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終末期の治療方針、「家族の意見がバラバラ」

■「調査を行った意義は非常に大きい」

4月22日の診療報酬改定結果検証部会3.jpg 報告書案によると、終末期の診療方針などの話し合いを「実施している」と回答した病院は43.7%。話し合いを実施している病院の40.2%が「診療報酬で評価することは妥当である」と回答し、29.7%が「終末期の話し合いを診療報酬で評価することは妥当だが、
話し合いの結果の文書提供を算定要件とすべきではない」とした。

 また、病院の55.5%が「75歳以上に限定せず実施すべきである」としたほか、49.3%が「終末期に限らず病状の急変や診療方針の変更等の話し合いを評価すべき」を選択した。「後期高齢者終末期相談支援料の点数(200点)が低すぎる」とした病院は23.4%にとどまった。

 一方、事例調査では、「本人が話し合いに参加しなかった」ケースが7割を超えた。本人が話し合いに参加したうち、話し合いをした後の本人の様子について、「話し合ってよかった」または「どちらかといえば、話し合ってよかった」としたのが5割程度だった。

 一般国民を対象にした意識調査では、84.7%が終末期の治療方針などを「話し合いたい」と回答。そのうち、72.3%が話し合いの内容を取りまとめた文書などの提供を「希望する」を選択した。

 調査結果を受け、牛丸聡委員(早稲田大政治経済学術院教授)は次のように感想を述べた。
「終末期の治療方針などの話し合いを行った方がいいかどうかは極めて難しい問題だと思うので、調査を行った意義は非常に大きい。特に、『話し合いを行いたい』を選択した人が84.7%だったことに注目する。また、『年齢区分は必要ない』という回答が多かったことにも注目したい。ただし、相談料(終末期相談支援料)をどうするか、財源をどうするか、(算定)要件をどうするか、この辺は非常に多様な意見がある。これを踏まえなければいけない」

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