本慎一氏は、「日本も大型の研究費が配布されるようになったと期待していた分、選考の仕方があまりにも未熟なので寂しく思っていた。今回選ばれた医学系の研究はすべて基礎医学で、臨床につながらない分野のため、国民への還元につながっていかないと思う」と失望感をにじませた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は7日、医療界に対し、「永田町には日医からの声が医療現場の実態として伝えられ、その結果、医療政策が現場と乖離してきた。これは医療現場が『日医から厚労省』というルートを追認してきたことと思う。なぜ逆行する政策が長期間是正されなかったのか、この際考えていただく機会にしてほしい」と求めた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は7日、医療界から議員への情報提供の方法について、「整理だけしてもらえればまとまっていなくていい。完全にコンセンサスを得たものか、概ね得たものか、意見が分かれているなら、『こういう意見をこの人たちが言っている』といような事を淡々と知りたい」と述べた。提供された情報については、「医療分野への社会資源の配分は自公政権より増やすつもり」とした上で、政治判断を加えて選択肢を選ぶか「第三の案」を作るとした。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は7日、「今回の政権交代は、政策の『方針』が変わるのではなく、『政策形成のプロセス』が変わるということ。今までは官僚が"作戦"について口出ししながら、補強費は出さなかった。民主党は補強費は出すが、誰が先発投手になるかというような"作戦"については口出ししないということ」と述べ、これまでの官僚主導型の政策決定過程が変わる事が民主党政権になる本来の意味とした。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は7日、現在民主党が行っているインフルエンザ対策について「直嶋政調会長ともに役所から進捗状況を聞いた。16日までは舛添(要一厚生労働)大臣に最大限頑張って頂くということになっている」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長、内科医)は7日、今年度に見直された医師の臨床研修制度について「産科や小児科もいいが、2次救急での"野武士的"、"野戦的"な研修ができる病院はよりよい研修病院になっていく」との見方を示した。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長、内科医)は7日、今年度に見直された医師の臨床研修制度について「臨床研修病院の実力が問われ、本当の意味での勝ち組、負け組が出る」との見解を示した。(熊田梨恵)

 民主党の足立信也政調副会長は7日、民主党の今後のインフルエンザ対策に関して組閣後までは党として公に動きようがないとした上で、「政調副会長として、内部で方針はまとめるつもりはある」との見解を示した。(熊田梨恵)

 民主党の足立信也政調副会長は7日、厚労省が新型インフルエンザワクチンの接種を患者の希望による「任意接種」としていることについて、「以前に集団接種によって、薬害として国の責任を問われたというトラウマがある。だから『個人の判断で』としている」との見方を示した。(熊田梨恵)

 民主党の足立信也政調副会長は7日、厚労省が新型インフルエンザワクチンの接種を医療機関で行う方針であることについて、「接種の優先順位を医療機関が判断して打たない、というのはできないと思う」との見解を示した。(熊田梨恵)

 民主党は7日、新型インフルエンザに関して厚生労働省と文部科学省、内閣府からヒアリングした。医療従事者や基礎疾患のある人など1900万人がワクチンの優先接種対象者とされる方針案のほか、ワクチン輸入のために必要になる海外企業への国の損失補償に関する立法措置の必要性、医師会に委託契約して医療機関でワクチン接種が行われる方針などが検討事項として説明された。(熊田梨恵)

 民主党の仙谷由人衆院議員(医療再建議員懇談会会長)は、厚生労働省の審議会や検討会の在り方を変える必要があるとして、「決め方についても追々だが、くだらない御用学者集めてやるのをやめろと」と述べ、民間の委員をさらに登用して活用すべきとした。(熊田梨恵)

 民主党の仙谷由人衆院議員(医療再建議員懇談会会長)は中央社会保険医療協議会(中医協)について、「公益委員というのは一体全体、医療や医療経営というのを分かっているのか」と述べ、抜本的に見直す必要があるとした。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長、内科医)は4日、医師不足や医師の労働環境改善のため、「定数の2倍ぐらいの医師がいる医療機関が各都道府県に1か所ぐらいあるといいと思う」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長、内科医)は4日、医師の労働環境について「交替勤務制と複数主治医制がよいと思う」と述べ、一般的に行われている主治医性は中長期的になくしていく方向がよいとの認識を示した。(熊田梨恵)

 民主党の梅村聡参院議員(厚生労働委員会「介護・医療改革作業チーム」事務局長、内科医)は4日、今後の民主党の医療政策について「医療崩壊を食い止めることも大事だが、次の医療者を育てる医療界を目指し、その仕組みを作りたい」と述べ、医療界の教育や研究分野の充実を進めていくとの意気込みを示した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は4日、一部の有識者から「民主党のマニフェストは病院寄り」との声が上がっていることについて、「今の地域病院の置かれている状態はまさに"瀕死の重傷"という認識なので、そこにまず"救命"をするということ。これは政策の"社会的トリアージ"」と述べ、優先順位の問題との認識を示した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は3日、「病院と協力して頑張ってやっている開業医から聞こえる声と、民主党の診療報酬引き上げ策に反対している日医と、どちらを信じていいのか判断がつかない」と述べ、開業医の"実態"を知りたいと要望した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は3日、日本医師会(唐澤祥人会長)が政権与党になる民主党に対し、政策提言するなど協議の場を持っていくとの姿勢を示したことに対し、「医療費2200億円を引き下げると言っていて、医療費を削減し続けてきた自由民主党の"党員"の方々と(次期参院選の)マニフェストを作るのは政党人としてあり得ない」との見解を示した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛政調副会長は3日、日本医師会の政治団体「日本医師連盟」が政治献金の配分を見直すと報道されていることについて、「民主党は『企業献金を廃止する』とマニフェストでうたわせて頂いているので、それを読んで頂きたい」と述べた。(熊田梨恵)

 自民党の世耕弘成参院議員(参院議院運営委員会筆頭理事)は今後の活動について、政治家や医療者、一般国民代表、学術関係者などから成る「社会保障制度改革国民会議(仮称)」を設置し、医療政策などを整備していくとの意気込みを示した。「民主党も乗れる話」と、考え方は違わないとして共に協議していきたいとした。(熊田梨恵)

 自民党の世耕弘成参院議員(参院議院運営委員会筆頭理事)は今回の衆院選に伴い自民党が野党になることで、従来の厚労省との関係がなくなるとして、「自民党の政策立案のやり方を変えなければいけなくなった。この"二人羽織り"の世界はなくなった」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の仙谷由人衆院議員(医療再建議員懇談会会長)は3日、「唐澤(祥人日本医師会会長)さんの自己批判というか反省がないと、我々もまともな話ができない」と、医療よりも利権拡大に寄ってきた従来の医師会の体質を改めるべきと求めた。(熊田梨恵)

 民主党の仙谷由人衆院議員(医療再建議員懇談会会長、がん治療の前進をめざす議員懇談会会長)は2日、社会保障国民会議が昨年11月にまとめた報告書について、今後の民主党の医療政策には影響しないとの見解を示した。(熊田梨恵)

 民主党の足立信也政調副会長(参院議員)は2日、今後の医療政策を決定するにあたって「国民の合意による負担と給付の関係を築くために、一部の人が決めるのでなく国民全体で議論する仕組みをいかに構築するかが重要だ。そのためにも、まずは徹底した情報公開を行いたい」と述べた。(川口恭)

 民主党の鈴木寛参院議員(医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長)は1日、2025年に向けてベッド数や医療・介護費用などのシミュレーションをまとめていた社会保障国民会議の報告書について、「一旦なくす」と述べた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛参院議員(医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長)は1日、今後民主党が進める医療政策に影響を与える国会議員として、直嶋正行政調会長、足立信也政調副会長、鈴木議員、藤村修ネクスト厚生労働大臣、仙谷由人医療再建議員懇談会会長、古川元久同懇談会幹事長の名前を挙げた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛参院議員(医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長)は1日、政権交代などに絡み対策の遅れが懸念されている新型インフルエンザ対策について、民主党の対策プロジェクトチームが活動を続けているとして「大丈夫」との見方を示した。(熊田梨恵)
 

 

 民主党の鈴木寛参院議員(医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長)は31日、首相の下に新設する「国家戦略局」がマニフェストの内容を体制整備していく際の方向性について、「トッププライオリティは医療であるのは間違いない」との見方を示した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛参院議員(医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長)は31日、都道府県医師会の推薦を受けた新人議員が"族議員化"していくことに懸念を示し、「臨床医は『命に直結する一番大事な医療現場からお願いします』と言って、新人議員に現場について勉強してもらうよう、メールを送りまくってほしい」と求めた。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛参院議員(医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長)は31日、厚生労働省の2010年度予算概算要求について、マニフェストと食い違いがある部分については必要に応じて修正を図っていくとの見解を示した。(熊田梨恵)

 民主党の鈴木寛参院議員(医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟幹事長)は8月31日、新型インフルエンザ対策では内閣府や厚生労働省、文部科学省などの関係省庁が連携して対応していく必要があるとして、「ある意味、閣僚委員会が立ち上がるかもしれない」との見解を述べた。(熊田梨恵)

 新型インフルエンザのワクチン接種に関して、厚生労働省はその方針案へのパブコメを実施する方針を固めた。専門家からは、国民の納得を得られるプロセスが必要だとの指摘が相次いでおり、その手順を踏んだものといえる。ただし、過去のパブコメでは、実施しただけで全く案に反映されないという事例も多かったことから、単なるアリバイづくりに終わらないか注視が必要だ。(川口恭)

 20日のインフルエンザワクチンに関する意見交換会で厚生労働省の福島靖正・結核感染症課長が「肺炎球菌ワクチンの副作用が非常に強い」と発言したと一部メディアで報じられたことに対して、山形県保険医協会が26日付で舛添要一厚生労働大臣宛に「発言の真意を質す」との要望書を送付した。(川口恭)

influadviseryvactine.JPG 26日夕刻、厚生労働省で『新型インフルエンザワクチンに関する厚生労働大臣と有識者との意見交換会』が開かれた。特に何かが決まったということではないが、後で記すように舛添要一厚生労働大臣が趣旨として説明した「議論の内容を皆に伝える」ことに私も意義があると思うので、簡単に再現する。(川口恭)

 厚生労働省の2010年度予算の概算要求は、一般会計総額で09年度当初予算から1兆2565億円増えて26兆4133億円になることが分かった。新型インフルエンザ対策として、100万人分のプレパンデミックワクチンの製剤化や、ワクチン買い上げなどに207億円を計上。新規事業として、研修終了後に産科や救急を選択する医師に最大月額5万円の手当てを支給することや、「小児救命救急センター(仮称)」を8か所設置することなども上がっている。(熊田梨恵)

 総務省消防庁と厚生労働省は8月25日、「傷病者の搬送及び受け入れの実施基準等に関する検討会作業部会」(部会長=有賀徹・昭和大病院副院長)を開き、都道府県が策定する救急患者の搬送・受け入れルールについて、医療機関をリストアップする際の分類案を示した。脳卒中はt-PA(血栓溶解薬のアルテプラーゼ)を実施できるか、虚血性心疾患は心臓カテーテルを行えるかなど、患者の重症度や緊急度に応じて治療が可能な施設をリスト化することなどが提案された。(熊田梨恵)

 救急搬送件数が年々増加する中、国が描く新しい119番通報システムの大枠が少しずつ見え始めた。総務省消防庁は119番通報時のトリアージ(重症度・緊急度による患者の選別)実施後の救急隊の運用や病院選定などに関して、実際に消防本部で実施して検証する方針を決めた。国が検討を進めているトリアージの運用ルールが具体化しつつある。(熊田梨恵)

 総務省消防庁は8月6日、今年度に行う救急搬送の実態調査で、救急の搬送と受け入れのマッチングを一部地域で実施する方針を決めた。救急隊が疑った疾患と実際の診断名、選んだ搬送先が適切だったかなどを検証し、救急搬送と受け入れ業務の質の向上を図ることが目的。今後、各都道府県が実施する救急搬送の検証作業のモデルとなりそうだ。(熊田梨恵)

 「『特定』を除外された患者さんの病態を見てみますと、医療療養と非常によくに通っている。しかし出来高なので、検査とかレントゲン、CTはたくさんとっている」-。厚労省が中医協の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直己・慶大教授)に示した一般病床の実態調査の内容について、武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は、同じ状態の慢性期患者であっても病床の種別で診療報酬が異なることについて「不公平ではないか」と述べた。(熊田梨恵)

 厚労省が中医協の「診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直己・慶応義塾大医学部教授)に示した、医療療養病床の患者分類ごとの収支差によると、医療区分3ではADL区分の1と3の間に、一日当たり約5000円の差があった。診療報酬自体はADL区分によって変わらないことから、池上分科会長は「費用の面では差があるが、報酬としては同じになっているのは大きな課題」との見方を示した。(熊田梨恵)

 厚生労働省の社会医療診療行為別調査(07年6月審査分)によると、90日以上入院している75歳以上の後期高齢者の患者約37000人のレセプトのうち、約3万6000件が「後期高齢者特定入院基本料」の算定から除外されており、一般病棟入院基本料を算定していた。(熊田梨恵)

7月29日の中医協02.jpg 「中医協の位置付けの話だが、以前、確か遠藤会長は改定率についても内閣に対して発信することも考えたいというような......」「いやいやいや、そんなことは申し上げていない」─。中医協の位置付けが見えないまま、足踏み状態の議論が続いている。(新井裕充)

保険局・神田裕二総務課長0729.jpg 近年、「医療崩壊」と言われる。医療者にとって「医療崩壊」とは、過重労働や訴訟リスクなどで必要な医療を提供できる環境が破壊されていることを意味するだろう。一方、患者側から見れば、必要とする医療をいつでもどこでも受けられなくなったことを意味するだろう。(新井裕充)

 今年4月に改正した消防法で都道府県に救急搬送と受け入れのルール作りが義務付けられたことを受け、総務省消防庁と厚生労働省は7月30日、都道府県がルール策定時に参考にするためのガイドラインづくりの作業に入った。ルールの中で作る搬送先医療機関の一覧について、患者の重症度などによる緊急性や、妊産婦や小児といった特殊性などの項目に分けてリストアップすることが提案された。(熊田梨恵)

 厚労省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』に対しドラッグラグやワクチンラグに悩む6つの患者団体が連名で緊急要望書を出している問題は、29日に開かれた同検討会で、座長が秋以降にラグ問題についても議論したい意向を示した一方、一部委員は否定的意見を述べた。(川口恭)

 厚生労働省が今年3月に一般病棟の5484床に実施した実態調査によると、91日以上入院している患者が約2割を占めていたことが分かった。15:1入院基本料を算定する3623床のうち8.1%が、13:1入院基本料を算定する1861床のうち4.8%が、それぞれ1年以上の入院だった。(熊田梨恵)

 明日、第15回の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』が開かれる。検討会を傍聴するには大抵、厚労省サイトの案内に従って事前に申し込みが必要だ。しかし今回、待てど暮らせど申し込み方法の告知が出ない。心配になって問い合わせてみたら、いつの間にか、告知方法が変わっていた。(川口恭)

佐々木健補佐(中央)0724.jpg DPC(入院費の定額払い方式)を導入している病院に提出が義務付けられているEファイル(診療明細情報)とFファイル(行為明細情報)に重複した項目があることから、厚生労働省はこれらを統合した「一体化ファイル」の提出に切り替える方針を中医協の分科会に提案し、了承された。しかし、これを「医療機関にとって良い話」と受け取るのはやや早計かもしれない。(新井裕充)

 医薬品の用法の厳格化を求めるなどの第一次提言を出した厚労省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』に対して、先般、ドラッグラグやワクチンラグに悩む6つの患者団体が連名で要望書を出した。その真意はどんなことなのか、要望書の取りまとめをした「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」事務局長の高畑紀一氏に聴いた。(川口恭)

 総務省消防庁は7月22日、急激なアレルギー反応によって生命が危険な状態になる「アナフィラキシーショック」を起こした患者に救急救命士が行う携帯用エピネフリン製剤の投与について、具体的な運用に関する報告書案を有識者会議に提出した。各地域で策定する運用ルールの例を示した上で、呼吸困難やじんましんなどアナフィラキシーが疑われる症状が起こっている段階から対応するよう求めている。(熊田梨恵)

松谷高顕専門委員(右)0715.jpg 「仮に足を踏み出すのであれば、恐る恐る石橋を叩きながら」─。中医協の支払側委員が薬価維持特例の「試行的実施」に賛同した。クリアすべき課題は残っているが、厚生労働省が「試行的実施」を打ち出したことで「カウントダウンは既に始まった」との見方もできる。(新井裕充)

 2010年度診療報酬改定に向けて厚生労働省が実施した慢性期入院医療に関する実態調査。しかしその内容は、本来なら同時期のデータとなるべき部分は揃っておらず、必要な調査項目は予算不足で実施できなかったという。このようなことで医療機関にとって正しい評価につながる診療報酬改定のための議論ができるのだろうか。(熊田梨恵)

 「診療報酬はマイナス改定だったが、マイナスの度合いが少なくなっている。リハビリに取り組むなどしてマイナスを改善したのではないか」。2010年度診療報酬改定に向けて慢性期入院医療の包括評価について議論する分科会で示された2008年度の実態調査について、厚生労働省の佐々木健保険局医療課長補佐は、06年度に実施した前回調査に比べて赤字額が減少しているとの認識を示した。(熊田梨恵)

開出英之救急企画室長.jpg 
インタビュー 開出英之氏(総務省消防庁救急企画室長)
 
 「救急搬送に今までなかったPDCAサイクルを機能させてほしい」-。都道府県に救急患者の搬送・受け入れルールの策定を義務付けた改正消防法が、今年4月に成立した。救急搬送の受け入れ照会数や現場滞在時間のデータを出せるようになるため、事後検証して医療提供体制の改善につなげられる。今後の救急医療現場や地域医療体制への影響について、この法改正の裏方を担った総務省消防庁の開出英之救急企画室長に聞いた。(熊田梨恵)
 

 10日の「第11次へき地保健医療対策検討会」では、事務局が座長に梶井英治・自治医大教授(地域医療学センター長)を指名した後、先進的な取り組み事例として高知、三重、長崎、島根がそれぞれの取り組みを紹介。第10次計画がスタートした後の班研究結果について説明が行われた後、最後の20分ほど自由討論が行われた。そのやりとりをご紹介する。(川口恭)

コスト調査分科会2009.jpg 医療機関の運営コストをいかに診療報酬に反映させるか─。この課題に取り組んできた池上直己・慶應義塾大教授のグループが開発した計算方法によると、最も黒字だったのは「眼科群」で、「外科群」と「産婦人科群」は辛うじて黒字を維持、「内科群」は収支差額がゼロだった。「2010年度の診療報酬改定に反映させるか」について、厚生労働省は「中医協で決めていただく」との回答にとどめている。(新井裕充)

 10日に第一回会合が開かれた「第11次へき地保健医療対策検討会」で、メディアでありながら委員に入った前野一雄・読売新聞編集委員が「昨年11月(ママ。10月?)に読売新聞で出した医療改革提言についても意見を言わせてもらえれば」と挨拶した。若手医師の計画配置をうたって物議を醸した提言だけに、今後の検討会で、一企業の私案から「公的」なものへと格上げされないか、注視が必要だ。(川口恭)

 「レセプトになってくると重症化する。単純に考えるのであれば多少問題点も出てくるような気もする」-。中医協の慢性期包括医療について議論する分科会に示された調査結果に対し、委員が疑問を呈した。患者の病態などに関する調査では医療区分3は19.8%であるのに対し、レセプト調査になると25.0%と、約5ポイント上昇していた。(熊田梨恵)

 『抜本的医療改革断行の提言書』を各党の政策担当者たちに手渡してきた梶原拓・健康医療市民会議代表(元岐阜県知事)が9日、今度は野田聖子・消費者行政推進担当大臣の元を訪れ、「医療改革国民会議が自公民のマニフェストに書き込まれると決まったので、選挙後には成立する。ついては消費者庁で主管してほしい」と依頼した。初代消費者庁長官となることが内定している内田俊一・前内閣府事務次官と共に対応した野田大臣は「消費者庁は小さな役所なので、分かった分かったと言って失望させてもいけない」と即答を避けた。(川口恭)

 2010年度診療報酬改定に向けて療養病棟などの包括評価について議論する中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)で7月8日、武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は在宅復帰率や医療区分改善率など、慢性期包括医療に対する「医療の質の評価」の導入を提案した。武久委員が議事録に残る形で成果主義を要望したのは初めてだ。(熊田梨恵)

7月6日DPC評価分科会.JPG 抗がん剤など高額な薬剤を使用した場合、DPC(包括払い)では不採算になってしまう問題について、厚生労働省は出来高算定にせずに診断群分類のツリーを増やすことで対応する案を中医協の分科会に提案し、了承された。厚労省は、入院初期の点数設定の方法を変えれば赤字部分が解消されるとみているようだ。(新井裕充)

相川直樹委員(左)0706.jpg 全国どこの病院でも同じような水準の医療を受けられることは患者の立場からは望ましい。しかし、関係学会などが示す指針(ガイドライン)の厳密な順守を求めることに対しては、「医師の裁量権を奪う」など否定的な意見もある。厚生労働省はむしろ、「診療ガイドライン」よりも「クリティカルパスの公開」に関心があるようだ。(新井裕充)

 総務省消防庁と厚生労働省が合同で開いた救急医療に関する有識者会議で、興味深い地図が示された。昨年度に救命救急センターなどに運ばれた搬送のうち、関東と近畿について、都道府県を越えて搬送されたケースを件数とともに地図上に示したものだ。茨城から東京に、栃木から東京に運ばれたケースもあるなど、広範な搬送が行われている様子がうかがえる。(熊田梨恵)

6月24日の中医協検証部会07.jpg 先発品と有効成分が同じで価格が安い後発品(ジェネリック医薬品)の使用がなかなか進まない。厚生労働省は後発品の使用状況について追加の調査を実施する予定だが、「薬局に在庫がないから」という理由に落ち着くかもしれない。とすると、"犯人"は誰になるのだろうか─。(新井裕充)

西岡清分科会長(左2)0629.jpg 「1か所を改修することは全体を改修することと同じ」─。DPC(入院費の定額払い方式)を導入している病院が診療報酬を請求する際に提出するデータが来年4月から変更される。これに伴い、レセプト(診療報酬明細書)の電算処理システムなどを改修する必要があるため、「システム改修は少ない方がいい」と求める声も出ているが、厚生労働省の担当者は「思い切った大きな改修をしても手間としては同じだろう」と理解を求めている。(新井裕充)

宇都宮啓企画官(右)0629.jpg がんの化学療法に使う高額薬剤など、DPC(入院費の定額払い方式)で包括評価されている項目を見直す審議が中医協の分科会でスタートしたが、早くも議論が錯綜している。救急医療の問題を議論しないとDPCの議論も進まず、逆にDPCの議論を進めないと救急医療の議論も進まないという硬直状態に陥っているようだ。(新井裕充)

6月29日のDPC評価分科会07.jpg 「中小病院では患者の追い出しにつながることは間違いない」─。入院初期の診療報酬を引き上げる厚生労働省の方針に対し、民間病院の医事担当者は驚きを隠せない。来年4月から、脳卒中や心筋梗塞などで緊急入院した患者が早期に追い出されるケースが続出しそうだ。(新井裕充)

6月29日のDPC評価分科会.jpg 入院期間が長くなるにつれて診療報酬が引き下げられるDPC(入院費の定額払い制)について、厚生労働省は2010年4月から入院初期の点数を引き上げる方針を中医協の分科会に提案し、大筋で了承された。一定期間が経過した後は現在よりも引き下げ、入院期間の短縮化をさらに進める方針。(新井裕充)

救急検討会.jpg 都道府県が策定する救急受け入れルールの指針(ガイドライン)をつくるため、総務省消防庁と厚生労働省は6月29日、「傷病者の搬送及び受け入れの実施基準等に関する検討会」の初会合を開催した。都道府県に搬送ルールの策定を義務付けた改正消防法の成立を受けたもので、10月末にはガイドラインを都道府県に通知する。(熊田梨恵)

厚生労働省0624.jpg 検査や投薬などをやればやるほど儲かる「出来高払い」に対し、必要な診療をカットすればするほど儲かる「包括(定額)払い」がある。診療所は出来高払い、病院の入院医療は包括払いが中心。診療所と病院、「どちらが儲かるか」ということが問題になっている。(新井裕充)

 舛添要一厚生労働相が6月26日午前に発表した異例の人事異動に、省内には衝撃が走った。ある医系技官は「補助金によって医療機関を支配する医政局の医系技官を引き剥がした。良くなることはあっても悪くなることはないだろう」と感想を話した。(熊田梨恵)

長谷川学課長補佐0619.jpg 中小病院が地域で果たす役割を診療報酬でどのように評価すべきか─。中医協の分科会では、「救急医療」と「医療計画の実施」が候補に残っているが、具体的な基準はまだ明らかにされない。2010年度の診療報酬改定では、救急医療が重点的に評価される見通しだが、「地域医療への貢献」という"隠れ蓑"に身を包んだ計画が静かに進行している。(新井裕充)

 厚生労働省が今年度から始めた、産科医などに分娩手当を支給する医療機関への補助金事業について、医療現場や自治体から「頑張っている産科施設に補助金が渡らず、勤務医の待遇改善につながらない」との声が上がっている。3月半ばになってから急きょ、「正常分娩の費用が50万円未満」などの条件がついたためで、厚労省からの情報伝達の不備を指摘する関係者もいる。(熊田梨恵)

武久委員.jpg 「今の療養病床はICUと類似化している。違いは疾病に罹患してからの期間」-。武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)に対し、慢性期病棟が医療依存度の高い患者の医療や介護ケアを担っている状態だと主張した。(熊田梨恵)

6月19日のDPC評価分科会1.jpg 「手間のかかる年齢階層を引き受けている病院は高い数字が出る」「規模の小さな地域で一定程度の大きさの病院であれば、救急車の搬送割合が高い数値として出る」─。地域医療への貢献度を評価する指標として、厚生労働省は「年齢補正係数」と「2次医療圏人口」という2つの基準を打ち出した。(新井裕充)

 2010年度診療報酬改定で慢性期医療の評価に関して議論する中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)。改定の議論の大元となる調査について、事務局は分科会に諮らずに独自の判断で実施したが、次期改定の主要項目である「医療の質の評価」に関する項目が不十分だった。分科会として報告をまとねばならない時期が目前に迫るためやり直しもできないが、委員からの指摘を受けた事務局は「追加調査の必要があれば、ご指示あれば検討します」と逃げ口上。調査の位置付けに疑問を呈した委員に対しては「ご議論できないということでございましょうか」と開き直った。(熊田梨恵)

 「医療区分3であっても状況によっては介護系の施設に行けるというデータが出てきている。どういうふうに見たらよいのか、専門的なご意見をいただければ」-。厚生労働省は6月11日、2010年度診療報酬改定のための基礎データとなる「2008年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査」の一部を中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)に提出した。診療報酬上、最も手厚く評価される医療区分3の患者を介護施設に移すことができれば、厚労省が医療費削減を進めることができるのは間違いない。次回診療報酬改定につながる議論になるのだろうか。(熊田梨恵)

 「児童のアナフィラキシーの有病率は0.14%。ターゲットは大きいということを知って頂きたい」、「すべての救急車にエピペンを積載するとして、毎年229万円の予算は許されないと思う」―。すべての救急車にアナフィラキシーショックの補助治療に使うエピネフリン製剤の積載を義務付けるかどうかなど、エピネフリン運用ルールをめぐる議論が消防庁の検討会で行われた。予防を取るか費用対効果を重視するか、委員からはさまざまな意見が上がった。(熊田梨恵)

会場.jpg
 意識障害や呼吸困難など、もっとも激しいアレルギー反応の一種であるアナフィラキシーショックを起こした患者が携帯用のエピネフリン製剤を使用していた場合、現場の救急救命士の判断で投与できるようになったことを受け、総務省消防庁は6月15日、「消防機関における自己注射が可能なエピネフリン製剤の取扱いに関する検討会」(座長=野口宏・愛知医科大名誉教授)の初会合を開催した。現場でのエピネフリンの運用ルールについて検討し、年内に報告書をまとめる。(熊田梨恵)
 

長谷川学課長補佐(中央)0608.jpg 「病床規模が小さい病院の方が、救急車による緊急入院の割合が高い」―。救急患者の受け入れが困難なケースが問題となる中、入院ベッド数が200床程度の小規模病院が積極的に救急患者を受け入れている実態が明らかになった。救急医療をどのように診療報酬で評価すべきか、今後の動向が注目される。(新井裕充)

日本医師会.jpg コレステロールを下げる薬と高血圧を治す薬を組み合わせるなど、効き目が異なる複数の成分を1つにまとめた「配合剤」をけん制する動きが中医協で活発化している。「配合剤」は、1回に服用する薬の錠数を減らすことができるなど、患者にとって利便性が高い薬とされる。しかし、中医協委員は「先発品メーカーに利便性がある」という点を問題視しているように見える。(新井裕充)

開催前の様子.jpg
 2010年度診療報酬改定を前に、夏頃までには分科会として慢性期包括医療に関する報告を上部委員会に上げなければいけないにもかかわらず、5月末になってからようやく再開された中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)。議論を詰めねばならない重要課題の「医療の質の評価」を討議しようにも、「2008年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査」はまだ集計されておらず、5月末になってからようやく「キックオフ」となったこの分科会の再開に、委員からは一気に不満が噴出したかに見えた。"事後承諾"されるはずだったこの調査の実施にまで注文がつき、事務局は思わぬ部分で噛みつかれた形となった。(熊田梨恵)

 「薬剤師の病棟業務は、医療の質にとって非常に重要なファクター」「(病棟薬剤師を評価しないと)病院のチーム医療は進まない」―。病院の機能によって診療報酬に差を付ける「新たな機能評価係数」について審議している中医協の分科会で、病棟薬剤師の配置を評価することに賛同する意見が相次いだ。(新井裕充)

6月8日DPC評価分科会1.jpg 2010年度の診療報酬改定に向け、DPCの在り方について検討している中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)が6月8日に開かれ、「新たな機能評価係数」について審議を進めた。最大の焦点だった「現在の調整係数と新たな機能評価係数との相関関係」については、医業収支に与える影響を考慮せずに両者を切り離した形で選定作業を進める方針で合意した。(新井裕充)

 新型インフルエンザに関して、政府の専門家諮問委員会委員長を務める尾身茂・自治医大教授は8日の都道府県知事会文教常任委員会で、ウイルス対策は長期戦になるとの見通しを示したうえで、「今後は、糖尿病や喘息などの基礎疾患を持つ人や妊婦などが重症化して死亡するのを避けるという一点に集中すべき」と述べた。尾身氏の主な発言をご紹介する。(川口恭)

 新型インフルエンザについて話し合う都道府県知事会の社会文教常任委員会が8日開かれ、厚生労働省に対して「机上の空論ばかり作るな」(大澤正明・群馬県知事)など批判する声と、対処方針の速やかな修正を求める意見とが相次いだ。厚生労働省から出席した麦谷眞里・新型インフルエンザ対策推進本部事務局長は「机の上で作っても、現実にはできないことがあるということが、恥ずかしながらやってみて色々と分かってきた。H5型の練習を随分できた。不幸中の幸いかなという認識だ」と釈明した。(川口恭)

長谷川閑史・武田薬品社長(右).jpg 革新的新薬の創出か、後発品の使用促進か―。大型医薬品の特許切れが相次ぐ「2010年問題」を抱える先発品企業が命運を託すのは、研究・開発に投下した資本を早期に回収する仕組み(薬価維持特例)の導入だが、道のりは険しい。関係業界からヒアリングを行った6月3日の中医協・薬価専門部会(部会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)の模様を3回に分けてお伝えする。(新井裕充)

センター外観.JPG
 麻酔科医不足が深刻となっていた国立がんセンター中央病院(東京都中央区、土屋了介院長)では昨年10月に新しく麻酔部門の責任者が就任して以来、手術件数は順調に回復の一途をたどっている。しかし、現状は非常勤の麻酔科医に頼るところが大きいため、国の予算で動くナショナルセンターとして避けようのない問題に直面している。(熊田梨恵)

宇都宮企画官(中央).jpg 「どの病院グループも後発品の使用が増えているが、平成15年度DPC対象病院は若干低い傾向にある。ほとんどが大学病院」―。高度な医療を提供する大学病院(特定機能病院)で後発品の使用が進んでいないことが、中医協で問題になっている。(新井裕充)

大内専門官(右).jpg 「緊急に行うべき取り組みは、現在ある医療資源を活用して、重篤な小児救急患者を受け入れる『超急性期』の医療を確実に提供する体制を構築すること」―。小児救急の集約化をめぐって揺れた厚生労働省の「重篤な小児患者に対する救急医療体制の検討会」は5月29日、同省が示した中間取りまとめ案を大筋で了承した。重篤な小児救急患者を24時間体制で受け入れる「小児救命救急センター(仮称)」を全国に整備する方針は一歩後退したが、集約化への道筋は残している。(新井裕充)

 厚生労働省は5月27日、中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直巳・慶大医学部教授)を約2年ぶりに開催。2010年度診療報酬改定に慢性期医療の「質の評価」を導入していくための議論を開始した。(熊田梨恵)

 参議院予算委員会は28日午前、新型インフルエンザの対応について集中審議を行う。25日に民主党委員の要求した参考人の招致が認められずに理事会が紛糾した際、「別途機会を設ける」となっていたもの。与党側も別の政府参考人を推薦した。この問題を巡っては、政府の対応が功を奏して終息に向かっているとの見方と、あえて見つけないようにしているだけで既に国内に多数の患者がいるとの見方とが真っ向から対立している。論戦の模様か注目される。(川口恭)

中川俊男委員(左).jpg 勤務医と開業医の報酬格差の根拠とされている「医療経済実態調査」について、5月20日の中医協総会で支払い側委員は、「回答率を上げるような努力をぜひお願いしたい」と診療側に求めた。これに対し、診療側の委員は「回収率を上げるのであれば、2号側(診療側)ではなく厚労省にも伝えていただいた方が筋としては正しい」と反論した。(新井裕充)

 来年4月に独立行政法人化されるがんセンターや循環器病センターなどの国立高度専門医療センター(いわゆるナショナルセンター・NC)に関して、与謝野馨財務大臣は25日の参議院予算委員会で「来年度予算で財政状況を健全にする」と述べた。多額の債務を背負わされて首が回らなくなり、運営費交付金欲しさに天下りを受け入れざるを得なくなるのでないかとの懸念を払拭した形だ。(川口恭)

5月25日の看護系大学の検討会.jpg 文部科学省は5月25日、「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」(座長=中山洋子・福島県立医科大看護学部長)の第4回会合で、統合カリキュラムの廃止に向けた「第一次報告骨子(案)」を示したが、意見集約できず継続審議となった。(新井裕充)

 25日の参議院予算委員会は開会が1時間遅れた。新型インフルエンザ対策を検証するため、委員が政府参考人として出席を求めた厚生労働省職員2人について、招致を認めるか否かで理事会が紛糾したためだ。結局、2人の招致は認められず、出席を求めていた委員は「通告済みの参考人が来ないというようなことは過去に記憶がない。(1時間待ちぼうけを食らった)4人の大臣よりも、厚生省には偉い人がいるということだ」と痛烈に皮肉った。(川口恭)

5月20日の中医協開始前.jpg 中医協・診療報酬改定結果検証部会(部会長=庄司洋子・立教大大学院教授)は5月20日の総会で、2008年度診療報酬改定の影響を検証するために実施した「特別調査」(08年度調査)5項目について、「検証部会としての評価」などを報告した。検証部会の評価と、これに対する委員の発言要旨をお伝えする。(新井裕充)

吉田英機委員.jpg 「基本問題小委員会で分科会長がいじめられる」―。5月20日に開かれる中医協・基本問題小委員会を前に、DPC評価分科会で"作戦会議"が行われた。「DPCの導入によって医療の質は低下していない」との報告に対し、DPC(入院費の包括払い制度)を批判している日本医師会はどのような主張を展開するだろうか。(新井裕充)

西岡清会長.jpg 2010年度の診療報酬改定で導入される「新たな機能評価係数」について、5月14日の中医協・DPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)は、「救急」「4疾病5事業」「チーム医療」「副傷病」などの項目を審議した。「新たな機能評価係数」の候補に関する厚生労働省の説明と、委員の発言要旨をお伝えする。(新井裕充)

野村陽子看護課長.jpg 看護学校の教員に必要な資質は、看護の専門性を伝えられる臨床実践能力か―。看護教員の養成方法や生涯教育などについて話し合う厚生労働省の検討会で、学校法人・後藤学園(東京都)の理事長を務める後藤修司氏は、「看護教員は専門家を育てるのか、人を育てるのか」と問い掛け、学生に安心感を与えられるような教育者としての資質を重視。「画一的に『看護教員はこうでなくちゃ』というのは、ちょっと違う」と述べた。(新井裕充)

5月14日のDPC評価分科会.jpg 中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)が5月14日に開かれ、「平成20年度『DPC導入の影響評価に関する調査及び評価』最終報告概要(案)」、「調整係数の廃止に伴う新たな機能評価係数」などを審議した。(新井裕充)

重篤小児検討会第4回1.jpg 呼吸不全や多発外傷など重症の小児患者に対する救急医療体制の整備に向け、厚生労働省は5月13日、「重篤な小児患者に対する救急医療体制の検討会」の第4回会合で、24時間体制の受け入れなどを盛り込んだ「中間取りまとめ(骨子案)」を示したが、意見集約には至らなかった。(新井裕充)

松尾清一名古屋大附属病院長(左).jpg 「また3年後、5年後に変わると教育に非常に弊害をもたらす」―。新人看護師の卒後研修制度の創設と、それに対応した卒前教育の見直しの議論が文部科学・厚生労働両省の検討会で急ピッチで進められている。看護系大学の教育カリキュラムの見直しを議論している文科省の検討会で、松尾清一委員(名古屋大医学部附属病院長)は医師の臨床研修制度を引き合いに、「最終的なグランドデザインをまずつくっていただきたい」と求めた。(新井裕充)

 救命救急センターへの補助金の額を左右する国の評価項目が来年度から厳格化される。相次ぐ救急受け入れ不能に対応するためとの名目だが、現場から「これでは救命センターを返上せざるを得ない」との声が上がっている。(熊田梨恵)

薬害防止のための行政のあり方を検討してきた厚労省の『薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会』が、このほど1年間の議論に基づいて第一次提言をまとめた。薬害被害者たちの強い意向を反映して医薬品の添付文書への規制を強めようとさせる内容となった一方で、委員たちも知らない間に「臨床研究支援のための基金設立」が盛り込まれていた。(川口恭)

4月30日「新人看護研修会」4.jpg 新人看護職員の卒後研修制度の創設に向け、本格的な議論を開始した厚生労働省の検討会で、日本看護協会の坂本すが副会長は「自分の病院に引き留めておくことが一番いいことか」などと述べ、看護師の養成が一つの病院で完結しないことを強調。さまざまな病院を転々とする中でキャリアを身に付ける"循環型"の養成システムを提案した。(新井裕充)

厚生労働省検疫官 木村盛世氏インタビュー(川口恭)

きむら・もりよ●医師/厚生労働医系技官。筑波大学医学群卒業。米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫学部修士課程修了(MPH=公衆衛生学修士号)。優れた研究者に贈られる、ジョンズ・ホプキンス大学デルタオメガスカラーシップを受賞する。内科医として勤務後、米国CDC(疾病予防管理センター)多施設研究プロジェクトコーディネーターを経て財団法人結核予防会に勤務。その後、厚生労働省大臣官房統計情報部を経て、厚労省検疫官。専門は感染症疫学。

4月28日の看護基礎教育検討会.jpg 保健師、助産師、看護師らが免許を取得する前に学ぶ看護基礎教育の期間を現行の3年から4年に延長する「看護基礎教育4年制化」に向け、厚生労働省は4月28日、「看護教育の内容と方法に関する検討会」(座長=小山眞理子・神奈川県立保健福祉大教授)の初会合を開いた。(新井裕充)

4月27日DPC評価分科会1.jpg 「いったんDPCに参画したら未来永劫、抜けることはできない"アリ地獄"のようにしてしまうのもいかがなものか」―。「調整係数の廃止」という大きな梯子(はしご)外しを前に、DPC(入院費の包括払い)から出来高払いに戻れる仕組み(退出ルール)の大枠が中医協の分科会で固まった。(新井裕充)

4月22日の診療報酬改定結果検証部会1.jpg 「家族内での診療方針に対する意見の相違があり、個々に話し合いを要求される」「遠くに住む縁者を称する人が後から現れ、話がひっくり返る」―。回復が難しい患者の治療方針について話し合いをする上で医療機関が困難に感じるケースとして最も多いのは、「家族の意見にばらつきがある」だった。(新井裕充)

 厚労省は2009年度補正予算案に、医師派遣機能の強化など地域医療の課題解決に取り組む医療機関などに財政支援する「地域医療再生基金(仮称)」を都道府県単位で設置するとの内容を盛り込み、3100億円を計上した。都道府県が「地域医療再生計画」を新しく策定することが条件になる。(熊田梨恵)

重篤小児救急4月23日1.jpg 「助かる命が救えない」―。先進14か国の中で、1-4歳の幼児死亡率が米国に次いでワースト2位の日本。今年3月末現在、重症の救急患者を受け入れる214か所の「救命救急センター」のうち、小児救急の専門病床があるのは、わずか6か所(19床)。厚生労働省は、「小児救命救急センター」(仮称)を全国に整備して、小児救急の「集約化・重点化」を進めたい考えだが、課題は山積している。(新井裕充)

 医師の卒後臨床研修制度見直し案について検討してきた医道審議会・医師臨床研修部会が23日開かれた。この見直し案は、先週まで募集されていたパブリックコメントで各方面から強い批判を浴びており、この日の会議でもいくつかの点に関して複数の委員から繰り返し再検討を求める意見が出た。だが最終的に、この日から部会長になった相川直樹・慶應義塾大学名誉教授が「概ね了承された。ご意見の反映については一任いただいてもよろしいか」と辻褄を合わせた。(川口恭)

 民主党の足立信也参院議員は4月21日の参院厚生労働委員会で、2004年に労基署から医療機関への監督指導が集中したことや、国立大学が独立行政法人化したことを指摘し、「この平成16年(04年)には、(パンドラの箱が)実は開き始めた。それならば、実際に必要なコストと医師数、看護師数は正確に推計できるはず」と主張した。(熊田梨恵)
 

大学看護検討会.jpg 看護系大学で4年間学んだ後、保健師と助産師の養成を別枠で行う方向で議論が進んでいる。保健師や助産師らの質の向上を図るため、高度な専門性を身に付けられる仕組みに変えることが狙いとされる。しかし、保健師に必要な能力として若手保健師が挙げたのは、「人の話を聴く能力や、さまざまな健康課題を抱える人たちとのコミュニケーションスキル」だった。(新井裕充)

第4回終末期医療のあり方に関する懇談会TOP.jpg 死期が迫っている患者に対する治療方針をどのように決定したらいいだろうか。本人の生前の意思表示が文書に残されているなら、それに従ってもいいか。個人の意思は、日々変化するものではないか。死期が迫っていて患者の意思が確認できない場合はどうか。家族の判断に従って、延命を中止してもいいか―。(新井裕充)

 医療法上の「宿直」と、労働基準法上の「宿日直」の定義がそれぞれ異なることが、4月14日の参院厚生労働委員会の答弁で明らかになった。労働基準法で認められる「宿日直許可」で、医療法の「宿直」をさせていたことが、勤務医の過酷な労働条件の原因だったことが改めて確かめられた。この差異を敢えて見ないようにしてきた積年の「大人の解決」のツケは精算を迫られている。果たして、パンドラの箱は開くのか。(熊田梨恵)

 舛添要一厚生労働相は4月14日の参院厚生労働委員会で、現在の医療法の「宿直」と労働基準法の「宿日直」の内容が異なっていることについて、「これはみんなで考えて法改正すればいい。まずその作業を、いずれやらないといけないと思う」と述べた。(熊田梨恵)

4月10日DPC評価分科会1.jpg DPC(入院費の包括払い)を導入している病院について、前年度の収入を保証する「調整係数」が2010年度から段階的に廃止される。これに伴って導入される「新たな機能評価係数」や、調整係数廃止後の「包括評価点数」の範囲によっては大幅な医療費抑制につながるため、「費用保証がなくなると大混乱になる」「医療の質の低下につながってはいけない」などの声が上がっている。(新井裕充)

 3月末にメディアを賑わせた恩賜財団母子愛育会・愛育病院(東京都港区・中林正雄院長)の「総合周産期母子医療センター」指定返上騒ぎ。労働基準法違反に対する労基署の是正勧告に端を発しているとは言え、唐突さに驚きを隠せない医療関係者がほとんどだった。だが取材を進めてみると、単なる偶発の騒ぎでは済まされない事情が見え隠れする。(熊田梨恵)

 「今の医療は、『とりあえずこの薬を出しておこう』という"とりあえず"型医療。そうではなく、『科学的に病気の性質を明らかにし、その人に合った、副作用がない薬を提供したい』と考えるのがこのプロジェクト」-。日本のゲノム研究の第一人者である、東大医科学研究所ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔氏は4月7日、一人ひとりの体質に合った医療や薬を提供することで副作用のリスクなどを減らし、患者のQOLや医療の質を向上させようという「オーダーメイド医療」の普及啓発シンポジウムで、詰め掛けた約500人の聴衆に呼びかけた。(熊田梨恵)

福田康一郎副座長(右)と荒川正昭座長(中央).jpg 「目の前の医療崩壊だけに目を向けて、即戦力の医者だけをつくるのか」「医師不足は医学教育の問題か」―。医学教育をめぐる今日の課題として、文部科学省が「地域の医師不足」を挙げたことに、委員から不満の声が上がった。(新井裕充)

第6回医学教育カリキュラム検討会(4月3日、文部科学省).jpg 「なるべく患者と接したくないと話す同期の研修医がいる。人と接するのは好きではないが、偏差値が高くて医学部に入る人もたくさんいる」―。今後の医学教育の在り方について検討している文部科学省の検討会で、ヒアリングに参加した研修医が明かした。(新井裕充)

 健康保険証と介護保険証、年金手帳の機能を一枚のICカードに集約する「社会保障カード」(仮称)について議論してきた、厚生労働省の「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」(座長=大山永昭・東工大大学院理工学研究科教授)の作業班は、4月2日に開かれた第13回会合で、医療機関がカードを使って患者の医療保険資格を確認する方法など、具体的な運用について報告した。(熊田梨恵)

 国民の厚生労働行政への信頼回復を図るため、昨年夏に設置された政府の「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」(座長=奥田碩・トヨタ自動車相談役)が3月30日、最終報告を取りまとめ、河村建夫官房長官に提出した。「少子化対策統括本部」(仮称)の設置や非正規労働者対策の担当部の整備などが新しく盛り込まれたものの、省内の連携強化など運用面の改善を求める内容が多く、舛添要一厚生労働相が提案していた厚労省再編案までは踏み込まなかった。(熊田梨恵)

あいさつする文科省の戸谷一夫・大臣官房審議官.jpg 「保健師」「助産師」「看護師」という異なる役割を担う看護職をどのように養成していくべきか―。3職種の教育を併せて行う看護系大学の「統合カリキュラム」の見直しや、「モデル・コア・カリキュラム」の導入、看護学教育の質の保証などについて話し合うため、文部科学省は3月31日、「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」の初会合を開催した。(新井裕充)

 東京都渋谷区の日赤医療センター(幕内雅敏院長)が、渋谷労働基準監督署から、36協定を締結していないことなどを理由に、労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが分かった。同センターは、心臓病など緊急の救命処置が必要な妊婦を必ず受け入れることを目的に、東京都から指定を受けた3つの「スーパー総合周産期センター」の1つで、今月25日からスタートしたところだ。愛育病院が是正勧告を受けたことに続き、全国的にも注目を集めている「スーパーセンター」にも同様の指摘が入ったことで、都の周産期医療体制の維持を危ぶむ声も上がっている。(熊田梨恵)

 恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が総合周産期母子医療センターの指定を返上するとの意向を東京都に伝えていた問題で、東京都福祉保健局医療政策部の室井豊救急災害医療課長は25日夜に取材に対応し、愛育病院側と協議の場を持ったとした上で、「病院側は法律の解釈について厚生労働省と相談し、調整していくということになった」と話し、病院側が総合センターの継続に前向きな意向を示しているとの見方を示した。(熊田梨恵)

『医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究班』(班長:土屋了介・国立がんセンター中央病院院長)の最終第11回会合が25日開かれ、科や地域の医師偏在を是正する機能などを持った独立機関の卒後医学教育認定機構(仮称)設立を要望する報告書の提出を決めた。(川口恭)

(速報)愛育病院が総合周産期センターの指定返上を打診

 東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が3月24日、都に対し、総合周産期母子医療センターの指定を返上するとの意向を伝えていたことが分かった。同院は今月17日に所管の三田労働基準監督署から、医師など職員の労働条件に関して労働基準法違反で是正勧告を受けており、現状での法令遵守は通常の医療サービス提供に支障をきたすと判断したとみられる。(熊田梨恵)

 東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が今月、所管の三田労働基準監督署から、医師など職員の労働条件に関して、36協定を締結していないことなどを理由に、労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが分かった。最悪の場合、業務停止に追い込まれるという。同病院は、秋篠宮紀子様が悠仁親王を出産されるなど、条件の恵まれたセレブ病院として知られている。また、1999年には東京都から総合周産期母子医療センターの指定も受けている。他病院に比べて労働条件に恵まれた同病院さえ是正勧告を受けたことで、周産期医療界に激震が走っている。(熊田梨恵)

訂正

一昨日の世田谷区医師会講演会の模様、MRICで配信したところ、土屋了介院長ご本人からお電話を頂戴した。「運営局長が事実関係が違うと言っている」とのこと。趣旨に従い謹んで訂正いたします。