診療報酬 初歩の初歩
自分の払った医療費を知るためのヒント。
診療報酬の仕組みについて大づかみでご説明してきました。でも、やはり最も気になるのは自分が支払う医療費のことでしょう。
自分の医療費を知るための第一歩が、医療機関の窓口でもらう明細入り領収書をチェックしてみることです。
明細の項目は「投薬料」「検査料」など大きく分類されていますが、およそ何にどれだけのお金がかかっているかは把握できるでしょう。
なお、医療機関に明細入り領収書の発行が義務付けられているわけではないので、一部の診療所や病院では明細入り領収書をもらえないこともあります。もし詳細な内訳を知りたいという場合は、自分の使っている保険証の発行元(保険者)に、診療報酬明細書(レセプト)の開示を請求します。レセプトには、すべての診療報酬項目と点数が記載されています。
「指導料」って、何を指導してくれたの? 初診料や再診料は、いわば基本料金。そこに、病気ごとの医師の"技術料"という意味合いで加算されるのが「指導料」です。代表的なのが、いわゆる慢性疾患で通院している患者に対し、医師が食事や運動、薬の飲み方などを指導・管理した時に追加される「特定疾患療養指導料」です。他にも「生活習慣病指導管理料」や「小児科療養指導料」、「特定薬剤治療管理料」など、診察の内容に応じて点数が決められています。"何度も通っているけれど、最近は先生に何か指導された覚えはないぞ"と思う場合もあるかもしれません。それは、解釈上は指導ではなく"管理"を行ったということになっているのです。
保険外の項目にある「特定療養費」って? 明細入り領収書の「保険外」の項目のところに入っているのが「特定療養費」。混合診療は認められていないので、保険診療と保険外診療は同時にはできないのでは? と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。特定療養費とは、1984年の健康保険法改正によって"この医療行為に限っては、診察や検査など一般的な保険診療と同時に患者の自費による医療サービスをしてよい"と決められたもの。いわば、国が認めた混合診療の特例と言えます。「高度先進医療」や「特別の療養環境の提供(特別室)」、「前歯部の金属材料差額」など、付加価値の高い16種類の項目が定められています。ただし、自費診療ですから、医療機関によって価格が違っています。