平成24年改定に向けたDPC制度に係る今後の対応 (下)
9月7日の中医協総会で厚労省案を説明したDPC評価分科会の小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)は、「産科、小児科、救急、あるいは外科など採算の悪いものを比較的大きな病院が一杯やっている」とした上で、こう述べた。
「採算性の悪い所に目を付けた結果、非常に効率よく運営している中小病院よりも大規模病院のほうが少し手厚くなったかと思いますが、現状を考えますと、まだまだ大型病院は十分に運営できるような評価ができているとは考えておりません」
詳しくは、以下の通り。
[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
(小山分科会長と厚労省の担当者が説明を終えて) はい、ご丁寧な報告、ありがとうございました。それでは、ただ今のご説明につきまして意見、ご質問等ありましたらどうぞお願いします。
(真っ先に鈴木委員が挙手)
鈴木委員、どうぞ。
[鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)]
3点ほど、あります。まず、最初に2点は事務局(保険局医療課)にお尋ねしたいと思います。
DPC制度が定着してきているということは理解しておりますが、そもそもDPC制度を決める時に、平成20年10月22日の中医協(基本問題小委員会)の診療側委員全員に、まあ、当時の遠藤会長に、「DPCに関する方向性について」という文書があるんですが、そこでは、「急性期病院に対する診療報酬上の評価は、DPC、出来高払いの二本柱である」ということが書いてある。
さらに、「DPC、出来高払いを採用する急性期病院それぞれについて、適切に評価していく」ということが書いてあるんですが、その後の議論を見ますと、DPCの病院のほうばかりの議論になったり、出来高払いの病院に対する評価というのが忘れられているのではないかというふうに思います。
「二本立て」ということであれば、出来高払いの病院でもDPCと同じことをすれば同じように評価をするということが基本だと思うんですが、それについてのお考えを頂きたいということが1つ。
それからもう1つは、「調整係数」は(DPCを)円滑に導入するために、当初導入されたということですが、それをまあ、廃止するということになっていたはずなんですが、それがいつの間にか、いろんなまあ、新たな(機能評価)係数も加わってきて延々と続いてきて、最近ではまた新たな病院群に分けるというようなことで、大病院と中小病院の差を付けるような方向に行っているということなんですが、その「調整係数」の廃止というものが、どうして途中で消えてしまったのか。
それについて2点、事務局にお尋ねしたいと思います。
【目次】
P2 → 「第2の7対1看護になりかねない」 ─ 鈴木委員
P3 → 「私どもとしては少し認識が違う」 ─ 厚労省
P4 → 「中小病院より大病院に少し手厚く」 ─ 小山分科会長
P5 → 「分かりやすく説明いただけないかな」 ─ 西澤委員
P6 → 「補足として、いくつかご説明を」 ─ 厚労省
P7 → 「私はこの考え方は支持しております」 ─ 白川委員
P8 → 「基本的にはこの考え方で問題ない」 ─ 嘉山委員
P9 → 「地域医療が本当に崩壊しかねない」 ─ 鈴木委員