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先進医療を実施したいが、「皮膚科の専門医がいない」

■ 「内科の感染症の専門医も含めてよいか」 ─ 北村委員
 

[猿田享男座長(慶應義塾大医学部名誉教授)]
 (説明)どうありがとうございました。今、ご説明いただいたが、ちょっと6月受付分を見ていただきたい。173から178番まで6つあったが、書類上の不備などがあって返却しているということで、結局、177番だけということ。

 それから、保険外併用療養費がかなり......、568万5000円となっていて、先進医療分(自己負担)は2万2000円。これは、長期入院の特殊な患者さんにおける、こういった状況を勘案したということ。

 それから、技術としては、PCRを使ったことによって非常に時間も短く、期間も......、比較的大部分の所でやれる体制だということ、いろいろな点を見ても非常に効果的な方法ということで、(専門家会議委員の)飯島(正文)先生としてはお認めいただいていいということ。

 それから、臨床検査のほうで、渡邊(清明)先生、福井(次矢)先生ともに、この形で認めていいということだが、委員の先生方からご意見を頂きたい。(中略)

[赤川安正委員(広島大大学院医歯薬学総合研究科教授)]
 当該技術の医療機関の要件(案)の「先進医療名及び適応症」について。

先進医療名及び適応症
リアルタイムPCRを用いた迅速診断(単純疱疹ウイルス感染症又は水痘帯状疱疹ウイルス感染症に係るものであって、他の方法による鑑別診断が困難なものに係るものに限る。)
 「適応症」として、免疫不全状態ということが書いてあったほうがいいのではないかと思う。
 というのは、眼科や耳鼻科、歯科でも帯状疱疹などを診る。たぶん、「免疫不全の重症な方に」ということだと理解したが......。

[保険局医療課・石井課長補佐]
 ご指摘を踏まえて修正させていただく。

[猿田座長(慶大教授)]
 あと、診療科は先生、皮膚科でよろしいだろうか? (赤川委員、うなずく)

 初期はほか(の診療科)かもしれないが、皮膚科ということで、あとは耳鼻科の専門医。ほかに、どなたか......、はい、どうぞ。

[吉田英機委員(昭和大医学部名誉教授)]
 レセプトを見ていると、腎移植患者の......が一杯出てくる。ですから、移植前にウイルス検査を全部やってきちゃって......。たぶん、赤川先生がおっしゃった免疫不全状態を入れていただけると、移植の患者が感染した場合に、たぶん皮膚科に行くと思うが、皮膚科で診断を受ける。 (赤川委員、うなずく)

 「免疫不全状態」って入れてもらったほうが、ほかの(診療)科にも......。

[猿田座長(慶大教授)]
 ありがとうございます。ほかに、どなたかコメントございますか。はい、どうぞ、北村先生。

[北村惣一郎委員(国立循環器病センター名誉総長)]
 皮膚科(の専門医がいる医療機関)から申請があれば承認するということだが、やはりこれ、皮膚科の専門医じゃないと駄目だろうか。内科とか......。

 例えば、(吉田)先生がおっしゃったように、免疫抑制剤を飲ませている患者の場合......。例えば、国立循環器病センターでもある。しかし、今はウイルス性疾患なので、PCRをやるのが当たり前になっている。早く保険(適用)にしたほうがいいと思う。

 しかし、例えば国循(国立循環器病センター)の場合、皮膚科はありません! ですから、皮膚科の専門医は1人もいません。 (傍聴席から笑い声)
 ですから、そういう場合には(本件の先進医療が)できないということになる。先進医療として認められたから専門の医療センターでも使えるかというと......。

 もう一度改めて申請し直すという場合、「何々専門医」というのが......。ここに、「皮膚科の専門医じゃなければいかん」となっていますよね? ですから、そういう場合、改めて申請し直すことになるのか。
つまり、地域の......。大阪なら大阪の社会保険事務局とか......。(地方)厚生局も含まれるかもしれないが......。(厚労省担当者ら、相談中)

 もう一度、別に、ここの(先進医療専門家)会議に、「内科専門医」などで申請し直す必要があるのか。

[猿田座長(慶大教授)]
 どうですか、事務局(保険局医療課)。ちょっと難しい問題。

[医療課・石井課長補佐]
 はい。いろいろな選択肢があろうかと思うが、例えば、委託を前提とした施設基準を改めて議論していただくことも含めて、改めてご相談して申請していただくことになると思う。

 今回の申請者からの書類を拝見すると、もともとの原疾患として5症例を挙げていただいているが、そのうちの4症例は皮膚科以外の疾患で入院中の方に関してやったということになっている。

[猿田座長(慶大教授)]
 これ、(北村)先生のように皮膚科がない所はどうするんですか?

[北村委員(国立循環器病センター)]
 いや、あの......。僕ら、心房内......でやっているのはちょっと知らないが、血液では、ウイルス性疾患は非常に......、悪性腫瘍を取ってくるウイルスも含めて、PCRはほぼ当たり前になってきているが、1つひとつ、数が少ないので、まだ保険(適用)になっていないものでも、勝手に費用を持ち出しでやっているという実情がある。

 そういう場合、これが申請されて通っても、「じゃ、うちも乗ろうか」というわけにはいかない。皮膚科がないから。そうしたら改めて、「内科の専門医でやらしてくれ」ということになるのかということ。

[猿田座長(慶大教授)]
 これ、臨床検査でしょ。臨床検査のほうとの関係で、何かうまく、内科......ということも話したが、出てきたのが一応、皮膚科だったので......。

[吉田委員(昭和大教授)]
 結果的に、PCRは臨床検査科からでしょ? 5症例あって皮膚科で測ったんじゃなくて、実際には臨床検査科でやったんじゃないのだろうか。(本日欠席の)飯島(正文)先生がいればね、よく分かるのだが......。これ、(実施責任医師が所属する診療科の要件に)「臨床検査科」って入れてあげれば、国立循環器病センターでもできるんじゃないでしょうかね。

[猿田座長(慶大教授)]
 実際、現場では皮膚科で全部やっているのか、それとも臨床検査科と一緒になってやっているのかという吉田先生からの質問。

[医療課・石井課長補佐]
 頂いている書類では、実施責任医師がすべて皮膚科。臨床検査科を書けるかどうかも含めて検討させていただきたいと思う。「そもそも(臨床検査科が)標榜できる科なのか」ということも含めて検討したい。

[猿田座長(慶大教授)]
 そうですね、一応、皮膚科にしておいて、(本件の先進医療技術としての適格性を審査した)飯島先生の意見も聴いていただくということでどうだろうか。それで、もし(臨床検査科まで)広げられれば、そういう形で......。ま、少しでも......。これは疾患として、病気としては多いので。

[北村委員(国立循環器病センター)]
 できれば、申請者に、例えば、内科の感染症の専門医も含めてよいかどうかも聞いていただければ......。内科といっても広いので、感染......。皮膚科だけでなくて、むしろ適切かもしれないし......、入れていただけるよう、できればお願いしたい。

[猿田座長(慶大教授)]
 じゃ、それを確認していただくということで。ほかに、ご意見ございますか。技術としては、ちゃんとした技術だし、かなり効果的な方法ということで......。

 では、今頂いたご意見を尊重させていただき、もう1回確かめて事務局(保険局医療課)と相談して決めさせていただくということで、全体的にはお認めいただいたということでよろしいだろうか?

 (反対意見なく、了承)

 それでは、この技術については、(実施責任医師の)条件をちょっと検討させていただくということで認めさせていただきたいと思う。ほかの6月受付分は書類不備で駄目だということだったので、本日審議する分はこれだけでございます。(次の議題へ。以下略)

 
 
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 【目次】
 P2 → 「リアルタイムPCRを用いた迅速診断」について ─ 厚労省説明
 P3 → 「内科の感染症の専門医も含めてよいか」 ─ 北村委員

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