もし2歳児が虫歯になったら?

投稿者: 熊田梨恵 | 投稿日時: 2017年06月21日 13:18

(今回は一人の母親としてのブログであって、情報提供として書いていません。個人的な主観が多く入っています)

先日の阿部勝也医師の訪問診療に関するブログに出てきた「サフォライド」という虫歯の進行抑制剤。以前は小児用に使われていたが、歯が黒くなるため最近ではあまり使われないそうだ。

それについて書きながらふと気になった。

1~3歳ぐらいの乳幼児が虫歯になったら、一体どうやって治療するんだろう?

どういうことかというと、もうすぐ2歳でイヤイヤ全盛期の息子は、毎回の歯磨きを、泣いて喚いて暴れて全力で嫌がっている。私はいつも床に座って、自分の股間に息子の頭が来るようにして、脚で息子の体を挟み込んで磨いている。嫌がって動きまくる腕を私の太ももで抑え込んでいるので、完全に「身体拘束」だ。

息子も全力で抵抗するが、私に力でかなわないとなると、今度は口を開けない、もしくは開けても歯ブラシを噛んで抵抗する。もし私の指が入ってこようものなら、全力で噛む。

一度滑って指が入って噛まれてしまい、「いったああああ!!!」と叫んだことがある。

小さい顎と口なのに、凄まじく痛いのだ。

恐るべし、イヤイヤモンスター。

この大変さと言ったら、どのお母さんも皆苦労されているのだろう。

私自身も毎回疲労するのでやりたくないのだが、こうでしか磨けないのだから仕方ない。

もちろん育児雑誌等にある歯磨きを楽しくさせるためのあの手この手、「楽しく歌を歌いながら」、「お母さんが真剣な顔だと怖がるので笑顔で」、「バイキン退治ごっこをしながら」、「大人の歯磨きを見せながら」、「ぬいぐるみや人形にも歯磨きをして遊びながら」、「可愛い絵のついた歯ブラシを使う」といったことはやり尽くしている(他にもあるのかもしれないが・・・)。

息子もそれなりに自分で歯ブラシを持って磨いたりはしているのだが、まだ上手に磨けないので、私が仕上げ磨きをする。そこで嫌がる。

もちろん力の入れ具合とか、小帯に歯ブラシが当たると痛いから当たらないように、とかも考えているのだが。

私だって抑えつけたりするのは嫌だが、虫歯になってはいけないし、歯磨きの習慣は身に付けないといけないと思っているので、やるしかない。

・・・という毎日の歯磨き奮闘がある上で。

親がやろうとしても「身体拘束」が必要になるぐらいなのだから、歯医者での治療なんて、不可能じゃないのか? と思ったのだ。

歯医者という慣れない場所、知らない人たち(歯科医、スタッフのこと)、初めて見る器材、聞き慣れない音・・・。そんな環境でこのイヤイヤモンスターがおとなしく診療台に上がって口を開け、治療を受けるとはとても思えない。

泣いて喚いて暴れて嫌がって、診察させないだろうし、無理やり口を開けさせたら小さいくせにびっくりするほど強い顎の力で噛んでくるに違いない。

4歳ぐらいにもなれば、大人の話や虫歯ということも少しは分かるのだろうから、治療できる子もいるかもしれないが、この1~3歳ぐらいというのは、実は「虫歯になっても歯医者で普通に治療がしづらい」という恐ろしい時期なのではないかと考えた。


そう思ってネットであれこれ調べてみると、やはりこの時期は相当難しいようだった。小児歯科、大学病院で抑制をしたり、全身麻酔などをして治療する方法もあるそうなのだが。

阿部医師に尋ねてみても、やはりその時期には麻酔等による全身コントロールが必要になるということだった。

一母親としては、ネット検索していると上位に上がってくるQ&Aサイトを見てしまうわけだが、2歳ぐらいの虫歯をどうしたらいいかという質問もあった。答えを見ていてると、上記のように抑制か麻酔等で治療をしたという経験者の答えが目立った。どの質問、回答を見ていても、歯医者選びや治療方針、通院等で相当悩み、苦労している様子が伝わってきた。


ここでも思ったのは、子どもの歯医者を選ぶのは、大人が自分の通院する歯医者を選ぶより難しそうだなということ。何しろ、ホームページしか情報がない。行ってみないと、治療方針、親と子どもとの相性も分からない。その歯科で言われることが歯科業界ではどうなのか、ということも一般人には分かりにくい。しかし、子連れであちこちの歯医者に行って尋ねるというのも大変なので、そうあちこちも回れない。共働きだと時間の制限もある。


私はここまで考えただけで、結構心が重たくなった。今はまだ息子に虫歯はないからいいものの、いつできるかなんて分からない。

もし息子に虫歯ができたら、まずどうやって歯科を選ぼう? 誰から・何から情報をもらおう? 仕事との調整は・・・?

そう考えただけでため息が出てくる。

自分の歯医者選びよりよっぽど疲れるに違いない。


まずは、今晩もしっかり息子の歯を磨こう。今できることはそれしかない。

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