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「守られないようであれば、DPCを返上」 ─ 2日目のDPCヒアリング


■ 「DPCを返上していただかざるを得ない」 ─ 齊藤委員
 

[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
 (資料説明)ありがとうございました。それでは、ご出席いただきました各病院に対するヒアリングを行いたいと思う。今回の開催に当たり、事前に事務局(保険局医療課)より各委員に各資料が送付されている。既にお目通しいただいていると思う。時間も限られていることから、まず各病院に3分以内で説明をいただき、その後、各委員からの質問をお願いしたいと思う。
 まず始めに、データの質を確認する必要があると思われる病院について議論したいと思う。最初に、株式会社日立製作所・日立総合病院からご説明をお願いいたします。

[日立総合病院・ 岡裕爾院長]
 今回の(データ)提出遅れで、皆さんに多大なご迷惑をお掛けしまして、ひとえに私の管理不行き届きということで、この点、改めて深くお詫びを申し上げたいと思います。
 このような事態に至りました経緯および改善策について、簡単にご説明を申し上げたいと思います。(中略)

 ▼ 医事会計システムと独立して、「DPCコーディングシステム」があることを説明。医事担当者が医事会計システムの情報を読みとりながら、「DPCコーディングシステム」にデータ登録を行うという「手入力の作業」であることを説明。8人の担当者が関与して作業を進めているが、最終的にデータを提出する担当者が「消印日」と「提出日」を勘違いしたため、データの提出が遅延したことや、医事請求担当者に任せきりで日程管理を組織的に行っていなかったことなどを理由に挙げた。

 先ほど、「手入力」ということを申し上げたが、医事会計システムのバージョンアップをなんとか早く図りまして、「DPCコーディングシステム」のデータを電子的に医事会計システムに取り込めるようにしていくという解決策をなんとか早くしたいと考えている。以上でございます。

[西岡分科会長]
 ありがとうございました。それでは、続きまして独立行政法人国立病院機構・千葉医療センターから、ご説明をお願いいたします。

[千葉医療センター統括診療部・石毛尚起部長]
 千葉医療センター統括診療部長の石毛と申します。よろしくお願いいたします。本来であれば、当センター院長の増田(政久)が出席して、データ提出期限を守れず、関係者各位に対して大変ご迷惑をお掛けしたことにつきましてお詫び申し上げるところでございますが、院長の専門分野が心臓血管外科で2人体制でやっておりまして、どうしても本日調整が付かず、やむなく欠席させていただき、院内のDPC検討委員会の委員長であります私が出席させていただくことになりました。

 院長より、「データの提出期限を守れず、関係各位に対して大変ご迷惑をお掛けしたことについてお詫び申し上げるとともに、今後は期限を守れるように指示した」旨をお伝えするよう指示を受けて参りました。改めて、お詫び申し上げます。それでは、データ提出が遅れました理由について、ご説明させていただきます。(中略)

 ▼ システムの切り替えに伴いデータを移行する作業が新たに必要になったことや、新システム移行後のエラーなどが多かったため事務作業に時間を要したこと、昨年度まで2人で対応していた作業を今年度から1人にしたためマンパワーが不足したことなどを遅延の理由に挙げた。

 今年度については、システムを昨年後半までに対応が完了しており、システムについては特に大きな問題はないと思っています。データ作成に1人を従事させていたことについては、今年度から4人体制で、工程ごとに担当者を決めて対応することにしました。
 それから、「データ作成をできるだけ早く」ということで始めることにしたので、今年度については、データが遅れて迷惑を掛けるようなことはないように指示しましたし、そうなるかと思っております。今後もデータの期限に遅れないように、病院一丸となって取り組むという姿勢を、院長から言ってこいと言われましたので、よろしくお願いいたします。

[西岡分科会長]
 はい、ありがとうございました。今、2つの施設からのご説明がございました。これに関しまして、ご質問、ご意見はございますでしょうか。どうぞ、齊藤委員。

[齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院名誉院長)]
 特に、千葉医療センターの先生に申し上げたいのですが、DPCの制度を支える上で、データを期日までにきちんと出すということは、これ、全体に影響を及ぼす基幹的な作業なんですよねぇ。で、そのことがきちんと守られないようであれば、まず最初にDPCを返上していただかざるを得ない、そういう状況だと思いますね。いろいろなことに連動しておりますので。(石毛部長、頭を下げる)

 病院としても、誰か1人が「たまたま新人だったからできなくて」とか、そういう体制そのものがものすごく不備であると言わざるを得ないと思う。できる限りチームとして、この問題に対応して......。

 誰か1人が病気になるなんていうことはいつでもどこでも起こり得ることですから、そのとき、直ちにバックアップ体制が取れるということが基幹的にできあがった上で、DPC参入に手を挙げていただくと、それがこの制度、国民全体の信頼を得る形で、医療関係全体の病院で支えていくという上で必須のことだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。(石毛部長、頭を下げる)

[西岡分科会長]
 ありがとうございます。たぶん、委員の先生方、皆さん同じご意見だろうと思いますので、ぜひとも、その部分はお守りいただきたいと思います。ほかに、ご意見は。(中略)


【目次】
 P2 → 「DPCを返上していただかざるを得ない」 ─ 齊藤委員
 P3 → 「姿勢としておかしいんじゃないか」 ─ 厚労省

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