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中央社会保険医療協議会―09年度第3回(5月20日)

5月20日の中医協.jpg 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は5月20日、総会と診療報酬基本問題小委員会を開催した。(新井裕充)

 総会の議題は、▽平成20度診療報酬改定の結果の検証 ▽後発医薬品の使用促進 ▽医療機器の保険適用 ▽臨床検査の保険適用 ▽DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応 ▽医療経済実態調査―の6項目。

 診療報酬基本問題小委員会の議題は、▽平成20年度DPC導入の影響評価に関する調査結果および評価 ▽平成20年度特別調査再入院(再転棟)に係る調査 ▽DPC対象病院及び準備病院における後発医薬品の使用状況 ▽平成21年度におけるDPCに関する調査(案) ▽DPCへの参加及び退出―の5項目。

■ 総会

1.平成20度診療報酬改定の結果の検証
 中医協の診療報酬改定結果検証部会(部会長=庄司洋子・立教大大学院教授)は、08年度改定の影響を検証するために実施した「特別調査」(08年度調査)の5項目について、「検証部会としての評価」を総会に報告した。「病院勤務医の負担軽減策」については、次期改定でも引き続き実施することが必要だとしている。「外来管理加算」の時間の目安については、「患者は全体的には時間よりも内容や質を重視している」と評価した。
 ※ 詳しくは、平成20度診療報酬改定の結果の検証をご覧ください。

2.後発医薬品の使用促進
 09年度の後発医薬品の使用促進策の一環として厚生労働省は、各地方厚生局が医療機関と薬局に対して行う調査(適時調査)・指導(集団指導、集団的個別指導など)の機会を利用し、「療養担当規則等」における「後発医薬品の使用促進に関する規定」の遵守状況を確認することや、必要な指導を行うことを提案し、了承された。
 ※ 詳しくは、「薬局が悪い」 後発品の促進に"最終兵器"をご覧ください。

3.医療機器の保険適用
 厚生労働省は、5月1日付けで保険適用されている医療機器123件を報告した。医科では、「区分A2」(特定の診療報酬項目で包括的に評価されている部分)が63件、「区分B」(材料価格として個別に評価されている部分)が51件、歯科は「区分A2」が1件、「区分B」が8件。

4.臨床検査の保険適用
 測定方法が新しい項目(区分E2)として、血清中のシアル化糖鎖抗原KL-6を測定する「ラテックス凝集比濁法」の保険適用を承認した。
 また、測定項目が新しい項目(区分E3)として、尿中のサイトケラチン8とサイトケラチン18総量の保険適用を承認した。

5.DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応
 新規に薬価収載された場合にDPCの包括評価の対象外(出来高算定)にする高額薬剤として、「アリムタ注射用500mg(ペメトレキセドナトリウム水和物)」(標準的な費用・約48万円)と、「ネクサバール錠200mg(ソラフェニブトシル酸塩)」(標準的な費用・約30万8000円)を承認した。

6.医療経済実態調査
 2010年度診療報酬改定の基礎資料を得るために実施する「医療経済実態調査」の対象について、厚生労働省が調査客体を抽出するまでの流れを説明。調査実施小委員会の委員長を務める遠藤久夫・中医協会長は「財務状況によって恣意的な抽出は行われていない確信を得た」と説明し、了承された。
 ※ 詳しくは、回答率が上がると、開業医の報酬が下がる?をご覧ください。

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