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ニュース〜医療の今がわかる

医療志民の会 発足記念シンポジウム


 ここからは、シンポジストたちの発言の中で印象に残ったものを、発言の出てきた順にいくつか拾っていく。


畑中暢代看護師
「先進医療である膵島移植のコーディネーターをしている。移植チームは、米国のベイラー大学で活動していて、その活動資金は多くが市民の寄付によって賄われている。寄付を募るために、まず市民講座を開き、それから老人ホームを訪問したり、ダンスパーティーに出席したり、市民開催のイベントに参加したりして、多くの市民に研究の意義やそこに関わるスタッフのことを知ってもらっている。実際、私も空港の入国審査で『膵島移植チームの方ですね』と言われたことがある。それだけ活動が一般の人に知られている。院内だけでなく外へ出て行って話をしないといけない」

(黒岩氏の、日本医師会が諸悪の根源でないかという問いかけに対して)
神津仁・神津内科クリニック院長
「日本医師会は若い医師の代表ではない。そうなるのは階段を一つずつ上がらないといけないようになっているから。私も区医師会の副会長になった時に雑巾がけもしないでケシカランと言われた」

長尾和宏・長尾クリニック院長
「私自身も医師会の人間だし、医師会には頑張ってもらいたいんだけど実際には非常に難しい。医師会こそchangeが必要で、やれるもんならやりたいが、そういう類のものではない」

神津
「皆がこの問題にフォーカスすれば変えられる。こういうことを話す場が今までなかった」

崔秉哲・滋賀県立成人病センター放射線治療科元部長
「今の医者はスーパーマンでないと働けない。そういう職場に普通の人は入って来れない。市民と病院と自治体と合体して医療を何とかするという時には、必ず現場にシワが寄るようになっている。マスコミも叩きやすい所だけ叩いて、市民に対して責任や負担を果たせと伝えてきたか。医療は既に崩壊している。もう戻れない。戻れないことを前提に医者が生きていけるようにしないとゼロになる」
「アクセス、コスト、クオリティのどれを選ぶのか、国民も選択の時に来ている」

豊島勝昭・神奈川県立こども医療センター新生児科医長
「昔と比べて医療が良くなってきた部分も相当ある。でも、その良くなっている部分が人々の欲望を満たす方に分散して、本当に昔から必要だった分野の人がいなくなっているというのもあると思う」


「それは政策。全てを取ることはできない。我慢する所を我慢しろと伝えるのは、政治家とマスコミの仕事」

豊島
「人間が協力して人間を守るという原点に立ち返りたい」

大谷貴子・全国骨髄バンク推進連絡協議会会長
「お金がない、お医者さんがいない、改めて切実さに鳥肌が立った。ただ、どうしてこんなにお金がかかるのかという時に、禁煙をなぜ推進しないのかという話もそうだし、たとえばイギリスでは、がん検診を受けて見つかった人の治療費は無料で、受けてなかった人は有料になるという。こういう政策をすれば皆楽になるんでないか」

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