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ニュース〜医療の今がわかる

ピンクリボンですら、検診率上がらない


gankeihatu4.JPG この日の懇談会では以下のようなやりとりが行われた。

 中川恵一座長(東大病院放射線科准教授)
「希望者がいっぱいいて検診先を見つけられないような時にどうするか考えておく必要がある。コントロールする窓口がなければいかないのではないか」

 塩見知司委員(日本対がん協会事務局長)
「今度の補正予算は千載一隅のチャンス。キャパシティの問題でこれで終わっちゃうとしたら勿体ない」

山田邦子委員(タレント・乳がん患者)
「検診を受けたいと思っても、やってない病院があると今回初めて知った。どこの病院で受けられるのか、それも優秀な病院を早急にリストアップする必要があるのではないか」

中川
「予想される問題には、あらかじめ対応しておく必要がある。どこに行ったらいいかも分かるような仕組みが必要だろう。それがないと市町村にクレームが殺到する危険もある」

山田
「なぜ、やってない病院があるのか理由を尋ねたら、治療だけで手一杯で、これ以上混んだら困るからということだった。何か間違ってないか」

中川
「検診は医療行為ではないから。しかし治すより、早く見つける方が、互いにハッピーなはず」

山田
「それだけの数、お医者さんもいないということだったけれど、非常にガッカリする」

中川
「そういう問題はたしかにある。難しい治療、最先端の治療はもてはやすけれど、地道な取り組みは報じないメディアの問題でもある。その意味で、福吉さんの教えてくれたマスメディア単独では効果ないということに関して心しないといけない。ただテレビCMやればいいというものではない」

(略)

岡本昌也参考人(富士フィルムメディカル執行役員)
「市民セミナーをやる度に忸怩たる思いになるのが、聴きに来た人たちの最大の質問に答えられないこと。どこで検診を受けたらいいんですかと必ず聴かれるのだが、そこで医療機関を紹介すると法律に触れる。結果として、講師の先生の病院に皆行ってしまう」

中川
「そこは少し整理しておかないと、本当に市町村にクレームが殺到する可能性が高い」

(略)
関谷亜矢子委員(フリーアナウンサー)
「毎度同じことを言って恐縮だが、お金がかからないのは素晴らしいけれど、お金の問題で受診できない人ばかりではない。むしろお金は払っても構わないと思っている人でも、子育ての真っ最中だと預ける所がない。そこできっかけを失う人も多い。託児所と連携する形で展開していくようお願いしたい」

中川
「生活に合ったシステムにしていくことが重要だろう。今回、5歳刻みになったのは主に財政的な理由。本来は2年に1度受けるものなんですよということの啓蒙もやっていかないと、かえって今回の事業で誤解が広がる可能性もある」

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