文字の大きさ

過去記事検索

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。
特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

あなたの悩みにお答えします➉

友だちに病気のことを話せず、これまでのように気軽に会うことができなくなってしまいました。どうしたら良いでしょうか?
答える人 池崎悠さん (20代女性 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎)
聞き書き 武田飛呂城・NPO法人日本慢性疾患セルフマネジメント協会事務局長
 病気があると、友だちとの関係にも悩みますよね。私も、試行錯誤しながらですが、シリアスになり過ぎないよう工夫し、病気そのものより何に困るのかを伝えるようにしています。

 私は中学校3年生の冬、インフルエンザの予防接種を受けた翌日に、注射した方の腕が上がらなくなりました。腕に力が入りにくくて、1週間後には両腕が上がらなくなり、整形外科では腱鞘炎と診断されました。

 そのうち、一人で着替えることもできなくなり、何かおかしいと思ったのですが、時間だけが過ぎていきました。

 ちょうど高校受験の時期で、第一志望の高校にも落ちてしまい、人生はどん底でした。友だちに「どうしたの?」と訊かれても、私こそ自分に何が起きているのか分からず、どう答えたら良いのかも分かりませんでした。

 高校入学の直前、大学病院で診てもらいました。検査で、握力が0.2kgしかないことが分かり、即日入院となりました。病名は、最終的に「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎」と診断されました。1カ月くらいの入院で徐々に腕の力も戻り、退院できました。ただ、腕の力は以前より弱いままで、現在も治療を続けています。

 入院したので、高校の最初の1カ月をほとんど休んでしまったのですが、退院して学校に行くと比較的すんなり受け入れてもらえました。私が入院で休んでいたことを、うっすら知ってもらっていたのも良かったのかもしれません。

 今もそうしていますが、病気のことは、訊かれたら答えるという感じでした。説明する時は、皆が日常で使うような病気を例に出して「喘息とかアトピーのようなアレルギーと似ていて、自分の免疫が手先の動かすところを攻撃してしまう病気で、普段は落ち着いていても、時々悪くなる」というように説明しました。当時流行っていた、音楽に合わせて太鼓を叩くゲームをできないんだよね、とか、皆が分かりやすいだろうと思うたとえを使って、できないことを説明することもありました。

 難病という話から入ると、どうしてもシリアスになってしまいますし、難しい病名で引かれてしまっても嫌ですから。

 一度説明してしまうと、私がどんな症状を持っているのか分かってもらえて、机を動かすとか、荷物を持ち上げるとか、私ができないことを友だちに頼みやすくなりました。

 中には、他の人に何かを頼む時、申し訳なく思ってしまう人もいることでしょう。私も気が引けてしまう時はありますし、最初の頃は友だちに「大丈夫」とばかり言っていました。でも、自分の経験で言えば、逆に自分が友だちを助けてあげられた時、友だちが喜んでくれて良かったなと思うので、友だちも同じように思ってくれるんじゃないかと考えています。私が頼む方がやや多くなってしまいますが、そこはお互い様ですよね。

 あと、体調を崩して、会う約束を直前に断ってしまうこともあります。それが続くと気まずくなりますよね。でも、ある時に思ったのは、自分が気まずいと思っていると、相手も気まずく思うんじゃないかということです。人間関係は鏡ですから。友だちに「病気だから、あまり誘わない方が良いのかな」なんて思われたら嫌なので「か弱いけど(笑)、本当に飲むのは好きだから、また誘ってね」とか「次はあの店に行きたい!」なんて言って、また誘ってもらえるようにしています。私は、友だちと一緒に楽しくやっているのが、何より好きですから。
  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
  • 「認知症 それがどうした!」電子書籍で一部無料公開中
サイト内検索
掲載号別アーカイブ