妊娠中に痔・カンジダ・痒み・腰痛が一気に来た!(後編) |
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投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2017年06月27日 13:28 |
(*一人の女性としての個人的体験を綴るブログです。症状のリアルな表現が苦手な方はご遠慮ください)
◆前回の記事はこちら
私は妊娠30週の頃、外陰部にカンジダの痒み、肛門にいぼ痔の痛み、肛門周りに原因不明のかゆみ、妊娠による腰痛を抱え、陰部が痛くてかゆくて、毎日がとてもつらかった。
妊婦雑誌にあるような「赤ちゃんが来る日を待ちながらハッピーマタニティライフ☆」などでは全くなかった。
妊婦って、もっとこう幸せに満ちた感じじゃないのかなあ…、もしかしてそれも雑誌の中だけのことなのかなあ…、と思ったりした。
親しい産婦人科医が「妊娠は普通のことと言われるけど、人によってはそれまで抱えていたトラブルが妊娠という負荷を通して大きく出たりすることもあるから、そんな楽なことじゃないはず」といった内容のことを話してくれて、気が楽になったことを覚えている。
私の場合は37歳での高齢出産だったから、なおさらトラブルが出やすかったのかもしれないが。
産婦人科にも肛門科にも行き、後は自分で地道に処方薬を塗るぐらいしかできなかったのだが、痛みとかゆみに加えてケアは手間がかかり、薬品臭がつらかった。
あまりにつらくて泣いてしまう時もあった。
このまま滅入っていてはと、私は何か他の手はないかと探し始めた。
①アロマセラピー、リンパドレナージ
ちょうどその頃、友人がリンパドレナージとアロマテラピーのサロンを開業した。彼女はアロマセラピストの国際資格も持っていたので、イギリスで代替医療、フランスで医療行為として認められているアロマテラピーが妊婦にどのように使われているかということも詳しかった。ヨーロッパや日本で一部が医療保険に適用されているリンパドレナージの手技も施術もしてもらった。
これが私にとっては非常に心地よく、とにかくリラックスできた。
鬱々としていた気持ちが、アロマオイルの心地良い香りでほぐされた。リンパドレナージの手技で仙骨周辺のむくみをとってもらうと、痔核が少し小さくなり、陰部の痛みやかゆみ、腰痛がかなり緩和された。
海外の臨床例も参考にしながら妊婦が日常に使えるアロマオイルのブレンドやスプレー、ジェルも作ってもらい、私は体のケアやお風呂、寝るときなどに使った。
薬品臭も、アロマの香りを生活の中に増やすことで、気にならなくなった。
鬱々としていた気分が軽くなったことで、痛みやかゆみが少し引いたような気さえした。
(彼女には出産時、産後もアロマでサポートしてもらい、私にとっては効果大だった)
②鍼灸
通院中に妊婦も受けられると広告している鍼灸院を見付け、雰囲気がよさそうだったので受けてみた。
院長は学会にも出かけて鍼灸や漢方を勉強している熱心な方で、私の痔やむくみ、カンジダの相談にも乗ってくださった。
そこで針と灸の治療を受けると、ここでも痔核が少し小さくなり、痛みやかゆみが緩和された。
ここでも随分と体がリラックスした。
私は妊婦健診と肛門科に通う傍ら、アロマとリンパドレナージ、鍼灸を受けて30週以降を過ごした。
カンジダと肛門周りのかゆみはしばらくして落ち着いた。妊娠が原因の痔は出産まで治らなかったが、それ以上にひどくなることはなく、痛みもそれなりに我慢できた。
大きかったのは、気分が変わり、リラックスできるようになったことで、陰部の様々なトラブルを深刻に捉え過ぎなくなり、結果的に楽になったことだった(もちろん痛いのは痛いのだが)。
アロマとリンパドレナージ、鍼灸は身体的なケアとしてはもちろん、私にとってはメンタルを救ってくれた大きな存在だった。
これらの経験を経て、私は質の良い代替医療の必要性を痛感した。
訴えの内容にもよるが、医療だけでできることは限界があるし、不調やトラブルをなんでもかんでも医療に訴えても、根本的な治療以外の部分ではどうしようもないこともある。
市民の心身に関するニーズは多様になっていると思うし、地域や生活形態の違いでさらに様々になると思う。
WHOの有名な定義だが、人間の健康について①肉体的②精神的③社会的④スピリチュアル的ーの4つのバランスがそろって健康と言えるとされている。元々医療現場は①の場だが、最近は②③④が求められていると感じることも多い。しかしそれでは医療はパンクするし、医療に対する不満につながることもあるかもしれない。人が本来の健康を取り戻していくには、②③④は欠かせないと思うので医療以外の良質な代替医療が必要になってくる時代だと思う。
本人が最もつらい、苦しいと思うものは何なのか。そこに主眼を当てて、医療以外でサポートできるものであれば質の良い代替医療を本人や家族が選べるようになっていったらいいなと思う。特にメンタルの部分を考えた時、医療と質の良い代替医療とのよりよい関係ができていけばと。
しかし悪質な代替医療では、金銭が巻き上げられたり、共依存や人権侵害が行われたり、時に命の危険に関わるような場合もある。実際にそういう事件も多い。患者家族側のリテラシーも必要になるし、何をもって「質が良い」とするか、質を担保するかは、難しいところなのだが。
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